Winelight/Grover Washington,Jr. [FUSION]
『ワインライト』を最高傑作に挙げる人は多いと思し、僕もその一人だ。
しかし、どうも世間からの扱いが軽いように思えてならない。
僅かとはいえ同じ楽器をかじったことがある者として、ひとこと言わせてもらうと
このアルバムは世間で評価されているような甘ったるいだけの作品ではない。
たしかにとても聴き易いアルバムだ。しかし、そのオブラートの中で繰り広げられている汗が迸るような熱演を蔑ろにすると、あまりにも主役のグローバーが気の毒に思う。
S.ガッド(ds)、E.ゲイル(g)、R.ティー(kb)、M.ミラー(b)を相手に、ほぼペンタトニックだけで、あれだけのフレーズを積み上げるグローバーは云わずもがな、プレイヤーに思う存分熱演させつつ、(良い意味で)BGMとして耐えうる聴き易さも併せ持っているという意味で、B.イートンのアレンジとプロデューサーのR・マクドナルド(per)の手腕も素晴らしい。
唯一のボーカル曲『Just
the Two of
Us』が大ヒットしたこともあってか、アルバム丸ごとが、やれ”都会的でムーディー”だとか”バーのカウンターで恋人と”だとか”ワイングラス片手に”だとか・・・同曲の邦題(クリスタルな恋人たち)よろしくバブルの残骸のような言葉で形容され、只の『洒落たムード音楽』のようなイメージだけで片付けられている感がある。僕はそれが大いに気に入らないのだ。
たしかに、金色のサックスを背景にワイングラスを写したジャケットは『そういう聴き方』を遠回しに推奨しているようにも見えるが、NY最強のリズムセクションによるタイトなバッキングに乗って、終始に渡って独壇場のごとくアルト・テナー・ソプラノをエネルギッシュにブロウしまくるグローバーのサックスソロは、凡百なボーカルよりもソウルフルで歌心に溢れた本当に素晴らしいものだ。
『Just
the Two of
Us』が、今も名曲として映えているのは、前後を固める5曲の良質のインストナンバーとのバランスの良さだと言ってもよい。僕は『ワインライト』の真髄はこれに尽きると思っている。
そう、雰囲気の甘さだけで語れるほど名盤の地位は甘くないのだ(笑)
もちろん音楽の楽しみ方は自由だ。しかし是非一度、虚心坦壊シラフでじっくりと聴いて見て欲しい。
酒の肴にするだけでは勿体ない39分間だ。
ベストトラック
1:Winelight
3:In the Name of Love
4:Take Me There
このアルバムに限らず、
勝手なイメージが先行してしまうアルバム、ミュージシャンの多いこと。
ま、その逆もあったりしますが・・・ ^_^;
かく言うオイラも、あまり人のことは言えませんが・・・
基本的には自身で聴いて判断してますよ。
だって、聴くのは自分ですからね (^_^)v
by ノーバッド (2010-02-26 08:42)
よく聴きましたー。
ボズ・ヴァージョンよりも好きですから。
あ、ボズも好きですけれども(笑)。
by alo-had (2010-02-26 12:01)
オシャレなこと!
by 漢 (2010-02-26 16:44)
早速探してみようと思います。
by U3 (2010-02-26 18:19)
軽く扱っていたひとりです。
反省して、聴き直してみます。
by kazn (2010-02-26 20:24)
いい曲ですね。これは元々知ってた曲ですが。
私はヴォーカルのある曲が基本的に好きです^^
by yukky_z (2010-02-26 22:32)
私もブログ記事にもアップしたし、
今でもたまに聴くアルバムです。
by ぷーちゃん (2010-02-26 23:40)
懐かしいですね。久しぶりに聴きましたが隙のない完成されたサウンドって気がしました。
by 丹下段平 (2010-02-28 11:00)
珍しく持っているCDがアップされたので
Youtubeではなく自分のCDで聞いています。
大変快適で気持ちの良い演奏と思って聞いてました。
でも、簡単そうに見えることこそ難しいのかも知れませんね。
ナベサダさんの演奏と共通する雰囲気を感じます。
by 空兵ーS (2010-02-28 20:00)
繊細、且つ大人の音楽ですね。
軽いようで、実は恐ろしい切れ味のナイフのような...
by nexus_6 (2010-02-28 21:37)
はじめまして!
昔、針が擦り切れるほどよく聴きました。
Winelightのイントロ部分からワクワクです^^
by shizuku (2010-03-01 23:50)