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2011年の破顔一聴(海外) [破顔一聴]


さてさて『破顔一聴2011』の海外編です。



例年と同じく、このエントリーは音楽的に優秀なアルバムを選んでいるというわけではありません。
僕がその一年間で出会ってきた音楽の中から『最も心に残ったもの響いたもの』を、独断と偏見で選んでます。

去年は秋吉敏子(p)とLew Tabackin(ts)のアルバム『Vintage』を選びました。
長年連れ添った夫婦であり、音楽的にも最高のパートナーとして固く信頼しあってきた、そんな二人が演ずる心暖まるデュオアルバムでした。




破顔一聴2011(海外編) 
I Feel You/Herb Alpert & Lani Hall

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そして今年選んだのは、Herb Alpert(tp)とLani Hall(vo)のダブルネームでのアルバム『I Feel You』です。まずジャケットに惚れました。素敵なショットだと思いませんか?

ハーブ・アルパートは、大ベテランのトランペッターであるとともにA&Mレコードの創始者としてもその名を馳せていますが、ボーカリストの女性、ラニ・ホールはアルパートのご夫人です。
昨年に続いて、彼ら彼女らのような老夫婦(と言うと失礼かな)のデュオ作品がやけに僕の心に響いたのは、今年の半ばに妻と別離して独り身になった僕の心情と無関係ではないと思います。

人生には出逢いと別れはつきものです。 が・・・やはり結婚は別ですよね。このジャケットからも想像できるように、おそらく様々な苦難を乗り越えてきたふたりが奏でる、優しさに満ちた、まるで人に寄り添い体温を感じるような穏やかな音楽が『ともに添い遂げる』ことを諦めてしまった不甲斐ない男の心を揺さぶるのでしょうか。

彼女との暮らしはおよそ10年でした。
その年月は、もう互いに過去の話として決着してますし、もはや愛情の欠片すらをも語る関係ではありませんが、ここ一年あまりの顛末での消耗は想像以上のものでした。それでも、可愛いふたりの娘に恵まれたのは永久に不変の事実です。それだけは何があっても忘れてはいけません。
長女と次女の居ない家にぽつんと帰ると、ともすれば膝から崩れ墜ちて終いたくなる夜が今でもありますが、離れて暮らすこんな父親に会うことに微塵も躊躇しないでくれる、娘ふたりの人生はこれからです。。。凹みっぱなしでもいられません。
彼女らが幸せな人生を送れるように、今年を見送り、僕も同じく新しい年を迎えねばなりません。

ベストトラック
12.I Feel You
13.Call Me
 2.Cast Your Fate to the Wind



これで今年の更新は最後になります。
日本列島にも、僕自身にも本当に色々とあった2011年でした。
何度かブログのシャットダウンも考えましたが、「破顔一聴」は、来年もう少し続きます。
もしも、ふたりの娘がこのブログに出てきたら・・・そのときは、どうか暖かく読んでやってください。

最後になりましたが・・・
こんな犬も食わないような話しを(現実の世界で)聞いてくれた人、僕に元気をくれたすべての人に・・・・

ありがとう。

それでは、また来年お会いしましょう。よいお年をお迎えください。

なちゃ
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2011年の破顔一聴(国内) [破顔一聴]

春が訪れ、夏が過ぎ、いちばん好きな秋はいつも足早に・・・・
そしてまた寒いゝゝ冬になりました。
廻る季節の順番はいつもと変わらないのに・・・・

2011年

僕らが暮らす日本にとって、そして僕自身にとって、忘れられぬ
いいえ、忘れてはいけない一年が、もうすぐ終わろうとしています。

このブログの一年を締めくくる名物(?)エントリーの時期になりました

輝く第4回「破顔一聴2011」

今年は2年ぶりに(国内)(海外)二本立てで行きましょう
これまでは大晦日ぎりぎりにアップしていたのですが、今年は少し早めです。
少しでも多くの人に、このアルバムを聴いてほしいから・・・

破顔一聴2011(国内編) 
LIVE & LET LIVE - LOVE FOR JAPAN/小曽根真

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このブログを度々見に来てくれている方々は、少なからず音楽に興味をお持ちだと僕は思っています。それはクラシックであってもジャズであってもロックで あっても和製ポップスであっても、「音楽」であることに変わりはありません。
愛すべきMerody、涙腺をくすぐるLyrics、演奏家の手捌きに高揚し、シンガーの歌声に胸を焦がすこと・・・それは年齢・性別・国籍・容姿・性格を問わない人生の楽しみであり、大げさに云えば権利のひとつだと、僕は疑うことなくそう思っています。

(面白いかどうかは別にして)これまで何枚ものアルバムの感想をつたない文字にして書いてきましたが、このアルバムをまだ聴いていない人がいたら、どうかどうかジャンルという嗜好の敷居を越えて、ぜひその手にとってほしいと・・・切に願うのです。
このアルバム製作のために、傷つき大きな悲しみに打ちひしがれた日本のために、ここに集結した世界の音楽家の名声は、あえてここで書くまでもないと思います。ジャズになんか興味が無い人もいることでしょう。参加ミュージシャンを全く知らない人もいるかもしれません。。。それでも、2011年もあと数日・・・・まだ少しだけ時間はあります。今年が終わってしまうまでに、もう一度『ふるさと』に、耳を傾けてみませんか?

(いつものように音楽ファイルを貼り付けたいところですが、今回は自重しておきますね)

※このアルバムの収益は全て公益社団法人メセナ協議会の「GBFund(芸術・文化による震災復興支援ファンド)」へ寄付されるそうです。

ベストトラック
9.ふるさと
1.ブルー・ボッサ
4.ヴァリエーションズ・オン・ア・ダンス


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2010年の破顔一聴 [破顔一聴]

年越しそば食った?
久しぶり(わぁ7か月ぶりってか)に自分のブログ開けて見たら
コメントが39にもなっててあらびっくり。

と思いきや、なんだよ殆どがエロエロのスパムじゃねーかよ
いやはや皆さん旺盛でいらっしゃる(笑)
こんだけ貯まると消さずに置いとくのが乙かもしれんね。


最後にアップしたのが5月。総理大臣は替わっちゃうわ廃刊になったSJも名前変えて復活してるわで、そろそろ何かアップしないとなー、でも暑いし(そういえば猛暑でしたよね)忙しいし、なんかめんどくさいなー、と思ってるうちに夏が過ぎ秋が来て大晦日になっちゃいました。
記事のアップの仕方もYoutubeの貼り方とか写真のサイズの変え方なんかすっかり忘れてる。よくもまぁ、こんなことせっせとやってたなぁ。つーか『破顔一聴』つうブログタイトルですら、ぴんとこないくらいだもんな。わははは。
てなわけでお元気でしたか?…つっても誰も来ないだろうな読まねーだろうな・・・最近はブログよりつぶやくのが流行ってんのか?・・・と独り言のようにブログでつぶやくなちゃです。こんにちは。
まー半年以上放置しときながらナンでは御座いますが、三日坊主ならぬ2年坊主と呼ばれるのもアレなんで2010年の破顔一聴くらいは書いておこうと思いマス。あ、去年までは海外と国内の二本立てだってのか(忘れててるし)。そんじゃ今年もそうしましょうか(笑)
つってもさ、今年はCDあんまり買ってないんだよな。買っても聴いてない、いや聴けてない、封すら開けてないのも何枚かあるわけで。そんな状況ですんませんけど2010年はこの二枚。

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海外編つうとちょっと無理があるかな。秋吉敏子とルー・タマキン…じゃなかたルー・タバキン夫妻による『VINTAGE』。
ヤフオクで400円で落とした掘り出しもん。ピアノとテナーデュオでエリントンナンバーを仲睦まじく奏でてマス。2008年のだから今年の新録じゃないんだけど、まーええやん。
なんかね、夫婦でこうやって二人で好きな音楽奏でるっていいよな。微笑ましいつうかね………羨ましいんだよ。凄く凄くね。

ベストトラック
13.In A Sentimental Mood
4.Mood Indigo
11.It Don't Mean A Thing

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さて国内編は、いきものがかりのベスト盤『いきものばかり』。
ここ最近は通勤中はこればっか聴いてるなあ。ホント良い声してるよねボーカルの娘さん(でも名前忘れた笑)。楽曲も(極めて良い意味で)過去のあの曲この曲から上手くなぞってるつうかパクパクしてるつうか、あー!ほら今の4小節あの曲とあの曲組み合わせて作ったろみたいな(笑)。そこら辺が絶妙に巧くって、若い人には新鮮で中年の僕らには何処か懐かしく聴こえちゃうのかもね(なんちて)。
まーでも良い曲揃いで、このアルバムには本当に元気付けてもらいましたよ。ありがとう。

ベストトラック

disc-2-9. ありがとう
disc-2-10.雪やまぬ夜二人 -2010 version-
disc-2-8.Happy Smile Again





今年は本当に色んな事があってあって有り過ぎてパンク寸前になってました。いや、パンクしてたと思います。たぶんこんなに音楽どころじゃなかった一年もなかったしブログも然り。そういえば春には身体悪くしたっけか。本当にね…逃げ出したいこと、(ぶっちゃけ)嫌で嫌で仕方ない事、そんな事こんな事あんな事をひっくるめて、なにも解決できないままに今年が去って行きます。・・・うむ。
さてさて来年はどんな一年になるのかなあ。久しぶりに読んでくれた人、ありがとう。
でも次のアップは未定です、あしからず(笑)
では良いお年を。

 


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2009年の破顔一聴(国内) [破顔一聴]

今年最後の更新になります。
先ずは、今年も色々な音楽作品に出逢えたこと
そして何よりも、星の数ほどもあるブログの中から、
ここを選んで読んで下さる皆様に出逢えたことに感謝しています。
ありがとうございました。


それでは・・・・
トップに置く写真に困ったので、いつも使ってるヘッドフォンを貼ったりしながら
2009年の破顔一聴・国内編いってみましょうか。
海外編と同じく順位はつけません。単勝一点です(笑)

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個人的に、今年は国内のジャズが大豊作だったように思うんだ。
若手では女性ピアニスト・上原ひろみがソロピアノにスタクラとの共演に大奮闘したのは存知のとおり。
女性ピアニストといえば上原ひろみの活躍に刺激されて(なのかは知らんが)大西順子が久々のお帰りなさいだったね。これはビッグニュースだったねぇ。
久々といえばこちらはもっと久々。超寡作のウルトラスーパーギター職人、今剛がなんと29年ぶり渾身のソロアルバムを発表(フュージョン方面ではこれが一番かな)。
で、ギタリストといえば渡辺香津美が『Jazz Impression』でジャズをブイブイいわしてくれた上に、アコースティックギターでの『Acoustic Flake』の売上も上々だったようだね。
そんでもって渡辺といえば、世界のナベサダ・渡辺貞夫の待ちに待ったスタジオアルバムは本当に嬉しかった。これは長年の大ファンだという贔屓目を差し引いても、今年のベストアルバムに挙げたくなる流石の内容。

そして秋も深まりつつあった10月の終わりに、これまた素晴らしいアルバムがリリースされましてね。






それでは、発表です・・・・(ドルルンドルルンドルルンドルルン・・・・←銅鑼の音)













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富樫雅彦バラードコレクション『マイ・ワンダフル・ライフ』

昨日ひとあし早く書いた海外編のボスとは一転して静かな落ち着いた作品なんだけど・・・・・
これが2009年に聴いた僕のベストアルバムっす。とりあえず一曲どうですか?



美しいアルトサックスは渡辺貞夫。まずはこの冒頭のアルトに、ものの数小節でやられたね。まさにこれ秒殺。
で、全曲を聴き終える頃には、ベストアルバムはこれに決まってました。

稀代の名ドラマー&パーカッショニストであり日本のフリージャズの草分けの一人でもある富樫雅彦(1940~2007)に捧げられたアルバム。
佐藤允彦(p)を中心に、日野皓正(tp)、峰厚介(ts,ss)、山下洋輔(p)、そして渡辺貞夫(as)といった富樫と親交の深かった日本の誇るジャズミュージシャンが集まりレコーディングされた、作曲家としての富樫雅彦のバラード作品集ってわけ。

先ずなんといっても素材としての富樫による楽曲が白眉。
2002年に体調不良で演奏活動から退き作曲と絵画に専念。自身のバラード集の作成を熱望しつつ病床で書き下ろしたそれらのメロディには、病への苦しみや悲観などが微塵も感じられず、逆に温かな優しさが満ち満ちている。
アルバムの軸となるピアノは富樫の最たる盟友であろう佐藤允彦。デュオを組むナベサダがヒノテルが峰厚介が、マイルドにダンディーに時には情熱的に、友との忘れ得ぬ日々を振り返り、交わしてきたミュージシャン・シップを確かめるように、色彩豊かな彼らのコトバで天国の富樫に語りかけていく。
素朴でどこか懐かしさを覚える富樫の旋律が、楽器一本で日本のジャズを支え続けてきた男たちの演奏によって丹念に紡がれてゆくさまが、幾重にも年輪を重ねた大樹に身を委ねるような安心感を僕にもたらしてくれる。その中に見え隠れする背筋が伸びるような凛とした空気は、今も変わらぬ姿勢で仕事に邁進する男たちによる匠みな剛柔と、ミュージシャン富樫雅彦への敬意以外に思いあたらない。
事故によってドラマーとして致命的な傷を負いながらもジャズを諦めなかった不屈の男に贈る、優しき男たちによる万感のピアノと吹奏。地上と天上とを繋ぐ音楽と友情が、まるで澄み切った天空から舞い降りるオーロラのように美しい。

このアルバムは、我が国日本のジャズのひとつの結晶だと、大真面目に断言できる傑作だと僕は思う。ジャズの母国アメリカにも誇れると思うし、参加したミュージシャンだけでなくプロデューサーにも大きな喝采を送りたい。ついでに言うと、これがインディーズなのが不思議で仕方がない。
少なくともこのアルバムが、これからの僕の『マイ・ワンダフル・ライフ』に寄り添ってくれるのは違いなさそうだ。

今年もまた、宝物が一枚増えたよ。よろしければ、今年最後にもう一曲いかがですか?

 

ベストトラック
1:マイ・ワンダフル・ライフ
2:レミニス’63
4:ワルツ・ステップ



これで2009年のブログ更新は終わりです。
また来年お会いしましょう。
皆様、良いお年をお迎え下さい。
ありがとうございました

なちゃ


 

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2009年の破顔一聴(海外) [破顔一聴]

さぁ~お待ちかね(うそうそ笑)2009年の破顔一聴でございます。
毎年末恒例のベストアルバム発表(つってもまだ2回目だけど…笑)

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早い話が、その年に僕が聴いた(あまり多くはない)音楽作品の中から、最も印象に残った・好きだった・ジンときた・感動させられた・・・そんなアルバムや映像を年末にやんやと褒めちぎる!という、なんとも無責任で独断と偏見に満ちゝゝた記事でございましてね。
まぁ色々と異論反論が多々噴出しても、それは一 切 認 め ま せ ん (笑)

ではでは、昨年の『2008年破顔一聴』は国内編が先でしたが、今年は先に海外編をいってみましょうか。

今年をざっと思い出すに、海外のジャズではハイ・ファイブのライブアルバム『ライブ・フォーファン』や、ブランフォード・マルサリス『メタモル・フォーゼン』、ステファノ・ボラーニのトリオ『ストーン・イン・ザ・ウォーター』なんかをここで記事にしました。記事にしてないところだとキース・ジャレットのソロピアノ3枚組やビル・エバンス(サックスの方ね)がWDRビッグバンドと競演した作品、マンハッタン・トランスファーのチック・コリア作品集が印象深かったかな僕は。あそうそう、チック・コリアといえば年始早々に出たRTFの復活やジョン・マクラフリンら(RTFに負けないくらいな豪華メンバー)とのファイブ・ピース・バンドもめちゃめちゃカッコ良い演奏だったよね。
ジャズ以外では春に出たU2、冬にはマイケル・ジャクソンの映画、ポール・マッカートニーのライブ盤がこれまた素ん晴らしかったのだけど・・・・・
個人的にはこれを凌ぐアルバムはありませんでした。









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ブルース・スプリングスティーンの『ワーキング・オン・ア・ドリーム』
発売は1月頃だったかな。僕が聴いたのは忘れもしない3月のある日。出張帰りの車中だった。
とにかくブルース・スプリングスティーンの作品としての良し悪し好き嫌いはおいといて、聴いたときのシチュエーションというか、その時の気持ちというかね・・・東京からの下りの新幹線の中で、世話になった人のこと、その人と成し遂げてきた仕事のこと、せめて最後に酒を一杯だけでも・・・そんな感情のあれこれが噴出してしまって、ボスと呼ばれる男の歌声と曲とが直撃してボロボロ落涙しちゃったんだな。もう、とにかく強烈すぎる印象を僕に残してくれたアルバムだった。

(そのときのお話が気になる人はこちらを)

その時のブログで書かせて頂いた老兵のMさんはその後、ある夏の日の朝に通勤途中の舗道で突然倒れた。心ある通行人の方に助けられたものの、約二ヶ月の入院と自宅療養を余儀なくされたんだ。Mさんが職場に復帰されたのは定年退職する日の僅か3週間前。無敵の鉄人だと思ってたMさんを襲った病気は心筋梗塞だった。
9月に復帰されたMさんは、変らぬ口調で僕らに無理難題を押し付け、去り行く日にも変らぬ口調でつっけんどんに云ってくれた。良い仕事が出来たよ、ありがとう・・・と。

Mさん、こちらこそありがとうございました。もう無理しないでくださいよ・・・・

・・・ね、独断と偏見でしょ?でも僕はそれでいいと思うんだ。
音楽の好き嫌いなんて結局はそんなもんだと僕は思ってる。学者が生物を観察するような冷静な音楽の聴き方は、あまり面白いと思わないし、たぶん僕には出来ない。
その歌を聴いて涙が出たんなら、それがサイコーってことだよ。これまでも、これからも。

 

2009年の破顔一聴・海外編は、
この秋に輝かしい第二の人生のスタートを切られたMさんに捧げたいと思います。


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2008年の破顔一聴(海外)  FIVE FOR FUN/HIGH FIVE [破顔一聴]

今年一年、この不肖なブログにも、たくさんの方々にお越しいただきました。
本当にありがとうございました。

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奇を衒うつもりはありません。どちらかといえば順当な方だと思います。
2008年の、僕のベストなアルバムは文句なしにハイ・ファイヴの『FIVE FOR FUN』で決まり。
発売された時から話題になったし、今でも売れ続けているらしいので、聴かれた方も多いと思うけど、まだの人は、お年玉で買ってください!オトナの人は子供に渡すお年玉をケチって買ってください!

とにかくカッコいい。ジャズという狭いジャンルの中でどうこう評価する以前に、単純に音楽としてカッコいいと思える作品だ。羨ましいくらい思い切りが良く、若い逞しさがあり、熱くて前向なのだ。タイトル曲『FIVE FOR FUN』でのトランペットソロやドラムソロなんて、本当にたまりません。
ブルーノートは、これまで何人もの素晴らしいジャズミュージックを生み出し育ててきた歴史ある名門レーベルだ。ジャズファンなら誰でも知っている。しかし、この痛快極まりないアルバムを、いくら同じレーベルだからといって、50年代~60年代あたりのアルバムを引き合いに出し、それらと同等の匂いを期待するのはマチガイだ。
今の耳で、今の感覚で聴けばいいのだ。半世紀も前の作品と比べて語られるのは、ハイ・ファイヴの本人たちも天国に逝った先達も迷惑だろう。聴き手を唸らせたり、考え込ませたりするだけがジャズではない。ジャズの巨人たちが、もはやあらゆる語法を披露し尽して、それを踏襲しようとするあまりにやたらと小難しくなったり、または商業的に安直な癒し路線に走る昨今のジャズアルバムの中で、これほど判り易くて踊りたくなるような作品が果たしてどのくらいあるだろうか?全身でリズムを取り、馬鹿みたく身体をゆすってノッてしまうようなジャズを、ハッタリでなく高度な技術を持ったホンモノ志向の21世紀に生きる若い奴らが演じている…それだけでここはOKなのではなかろうかと思う。
本作が名盤として後世に残るかどうかは僕は知らない。発売されてまだ間もない今、それを決め付ける必要なんて感じないし、10年、20年後の僕らの次の若い世代に委ねればいいことだ。

このジャケットを見てもらいたい。名門ブルーノート、音楽だけでなくアルバムアートにおいても芸術性をもたせた由緒正しいレーベルであるにも関わらず、なんとおバカな…そしてなんと躍動感のあるジャケットだろうか。
えーい、もう飛び込んでしまえ!せ~の!!

中年オヤジとしては、この若さにまかせたぶっちぎるような勢いから元気をもらっている。もちろん今でも。
今年の僕の個人的なベストアルバムは、国内作品が『過去をゆっくりと振り返る時間にピッタリのアルバム』に、そして海外作品が『新たな年に向けて、前を向いて突き進んで行くようなアルバム』となりました。

僕も、新たな年がきっと良い年になることを信じて、2009年に飛び込んで行きたいと思います。
このジャケットの子供たちのように。


ベストトラック
1.FIVE FOR FUN
6.ESTUDIO MISTERIOSO
2.OJOS DE ROJO



このブログを通じて、様々な方とお知り合いになれたこと、
楽しく暖かいコメントを頂けたこと、
大変感謝しています。
アクセスありがとうございます。どうぞ良いお年をお迎えください。


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2008年の破顔一聴(国内)  THE ONE/土岐英史 [破顔一聴]

なんか仰々しい記事タイトルですけど(笑)
今年の4月から音楽のネタを中心にブログを始めて、
最初の年の変わり目を迎えようとしています。
最初は音楽のネタだけで書き続けるつもりでしたが、
あっさりと初心を忘れてしまい、
なんだかとりとめのないブログになりつつありますね(笑)。
しかし年の最後は、僕が少ないながらも今年出逢ったアルバムの中から、
一番好きだった作品を…
ということで国内・海外で一枚ずつ紹介しようと思います。
まー、音楽ブログにありがちですけど、
早いハナシが、やってみたかったんです(笑)

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今年も季節は、世の中の誰一人も特別扱いすることなく過ぎた[ぴかぴか(新しい)]。やっぱり夏は暑かったし[晴れ]、やっぱり冬になると寒い[雪]。そういえば順番も合っている。春夏秋冬の順で巡ってきたから、いつもと同じだ。
同じだけれど早い!。つい先日まで猛暑でへろへろに参っていたのに、気づけばあと二日とちょっとで今年も終わり。。。
歳をとってくると本当に年月の経つのがどんどん早くなる。もしあと百年生きたとしたら、どのくらい早く感じるのか、ちょっと楽しみではある。それにしても、今年も振り返る間もなく終わった気がします。

僕の仕事収めも例年と変わることなく終わり、明日から数日間の休みに入る[手(チョキ)]。しかしまだまだ、これからが忙しい[パンチ]
『一年の終わりと始まり』という、人間が思い付いたちょっとした節目のようなものを暖かく清々しく迎えるために、人々は北風をものともせず忙しく町を闊歩し、大切な我が家の埃を払い、窓や玄関を磨く。そして振り返るのだ。僕もその一人だ。
今年も色々あったなぁ。。。
子供の成長、自分の成長、仕事の成功や失敗、このブログのこと、大好きな音楽のこと…あとは、えーっと(笑)。。。
良いこと、悪いこと、忘れられないこと、忘れた方がいいこと、忘れてはいけないこと。。。
そんな平凡で細やかな色々を全部ひっくるめて、たまにはゆっくりとお酒に溶かして飲んでみる。。。
仕事も収めて、忙しさも手を離れた年末の夜くらい、そんな余裕があってもいいと思う。
あー、そうだ。こんな音楽には、滅多に飲まないウィスキーなんかがいいかもしれない。 

ベテランアルト奏者、土岐英史の待望のニューアルバムは、実に14年振りというストレートなジャズアルバム。
これといった目新しさはない。かといって古めかしさも感じないのは、僕が土岐英史のアルトの音色が大好きだからなのだろう。好きになった女の子が、何を着ていても素敵に見えるのと同じだ。
しっかし、このアルバム、僕だけでなく、サックス好きには堪らないのではないだろうか?土岐英史のサックスが、深い輝きを秘めた琥珀の粒を紡いだ首飾りのように個性的で美しい。自分の演奏スタイルを貫いて完成させた、日本を代表するアルトのスタイリストとしての自身に満ちた吹奏は甘いだけでなく、サックス奏者としての生き様まで感じられるようで、実にダンディーだ。
ことアルトサックスに関しては、僕は目新しさのようなものを必要としない。好きな音と好きなソロと良い曲があればいい…少なくとも僕にはそれだけで充分だ。
名作『Good Life』から時を経て、円熟味を増したアルトサックスの琥珀色の音色と、氷がグラスの中で姿を変える音。。。お子ちゃまには分からない、オトナだけに許される夜。
2008年、僕の暮らしを彩った色々も、やがて年老いて再び振り返る時には、深く美しい琥珀色に変わっているだろうか。
僕が国内の作品で、今年一番好きだった『THE ONE』は、ジャズが好きである事、サキソフォンが好きである事、今自分がオトナであることを素直に喜べる音楽だ。

ベストトラック
3.MY IDEAL
1.C.MINOR
6.WHEN I FALL IN LOVE

 

 


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