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Featuring John Coltrane/The Ray Draper Quintet [JAZZ]

 

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久しぶりにレコードでも聴こうとアナログレコードの棚をごそごそと漁っていたら、ちょっと変わったLPを見つけた。
レイ・ドレイパーというミュージシャンの名前は知らなくても、アルバムジャケットを見れば何を演奏する人なのかすぐに判ると思う。そう、テューバである。古くはニューオリンズやデキシーランド・ジャズの時代にはベースとなる低音域をカバーする不可欠な楽器とされていたが、4ビートでスイングする演奏が主体のモダンジャズ期以降はストリングベースに一気にその立場を奪われ、ジャズの世界ではめっきりと出番が無くなった金管楽器だ。先日、区民フェスティバルがあって、どこかの中学の吹奏楽部が演奏していたが、自分の身体と同じくらいに見えるこのひときわ大きな楽器を抱えて[るんるん]…ブ[るんるん]…ブ[るんるん]と吹いている女の子がいて『なんか大変そうだなぁ』と思ったものだ。ちなみに僕も高校時代に吹奏楽部に所属していたが、テューバは無かった。
レイ・ドレイパーは、そんなテューバをジャズの花形楽器であるトランペットやトロンボーンよろしくテンポ良く軽快に………と、言いたいところだが、[たらーっ(汗)]ひとたびソロに入るとブヒブヒブぃブぃと、低音をちょっとモタりながら演奏するあたりが、象さんの動きなんかを想像させてなんとも微笑ましい。テナーサックスとの2管クインテットであるが、耳の錯覚で直後のテナーソロがアルトに聴こえてしまうほどだ。テナーを吹くのは何とジョン・コルトレーン。ドレイパーには悪いが、言うまでも無く本作の聴き所はコルトレーンのテナーサックスである[パンチ]。本作が録音された1957年のジョン・コルトレーンは、マイルスのクインテットでの修行時代を終えて自身もプレスティッジ・レコードと契約、後に形容されるシーツ・オブ・サウンドという演奏スタイルへのまさしく大きな一歩『ジャイアント・ステップス』を踏み出しつつあった頃で、そんじょそこらのホーンプレイヤーとは勢いと迫力が段違いだ。
こりゃいくらなんでも相手が悪い(笑)。
ちょっと天然ボケ的なテューバの低音ソロと、手加減抜きの怒涛のコルトレーンのテナーの対比が面白いアルバムだ。

ベストトラック
A-1.Clifford's Kappa
A-2.Filidie
B-3.Paul's Pal


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