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Interspirit/Anthony Jackson , Yiorgos Fakanas [FUSION]

これは『待ってました』つうか・・・
とにかくリーダーアルバムってモノに全く興味がない御人だと思ってたもんで、
ほとんど忘れてました諦めてましたよ(笑)・・・
ちょっとした春の珍事ってとこでしょうか。
ニューヨークを・・・いやいや、全世界を又にかけて活躍している
スーパーベーシストのリーダーアルバムが遂にリリースとなったんだな。
それがこないだ届きましたよん。

interspirit.jpg


初めて知ったのはナベサダの武道館でのライブ盤やヒノテルのフュージョン作あたりだな僕は。参加作品については、もう挙げていくとキリがないんだけども、とにかく僕もフュージョンを聴き続けて四半世紀以上(笑)、右も左もわからずに我武者羅にレコードとカセットテープを集めてた頃に、世界中のエレキベースのスターの中でも、マーカス・ミラー、スタクラ、ジャコパスらと同じく、僕がいち早く名前を覚えたのがこの人、Anthony Jackson(アンソニー・ジャクソン)

A Jackson.jpg


思えば当時のベース奏法ってば、スラッピング(昔はチョッパーって言ったよね)が全盛の頃。華麗なサム&プルを駆使してベースで自己主張したマーカスのプレイとは対照的に、アンソニーはその巨漢よろしく、誰が暴れようがアウトしようが走ろうがモタろうが漬物石の如くずっしりとサウンドの重しとなり、相棒のドラマーを頑強に支えて良さを引き出す・・・あんまり(というか殆ど)チョッパーを弾かないので、華やかなチョッパー奏法で名を挙げた体型もスマートなマーカスや、ジャコパスの怒涛のフレットレスなんかと比べると『地味でデブなベーシスト』ってな印象を持ってたんだけど、少しずつ音楽を知っていくうちに、その魅力が判ってきたというか…僕にとってはそんなベーシスト。
今やベーシストの間では当たり前になった多弦ベース(6弦ベース)を、自己の演奏にいち早く取り入れ、その開発にも積極的に関与した第一人者でもあるよね。
ベースにフロント楽器としてのスポットライトを浴びせたスーパースターというよりは、職人肌だよな。

Yiorgos Fakanas.jpg

 

Anthony Jackson (Contrabass Guitar)
Yiorgos Fakanas (Bass)
Frank Gambale (Guitar)
Dave Weckl (Drums)
Mitch Forman (Keyboards)
Takis Paterelis (Alto Sax)
Tony Lakatos (Tenor Sax)
Antonis Andreou (Trombone)
Mihail Iosifov (Trumpet)

でこのアルバム、タイトルは『Intersprit』
ギリシャ出身のベーシストYiorgos Fakanas(いったい何て読むんだ?)とのダブルネームでのアルバムとなっている。リズムのパートナーはテクニシャンDave Weckl(ds)。
同じベーシストとのダブルネームでの作品になった経緯の方はよく判んないけど、ショーターのFootprints以外は全てFakanasの作・編曲によるオリジナルってのを見ると、アンソニー自身が満を持したというよりは『お前もリーダーアルバムくらい残しておけよ』と、プッシュされたような気がしないでもないね。まぁこれは推測だけど。

多くの曲でブラスセクションを配していたり、現代音楽風だったりクラシカルなアプローチの曲も有ったりで、『気の合う連中を集めたラフなセッションでのソロ回し』というよりは、アンソニーのために細部までしっかりアレンジして作り込んだ印象の楽曲が並ぶ。
①『Inner Power』や⑦『Caldera』、⑨『Parhelia』なんかは、どこかのフュージョンバンドが得意そうなブリブリのホーンと複雑なユニゾンのキメが忙しいハイスピードなフュージョンサウンドで、僕は少々意表をつかれちまった。さほど前面に出ることなく、どっしり腰を据えて弾いている印象のアンソニーはリーダー作でも『らしい』っちゃあ、らしいけどね。
しかしながら、FoderaのContrabass Guitar(6弦ベース)での速弾きソロはもちろん、楽曲のブリッジやメンバーのテクニカルなソロに絡むアンソニー(Fakanasの方かも)の濃厚なラインなんかはやっぱりいちいちカッコいいし、ウェックルとギャンバレの当代テクニシャンのプレイも聴きモノっすよ。これが最初で最後といわずに、またリーダー作を出して欲しいな。

それはそうと、アンソニーってまだ50歳代なんだね。とっくに還暦だと思ってたよ・・・失礼しました(笑)

ベストトラック
5:Interspirit
1:Ionio II
8:Inner Power



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コメント 9

yukky_z

貫禄がありますねェ! 身体つきもベースプレイも^^
by yukky_z (2010-03-25 02:29) 

artfuldodger

L・リトナーやらのバック等名だたる名ミュージシャンを支えてる天才ですよね。
by artfuldodger (2010-03-25 07:09) 

Studio-Oz

こんばんは。

アンソニージャクソン・・・。
しっかりと聴いた事ないんですが、名プレイヤーとして各誌で紹介されているのを見ます。
フィンガーでもピックでも同じニュアンスで弾ける数少ないプレイヤーだとか・・・。
指がかわいいんですよね。(笑)
by Studio-Oz (2010-03-25 23:28) 

空兵

この人大きいのに持っているベースの弦の幅が広いので
6弦ってわかりますね。
by 空兵 (2010-03-27 22:29) 

なちゃ

yukky_zさん、こんばんは。
この貫禄の体型・・・ちょっと心配なんですよね。
一度倒れたことがあるそうです^^;
by なちゃ (2010-03-29 23:52) 

なちゃ

artfuldodgerさん、こんばんは。
リットのジェントル・ソウツ、アル・ディ・メオラのアルバムもそうでしたね。
特にS.ガッドとのコンビは強烈でした^^
by なちゃ (2010-03-29 23:55) 

なちゃ

Studio-Ozさん、こんばんは。
フォデラの6弦ベースって、凄く指の力が要るそうですね。
指相撲強そう・・・・^^;
by なちゃ (2010-03-29 23:57) 

なちゃ

空兵さん、こんばんは。
よく見ると太いフレットですよね。
この人を見て、エレキベースに6弦があるってのを初めて知った記憶があります。
by なちゃ (2010-03-29 23:59) 

なちゃ

niceを下さった皆様、ありがとうございます
by なちゃ (2010-03-30 00:00) 

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