SSブログ

Boogie-Boga-Boo/本田竹広 [JAZZ]

うは[かわいい] これ、めちゃくちゃカッコいい[ぴかぴか(新しい)]
行き付けの図書館で見っけた一枚っすけど。

 

boogiebogaboo.jpg

図書館にあるCDってば、新作はもちろん無いし泣く子黙るような超有名盤もあんまし置いてないんだけど、逆にそれが面白くってヤミツキになるんだな。僕が通ってる図書館には、もうそこらのショップにゃ置いてないようなB級C級D級の盤がゴロゴロしていて、そん中から希にこんな魅力的な作品にばったり出会えたりするわけ。なんつっても無料(ただ)なのがいいよね。ハズレても、返しちゃえば後腐れないし(笑)


てなわけで、これはピアニスト本田竹広の作品でタイトルは『Boogie-Boga-Boo』と書いて『ぶぎー・ぼが・ぶー』と読む。またまたマイナーなアルバムですみませんけど(笑)。

本田竹広といえば、僕の場合は70年代の渡辺貞夫グループが真っ先に浮かぶかな。フュージョンブームの頃に活躍した名バンド『ネイティブ・サン』の中核メンバーでもあったよね。もちろん自己のピアノトリオやソロピアノでの緒作の評価も高い。
本名は本田昇なので竹広は芸名。さりげなく竹彦→竹曠→竹広と変えながら活動し、二度に渡る病魔(脳内出血)に倒れながらも後遺症と闘い奇跡的な復活を遂げ、2006年に60年の短い生涯を終えるまでピアノを弾き続けた不屈の芸術家・・・それが本田竹広。
ちなみに、御夫人はナベサタの実妹でボーカリストのチコ本田。息子の本田珠也は今や日本屈指のジャズドラマーだね。

この『Boogie-Boga-Boo』は1995年の録音だから、時期的には最初の病魔に襲われる直前(この後2000年まで闘病生活となる)で、芸名を竹広に変えての最初のアルバムになるんだな。
日野元彦(ds)・ポールジャクソン(b)のリズム隊と組んだトリオに加えて、五十嵐一生(tp)と臼庭潤(ts)のホーン、更には今出宏のblues harp(いわゆるハーモニカだね)が参加。サウンドはジャズなんだけどもノンフォービートで、敢えて言うとジャズ・ファンク系のサウンドってところでしょうか。んーカッコいい。
アルバムは、のっけから(当時はまだ若手だった)の五十嵐のトランペットと臼庭のテナーが大活躍。若さほとばしる全力のブロウがなんとも爽快。こういう活きの良いソロを吹かれると、一曲が長尺になっても全然オッケーだな。
リーダー本田竹広がプレイしているのはピアノではなく、Fender Rhodes(フェンダーローズ)だ。フォルテでの鋭い切れ味やメゾピアノでの優しい音のゆらぎ、とろけるようなエロさとクールなインテリジェンス・・・ピアノとはまた違った、Rhodesの個性が実に良い雰囲気でアルバム全体を支配している。ベテランが生み出すグルーヴも強烈だ。名手・日野元彦のドラミングにじっとりと絡むポール・ジャクソンの真っ黒なベースラインが、じんじんと下半身にくる。もうそれだけでも聴いてみる価値のある一枚だと思うし、なんといってもラストを飾る『Water Under the Bridge』が素晴らしい。スローな8ビートで演じられるこのシンプルなバラードを聴いていると、橋の上に佇み大河の流れを眺めるような情景が嫌でも目に浮かび、どこまでもメロウな旋律を奏でる本田のRhodesと、どうしようもなく切なく歌い上げるblues harpのリフレインに・・・あ、あかん・・・なんだか泣けてきた。

んー、これはピアニスト本田竹広の代表作とは言えないかもだけど、もっともっと評価されいい秀作だと思いマス。
つうか、こんなのが見っかるから、図書館通いはやめられないんだよな(笑)

 

ベストトラック
7:WATER UNDER THE BRIDGE
1:J.F.
2:WING IT SHUFFLE






nice!(51)  コメント(9)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 51

コメント 9

ノーバッド

図書館のCDのセンスって、すごい!!
なんで、これ?とか BEATLESも、何でこの3枚???とか。
結構すごいです。けしてレアでは無いのでしょうけど。。。 ^_^;
by ノーバッド (2010-03-30 09:00) 

sak

図書館にCDってあるのですね
いつも目的の場所へ一直線だったから
全然知らなかった(^^;
次回行った時はゆっくり中探検してみます
by sak (2010-03-30 13:06) 

Studio-Oz

おはようございます。

Rhodesの音が色っぽいですね。
しかし、ポールジャクソンの音は太いです!
彼の体と同じ様・・・(笑)
確か、ポールジャクソンって日本で活動しているんですよね?

図書館、僕もたまに活用しています。
意外と侮れませんよね!!

by Studio-Oz (2010-03-31 05:09) 

なちゃ

ノーバッドさん、こんばんは。
そうそう、ありますあります^^
肝心な一枚が普通に無かったりするんですよね。
僕が行く図書館では、ビートルズはいつも貸し出し中です。
もちろんリマスターではありません・・・笑
by なちゃ (2010-03-31 23:29) 

なちゃ

sak さん、こんばんは。
最近はCDやDVDを置いてますよ。
でも、図書館によってずいぶん蔵書に差があるみたいです。
ない図書館もあるようですし・・・
by なちゃ (2010-03-31 23:31) 

なちゃ

Studio-Ozさん、こんばんは。
はい、どうやら日本に住んでるみたいですね^^
なんか嬉しいです。
他のベーシストのプレイを殆ど聴かないジャコパスが、別格扱いした程の人ですから、まさにミュージシャンズミュージシャンですよね。
図書館のCD、ケースもライナーもボロボロですけど、ホントに侮れません。
by なちゃ (2010-03-31 23:43) 

空兵

私が知っているのは「竹曠」時代ですね。
私も図書館のCD利用しまくってるひとりです。
ただ、どういう基準で選ばれているのか
わからなかったのですが、
ある時図書館で借りたJAZZの書籍に
載っているタイトルと一致したのでネタ元が分かりました。
「聞きたいCDがなかったらどんどん、リクエストしてくださいよ」
と司書の人に言われましたがまだ出来ていません。
by 空兵 (2010-04-01 21:53) 

なちゃ

空兵さん、こんばんは。
いいですよね、図書館^^
ジャズやロックも面白いですが、昔好きだった歌謡曲やニューミュージックとかも多くって、とにかく重宝してます。お金払ってまで・・・・ってのも気楽に聴けますもんね。
それにしても、リクエスト有りっていいなぁ。


by なちゃ (2010-04-03 00:30) 

山山

フェンダーローズの曲を調べていたら、本田竹広が全曲ローズでの
演奏をしているアルバムがあることを知り、ここにたどり着きました。
曲を聴くことが出来てありがたいです。
フェンダーローズの気持ちいい音でいい曲をいい演奏で聴けて、素晴らしいアルバムだと思います。
中古品を探して注文しました。
紹介ありがとうございます。

by 山山 (2012-06-19 15:45) 

コメントを書く ※いつもコメントありがとうございます。レスが遅い無精者ですが、遠慮なくお書き下さい。スパム対策の禁止ワードを設定しています。

お名前:[必須]
URL:
コメント:

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
別館オープンしました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。