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Live For Fun/High Five [JAZZ]

名門ブルーノートに移籍して発表された前作『FIVE FOR FUN』が、個人的に抜群のカッコ良さで見事(?)『2008年の破顔一聴(海外編)』に輝く位のオキニだっただけに、同じブルーノート発でしかも前作発表後ノリノリの状態での来日公演なのだから、もちろん期待莫大。輸入盤を待っていたが予定なし、前作みたく期間限定値引の気配もないので購入したというわけ。

liveforfun.jpg

 

前作については、あまりジャズっぽくない(というかBlueNoteぽくない)ジャケットも含めて大衆受け狙いだと、良くも悪くも評判になったみたいだけど、あの躍動感溢れるジャケも僕は好きだったけどなぁ。演奏面での評判もさることながら、あのちょっとおバカなジャケットにビビビと来たもんです。まぁ大衆ジャズファンですから(笑)
だけども、ハイ・ファイブのような活きのいい若さ溢れるジャズがつまらなく感じるくらいなら、別にマニアックなベテランのジャズファンなんかになりたくないな…ってのはあるかな。

さてさて、非常に高度な技量とハードな直球勝負が身上なイタリアンジャズ集団ハイ・ファイヴ。今回もジャズっぽくないジャケットで来たぞ。真っ青な空、真っ黒な伊達男、真っ赤なフェラーリ。
しかしこれは、イタリアの若き精鋭たちが今持っている華と、スリル、スピード、パワー、そして白熱のインタープレイをイメージさせるにはピッタリだと思う。実にイタリアらしい男前なジャケットだ。
おっと、ジャケットだけで絶賛しちゃってるもんで、タイトル書くの忘れそうだわ(笑)。タイトルは『LIVE FOR FUN』ね。
タイトルてきには、やっぱりそうきたかーって感じ。こりゃ『ふとんがふっとんだ』とか『ひらめがひらめいた』のノリですわな。だじゃれ。
しかし、イタリア人だもんで、ただでさえメンバーの名前が憶えにくいだけにタイトルはこのくらい憶えやすい方がいいんじゃない?

収録曲は昨年の東京ブルーノートでのベストチョイスが集められた全8曲で、うちオリジナルが3曲という良いバランス。ライブで楽しむにはスタンダードもあった方がいい。
ライブはマッコイ・タイナーの『Passion  Dance』で快調にスタート。初っ端からファブリツィオ・ボッソのトランペットが眩しいくらいに鮮烈だ。熱くなりかけた気持ちを一旦落ち着かせるように、ルカ・マヌッツのしっとりとしたピアノが印象的な2曲目『Pandaguru』へと続く。さぁここからが凄い。モーダルな3曲目『On The Way Home』では一転してここまでが慣らし運転だったかのように突っ走る。ボッソのノンブレス奏法が炸裂し、聴衆も大喜びだ。ウェイン・ショーターの8ビート曲『Adam's Apple』を軽快に挟み、高速かつ複雑なテーマを持つ5曲目『Inception』のファブリツィオ・ボッソの超絶トランペットでトップギア。期待どおりの凄まじいソロの後、急ブレーキを踏むようなテンポダウンからのピアノソロで再びアクセルを踏み直し、そのままどんどんどんどん加速して一気に最高速へ。
かと思えば、モンクの『Body&Soul』では、ジャズマンとしての真価をしっとりと余裕たっぷりに披露してみせるあたりが、このバンドの底知れぬところか。終盤になってようやく演じられる『Five For Fun』が地味めに感じるほどの熱演快演が目白押し。ラストの『What Is This Things Called Love』はメンバー紹介しながら意外なほどコンパクトに締め。カッコいい!こりゃ満足でした。
ブラーヴォ~!!ブラーヴィ~!!

img047.jpg

前作では、個人技の面ではボッソのトランペットがやはり頭ふたつくらい抜きん出ていた印象があったけれど、今回はサックスのダニエル・スカナピエコやピアノのルカ・マヌッツもかなり肉薄してきたぞ、という感じがするし、ジャズもこんなにカッコいい若者がやってるんだから、まだまだ捨てたもんじゃないと思えるのが嬉しいね。若いうちは枯れた魅力なんて考えずに、このまま突っ走ってもらいたいもんです。

ベストトラック
5.INCEPTION
3.ON THE WAY HOME
6.BODY & SOUL





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コメント 8

漢

♪~オッシャレーナ!
by 漢 (2009-06-13 11:25) 

空兵ーS

ジャズがフュージョンとか
フリーに行きかけた頃から
進歩とか時代の動きに背を向けるように
古いジャズばかり聴いてきたのですが、
現代のブルーノート初めて知りました。
サックスがいいですね。
>ジャズもこんなにカッコいい若者がやってるんだから、まだまだ捨てたもんじゃない・・・
本当にそうですね。




by 空兵ーS (2009-06-13 16:34) 

なちゃ

漢さん、ありがとうございます。
こんど来日したら、ぜひライブに行きたいバンドです。
by なちゃ (2009-06-14 22:39) 

なちゃ

空兵ーSさん、ありがとうございます。
ジャズが最も輝いてた50~60年代。その時代を抜きにして語ることは出来ませんが、今のジャズも出来る限り聴いてみたいな、とも思うんですよね。
結構、当たりもあるので。
by なちゃ (2009-06-14 22:43) 

なちゃ

niceを下さった皆様、ありがとうございます。
by なちゃ (2009-06-14 22:44) 

mwainfo

「Five For Fun」拍手!
イタリアのジャズは、ズート・シムス イン イタリー、で見直しました。ズートがクラリネットをご機嫌に吹いています。
by mwainfo (2009-06-16 14:45) 

なちゃ

mwainfoさん、ありがとうございます。
へぇ~、ズートはクラリネットも吹くのですか。知りませんでした。
『ズート・シムス イン イタリー』、探してみようかな・・・・・
by なちゃ (2009-06-17 22:36) 

なちゃ

niceを下さった皆様、ありがとうございます。
by なちゃ (2009-06-17 22:36) 

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