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ここにいたこと/AKB48 [邦楽]


このブログ読んでる人なら、根がミーハーなことくらい知ってるでしょ?(笑)

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1980年代半ば、この手の女子の大集団がテレビで大ブームになった時、僕は十代だった。いま思えば、あのブームもたったの2年そこそこだったか。
その時はその時で好みのメンバーはいたが、残念ながらそのメンバーはドラマに出ることもソロで歌うこともなく、ブームが去るのと同じく、ひっそりとブラウン管から居なくなった。
(おそらく)容姿と運だけでどんどん増えていった彼女たちの、縦横にずらりと並んだ学芸会のようなステージングや、へらへら感満開な手足だけの振り付による合唱に、見ているこちらが赤面させらることもしばしばだった。

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しかし、この彼女たちはどうもそれとは違うようだ。
どのような仕組みがあってどのような掟の下でこのグループが成り立ち、ここまでの人気を獲得してきたのかは知らない。
しかし、テレビの映像で彼女らのパフォーマンスを見るにつけ、時に可憐に時にコミカルにステージを全力で駆け回りながら歌い踊る姿や、ほんの数秒与えられる瞬間のアップで見せる勝負スマイルの裏に、相当な『努力』というか『自己研磨』というか・・・もっと言えば、凡才であるが故の『プレッシャー』とか『闘争心』みたいな・・・・書くだけなら容易くて月並みな言い回しだが、そんなものが潜んでいる気がして仕方がない。なんか目の色が違うのだ。そしてそれが何とも清々しく僕には映る。人を「笑わせてる」つもりが実は「笑われてる」だけの三流芸人を見ているよりは、よっぽど華やかで目の保養にもなる。




あれだけシングルを連発している割には、これが初のオリジナルアルバムなのだとか。
まあ個々の歌唱力にケチをつけるようなアルバムではないと思うし、商魂逞しい売り方への賛否についても置いておくとして、アルバム一枚約70分、楽曲は想像以上に佳曲揃いで楽しいものばかり。
少なくとも僕は、気分よく車を運転させてもらった。
これでもかとばかりにテレビでラジオで流れていたあの曲この曲を含め、真崎修、島崎貴光、井上ヨシマサ、山崎燿らの作・編曲陣による楽曲が並ぶ。
曲によっては(たぶん)全員で、曲によってはAとかKとかBのチームに別れての歌唱による全16曲。疾走感あふれるロックサウンドからキュートな打ち込み ポップス、赤面必至のコミカルソング、総勢数十名(?)での重唱によるバラードまで、実に色彩豊かに出来ている。若さ溢れる彼女らにしか歌えないような所謂「アイドル ソングの王道」を堂々と直球勝負で演じているのが可愛らしい。個人的には特にアルバム中盤(⑤~⑩)に並んだ数名のユニットで歌われる数曲がかなり気に入った。

めまぐるしく変わる歌い手の声はいったい誰なのか見当もつかないし、あまりにアイドル然としていて聴いてて恥ずかしくなる下りも確かに有る。だがそれは僕の歳の問題であって、今も昔も世代間でループするものだ。彼女らの責任ではない(笑)。
作詞は全て秋元康。等身大というならば、それを遥か昔に通りすぎた年齢の僕ではあるが、「青春」だとか「初恋」だとか「無限の未来」といった普遍の物事に対して、当たり障りのない言葉を使いながら聞き捨てならない詞句(フレーズ)に仕立て上げるあたりは、やはり上手いなと思う。
若い人が一生懸命に演じる歌に若い人が一生懸命になる・・・音楽的な理屈で語れば語るほど野暮にしか聞こえないし、タイムレスになる必要もない、と僕は思う。なんといっても、若いのだから。


ベストトラック
13. Beginner
7. 人魚のバカンス
5. 風の行方



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