Across the Groove/本田雅人 [FUSION]
本田雅人がT-SQUAREから独立してから、もう10年になるのか。。。
けっこう唐突だったT-SQUARE脱退のニュースから、およそ半年ほど後に発表されたソロアルバム『GROWIN'』を聴いた時、僕はまだ独身で『俺もそろそろ結婚かな~』みたいな気持ちでいたのをよく覚えている。こんな風に年月の流れの早さに改めて驚いている今日この頃、待望の新譜が発売となった。ソロデビュー10周年の記念作だそうだ。
僕も楽しみにしていたのだが、発売前から話題になっていたのが、バックを固めるフォープレイのメンバーを中心にしたミュージシャンの面々だ。
ボブ・ジェームス(p/key)
ネイザン・イースト(b)
マイク・ミラー(g)
ハーヴィー・メイソン(dr)
そして、サックスとフルートが本田雅人。
デイヴ・グルーシンやリー・リトナーらと、かつてナベサダが吹き込んだ『カリフォルニア・シャワー』のような歴史的作品を期待するのは過ぎるだろうか。。。
こりゃ絶対すごいアルバムのはずだ。
作・編曲にも長け、ギターやトランペットなどのあらゆる楽器を弾きこなし、しかも本業のサックスがとてつもなく上手いという、マルチな才能をこれまでの作品にぶつけてきた本田雅人だが、個人的には、本田雅人の楽曲のカラーであり、大きな魅力のひとつである、あの本田節というか、あの目まぐるしい展開のガシャガシャサウンドとでもいいましょうか…
そこらへんに少々飽き足りてきてた感があっただけに、海外のミュージシャンとの共演で、いちサックスプレーヤーに徹した本田雅人の吹奏に期待が膨らむわけなのだ。しかも相手はフォープレイ。他を寄せつけない円熟のサウンドで今もフュージョンの王道を歩むスーパープレーヤーが顔を揃えたとなると、ワクワクするなという方が無理だ。
さて、それでは早速スイッチオン。。。一曲目は『キャプテン・ジョバンニ』。。。。
ガクッ。。。 そのままやん(笑)
いや、ゴメン。こんなつもりで聴きはじめたんじゃなかったもので。。。
本田節が炸裂するこの曲で、テンションを下げてしまう僕はおそらくかなりの少数派なのだろうけど、『この手のサウンドならわざわざアメリカまで行ってフォープレイを召集しなくてもよかったのでは?』と、思うのが正直なところ。。うう~ん、ちょっとがっかり(笑)
しかし、2曲目以降は一転し、アルバムはFourplay with Masato Hondaのような色合いに変わる。
フュージョンを知り尽くした生き字引たちのしなやかなバッキングに乗って、本田雅人のアルトがソプラノが軽やかに唄う。本田のサックスの、ボブ・ジェームスのピアノの素晴らしいアドリブが続き、さらにはネイザン・イーストのスキャットユニゾンまでとびだす。
うんうん、いいじゃん。。こんなのを期待してたのですよ僕は。
意外にも海外初レコーディングだという日本屈指のサックスプレーヤーが『やっぱり世界でも通用する』というのを証明して見せてく
れる。
個人的には、『1曲目だけ浮いてるな~』 と思いつつ、結局ラストの『MY BALLAD』では本田バラードの真骨頂に触れ、ジ~ンとさせられたのでありました。
出来ればこの路線で、あと2~3枚作って欲しいなぁ…いっそアレンジとかも人に任せて…無理かな。。。
ベストトラック
4. Stephanie
10.My Ballad
8. オーシャン・アヴェニュー
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