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Stone in the Water/Stefano Bollani [JAZZ]

こないだ風邪で寝込んでる間、枕元に小さなラジカセを置いて、ずっとこのアルバムをかけとりました。
布団の中で寝たり起きたりしながら、『これ良いアルバムだからブログのネタにしよう』って思ってたんだけど、どういうわけかピアノトリオのアルバムってブログで文章にするのが難しい…つーか苦手なんだよね。ホーンやギターならなんとか文章になるんだけど、一年半ブログやっててピアノトリオの記事って2回くらいしか書いてない。いや、紹介したいアルバムは一杯あるんだけど書けないのだよ(笑)。
なので、このアルバムも上手く書けないんだけど、そこは上の方でスクロールしてるサブタイトルのとおり『無責任日記』ってことで許してくだされ(笑)
……また前置きが長くなったけど、結論から言うと、このアルバムは買って良かった。
マジで素晴らしいっす。

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1. Dom de iludir
2. Orvieto
3. Edith
4. Brigas nunca mais
5. Il cervello del pavone
6. Un sasso nello stagno
7. Improvisation 13 en la mineur
8. Asuda
9. Joker in the village

Stefano Bollani (p)
Jesper Bodilsen (b)
Morten Lund (ds)

 

で、なにが素晴らしいかって、ステファノ・ボラーニの『Stone in the Water』
ステファノ・ボラーニは1972年生まれのイタリアを代表するジャズ・ピアニスト。以前からネットのあちこちで評判だったので名前だけは憶えてたし、ずっと興味も持ってたんだけど、前作がソロピアノだったので結局購入を見送っていたんだな(なんとなくソロピアノは今はキースだけで充分な心境なのです)。
ボラーニの音楽については僕が知らなかっただけで、巷のジャズ通の間ではかなり有名なピアニストでありまして、多くのレコーディングに参加もしているし来日実績もある。日本では『ビーナスレコード』から自己名義のアルバムを出して名が売れたみたいだね。
この最新作はピアノトリオで、前作でソロを録音したのと同じくECMからのリリース。「よっしゃ、トリオなら今度は買いだ!」ってなわけで、迷わずいっちゃいましたよ。そりゃもうECMからソロピアノを出すくらいだから、実力的には疑う余地もないだろうしね。
気になる面子はイタリアンのボラーニに、ベースのJesper BodilsenとドラムのMorten Lundはデンマーク人。これまた恥ずかしながら僕はどちらも知らなかったもんで、ググッてみたらボラーニと同じ年代同士のリズムセクション。デンマークのレーベルからBodilsenの名義で既に2枚のアルバムを発表していて、このメンバーでの活動は年季が入ってる。音楽的に良い関係なんだろうね。ふむふむ、この二人も覚えとこ(笑)


アルバムは、静粛の中で響き渡るボラーニのリリカルなピアノで優雅にスタート。やがてピアノに寄り添うようなルンドのブラシワークがフィルインして行き、ボデルセンの流れるようなベースソロへと引き継がれていく。一音一音を慈しむように奏でる三位一体の美しさに聴き惚れているうちに、知らぬ間に引き込まれている。
究極に美しいけれど甘い優しさだけに終始しない…そんなECMの象徴のような透明感、曲によっては敢えて封じ込めることによって温度が上昇したジャズの熱を一気に放出して見せるさまは見事。このトリオ、ライブだと凄いことになるんじゃないだろうか、ぜひ聴いてみたいもんだ。
さらっと聴き流していると、まるでスタンダード集のような美しい旋律の向こうに凛として全体を支配している緊張感が佇んでいるのに、ふと気づかされるような風情は、どことなくキースのトリオを連想させながら、『若さ』という彼らが二度と得ることの出来ないオリジナリティも溢れている。
曲はボラーニ作が4曲とベースのボデルセン作が2曲、ジョビンの『Brigas nunca mais』などが3曲。9トラック全てに非の打ち所が見当たらない。ECMといえばキースのトリオが知名度も売れ行きも一番なんだろうし、僕もそれに反論する気は全く無いんだけど、近年聴いたピアノトリオの中では断トツに気に入ったっす。
モノクロの冬空に舞う渡り鳥の群れに、あとは隅っこに活字だけ…そんなジャケットも、いかにもECMだなーって感じ。。。。

あーやっぱだめだ(笑)、この素晴らしさを上手く書けないので、今日は2曲貼っときます。あとは聴いてみて~、これ絶対にいいと思いますぜ。

ベストトラック
1.Dom de iludir
6.Un sasso nello stagno
8.Asuda






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コメント 4

alo-had

なんと言ってもジャケットのアートワークが素晴らしいですよね。
おっしゃる通り、いかにもECMって感じで。 w w
by alo-had (2009-10-29 01:25) 

kazn

空気みたいな音楽ですね。でも酸素濃い・・・ような。
それまでに、ジャケ買い決定ですね。
by kazn (2009-10-29 23:13) 

蟹道楽

これは素晴らしい。
確かに素晴らしいものって、素晴らしいとしか文章では表現できないものです。ステファノ・ボラーニはビーナスのアルバムを聴きましたが、平凡に聴こえました。(ビーナスには合わないのかも・・・)
ECMこそこそステファノ・ボラーニの実力が発揮されるのでは!
by 蟹道楽 (2009-10-31 11:53) 

なちゃ

alo-hadさん、 kaznさん、 蟹道楽 さん、コメントありがとうございます。
お勧めのアルバムです。よろしければ是非。


by なちゃ (2009-10-31 22:13) 

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