East Coast, West Coast/Toots Thielemans [JAZZ]
楽器を多かれ少なかれかじっていると、自分の憧れのミュージシャンと『同じモデルの楽器』を一度は手にして弾いてみたい思うものだ。
その昔、まだ19歳だっ
たジョン・レノンが、ギタリストでもあった37歳のトウーツのギターとハーモニカ演奏に衝撃を受け、同じリッケンバーッカーの#325というモデルとハーモニカを手に入れて、そのスタイルに傾倒していったのは有名な話だそうだ。相手がジョン・レノンというところが凄い。
1922年の生まれだというから、昭和どころではなく大正11年生まれの86歳。
昭和10年生まれの、僕の親父よりも年上の"ハーモニカおじさん"…いや、世界中から愛されるハーモニカ爺さんトゥーツ・シールマンス。
『さて、音楽でもかけようか』と思ったものの、サックスやトランペットの音が喧しいと感じる時もある。ピアノを聴くにもイマイチ気が乗らないし、ギターやヴォーカルなんて以ての外。。。そんな気分の時ありませんか?これから聴く音楽になんとなく迷った時は、素朴で切なく、どこか懐かしい響きのハーモニカなんて如何でしょう?
アメリカの東海岸(ジョン・スコフィールド、テレンス・ブランチャード、マイク・マイニエリ、ライル・メイズ…)、西海岸(ハービー・ハンコック、チャーリー・ヘイデン、ピーター・アースキン、ロベン・フォード…)から選りすぐりのミュージシャンを呼び寄せて有名なスタンダード・ナンバーを録音した『East Coast West Coast』。
掌にすっぽりと隠れてしまうような小さな楽器に、ビッグバンドにも勝るような存在感を宿し、ジャズの緊張感の代名詞のような『Giant Steps』でさえも、こんなに美しく優しい癒しの音楽に変えてしまう。。。そんなトウーツの魔法を堪能できるアルバムである。
ベストトラック
8.Waltz for Debby
7.Giant Steps
4.Groovin' High
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