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Tempest In The Colosseum/V.S.O.P. the Quintet [JAZZ]

トランペッター、フレディ・ハバードが昨年の暮れに亡くなったのを知りました

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ハービー・ハンコック(p)、ウェイン・ショーター(sax)、トニー・ウィリアムス(ds)、ロン・カーター(b)、そしてフレディ・ハバード。
トランペットのフレディ・ハバード以外は、ご存知60年代のマイルス・デイヴィスの黄金クインテットのメンバーだ。
もともとはハービー・ハンコックがかつての親分であるマイルス自身をトランペットに据えて大々的に60年代クインテットのリユニオンを……というモントルー・ジャズ・フェスティバルでの企画だったらしいのだが、当時体調を崩していたマイルスが参加出来ずに、ハンコックらと同世代の実力派フレディ・ハバードを迎えた一夜だけの演奏として結成されたまさにVery Special Onetime Performanceの名にふさわしいスーパークインテットだ。まぁ『一度きり』とはいうものの、これだけのメンバーだ。当然のことながらモントルーでは絶賛を浴びてグループは存続を決め、二度の来日公演を実現することになる。

僕がフレディ・ハバードの演奏を初めて聴いたのが、この田園コロシアムでのライブアルバムだった。この演奏を生で聴くことが出来た音楽ファンは、僕よりもひとまわり上の世代の方々だろうか。本当に羨ましいと思う。
僕がこのアルバムを手に入れたのは、ジャズを聴き始めてから結構早い時期だった。お目当ては、当時すでにジャズミュージシャンとしての名声を欲しいままにしていたマイルス・クインテットの面々だというのは勿論だけど、ジャンルは違うけど、当時好きだったどこかELOの作品を思わせるSFちっくなこのジャケットもなかなか好みだったし、『熱狂のコロシアム』という邦題にもすごく興味を引かれた記憶がある。
とりわけオープニング曲Eye of the Hurricaneは、ちょっとした衝撃だった。吹き荒ぶ風と大海のうねりのようなトニー・ウィリアムスxロン・カーターのリズム、ハービーのピアノは叩きつけるような豪雨を思わせ、左チャンネルからのウェイン・ショーターの雷鳴のようなテナーの咆哮、そして右チャンネルからの目も眩む稲妻のようなフレディ・ハバードのトランペット!まさにタイトルそのまま、『台風の目』の中に我が身を置いているかのような緊張感とスピード感、アウトしまくり煽りまくりのド迫力の即興演奏の応酬に、完全にノックアウトされたものだった。このアルバムは、今でもジャズのライブアルバムの中では、個人的に五指に入るくらい好きな作品だ。

フレディ・ハバードの新たな演奏はもう聴くことは出来ない。
しかし、田園コロシアムに吹き荒れた真夏の嵐を、日本の音楽ファンは決して忘れることはないだろう。

2008年12月29日、
フレディ・ハバード、LAにて心臓発作で逝去。享年70歳。
R.I.P

ベストトラック
1.Eye of the Hurricane
6.Red Clay
4.Maiden Voyage


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sak

ジャズっていいですよね♪
あまり詳しくないのでこのかたのこと知らないけれど
マイルス・デイヴィスとハービー・ハンコックと
ロン・カーターは知っているかも。
美味しいバーボン飲みながら久しぶりに聞いてみたくなりました。
by sak (2009-01-13 17:27) 

なちゃ

・sakさん、ありがとうございます。
そうですね!こうしてブログを書くことで、ジャズの良さを改めてかみ締めるようになった気がします。
一生聴いていける音楽のひとつだと思います。

・xml_xslさん、ご訪問&niceをありがとうございます!
by なちゃ (2009-01-13 23:43) 

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