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Metamorphosen/Branford Marsalis Quartet [JAZZ]

9:1くらいの割合で古いアルバムの記事が圧倒的に多いこのブログでありますが、案の定、今年に入ってからジャズの新譜の紹介がまだありまへん(苦笑)。
たまには新しいアルバムのことも書かなきゃな~ということで、ブランフォード・マルサリスが率いるカルテットの約3年ぶりとなるアルバム『Metamorphosen』。発売からもう2ヶ月経ってるので、もう新譜って扱いでもないだろうけど良しとしましょう(笑)
あちこちの音楽ブログでもかなり評判が高く、結論から言うと僕も素晴らしいアルバムだと思う。メタモルフォーゼンとは、"変容"を意味するドイツ語だそうだ。

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オリジナル曲を中心に構成されている9曲(日本盤はブルースのBTつきで10曲)のうち、リーダーのブランフォードの作曲は1曲のみ。セロニアス・モンクの『Rhythm-A-Ning』とボーナストラックの『Aunt Hagar's Blues』以外の7曲がブランフォード以外のメンバーの手によるもので、こういった曲の配置だけ見ても今のこのカルテットでのメンバー間の良いバランスが伺えるようだ。
スリリングで疾走感溢れる楽曲あり、いかにも現代ジャズって感じのモーダルな曲あり、ユーモラスなメロディの曲あり…かと思えば、鎮魂歌を思わせるようなどうしようもなく悲しいバラードなどなど、楽曲が実にバラエティに富んでいるので聴いていて気が緩む所がないし飽きない。
クリアで滑らかな音色で鳴らされるブランフォードのサックスは相変わらず抜群の安定感。テクニックならM・ブレッカーらと並ぶ巨匠の域に、既に到達していると僕には思える。まぁ、どうも凄みに欠ける優等生的なところで弟のウィントン同様に好みが分かれるのだろうけど、僕は好きだなぁ、ブランフォードのサックス。
情熱的なJoey Calderazzoのピアノや、ビシバシと怒涛の勢いで暴れるJeff "Tain" Wattsのドラムが、リーダーのブランフォードを煽りたててどんどんヒートアップしながらも、セッションレコーディングとはまた違った一体感から生まれる『短すぎず冗長すぎずの演奏密度の濃さ』は、長年同じ時を過して来た不動のメンバーにしか出せないものだろう。
ライナーによると、これだけの演奏が全てファーストテイク、たったの7時間でレコーディングが完了したというのだから驚きだ。このカルテット、今ホントに充実してるんだろうな。本作ではブランフォードはテナーとソプラノだけでなく、ちょっと意外にもアルトを吹いているのにも注目。しかし個人的には、②The Blossom of Parting⑦The Last Goodbyeのバラードで、美しさの中にも女々しさが一切感じられない硬派なソプラノの吹奏に圧倒されっぱなしだった。

ベストトラック
2.The Blossom of Parting
1.The Return of the Jitney Man
5.Rhythm-A-Ning


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