ピンク・フロイドの神秘 (The Inside Story of PINK FLOYD) [Book]
今回は本の紹介です。
マーク・ブレイク/著、西沢有里/訳、伊藤英嗣/企画・監修による、偉大なるロックバンド『ピンク・フロイド』のドキュメント本の後編。もちろん前期中期も好きだけど、ロジャー脱退後のフロイドもこよなく愛する僕としては、前編をすっとばしてこちらを先に読んじゃいました(笑)
アルバム『狂気』での大成功の後、巨万の富を得たメンバーを襲った倦怠感と無力感…
当時のメンバー4人(R・ウォーターズ、D・ギルモア、R・ライト、N・メイスン)を主要な登場人物とし、アルバム『炎』から『アニマルズ』の製作中から既にあったメンバー間の深い確執や、独裁者となったロジャーの脱退劇、ロジャー抜きでのバンドの再生……『どんだけ仲悪いねん』とつっこみたくなる程の、いざこざに次ぐいざこざを経てLIVE-8での再結成に至る経緯などが、筆者と本人たちのコメントだけでなく、メンバーを取り巻くミュージシャン、音楽関係者、そして記者や女性たちのリアルな証言を素に物語り風に綴られている。デビューして間もなく精神が壊れてしまい、故郷に隠居しながらもメンバーの心にあり続けたシド・バレットのその後をも、時にたどりながら。
ピンク・フロイドが創り出した音楽の影響力や素晴らしさ、売上の記録やツアーの規模の巨大さ、サウンドの分析や歌詞の解釈、または著者がフロイドを如何に愛しリスペクトしているかといった類の書籍は沢山出ているが、これはちょいとひと味違う。
ピンク・フロイドという、この孤高のロックバンドを巡ってどろどろと渦巻いたエゴと意地、バンドに対する愛憎、それ故のメンバーの脆弱で情けない人間臭さなんかも出し惜しみすることなく書かれているという意味で、非常に貴重だと思う。
これははっきり言って面白かったです。多くのファンが知ってる有名な話から、レコーディングやツアー、そしてアルバムアートに纏わる裏話や聞いたこともない驚きの逸話あり、想像を遥かに超えた(メンバー間の)辛辣な言葉の応酬ありで、かつてフロイドを追いかけた人は必読のドキュメンタリーですぜ。故郷の自宅前で撮影された、年老いたシド・バレットの写真が泣かせます・・・・
ちなみに前編は『ピンク・フロイドの狂気』というタイトルで、シド・バレットがカバーを飾っている。こちらもいつかは読んでみたいね。
ア~俺も読んでみたい!
昔からピンクフロイドに関しては、この辺のメンバー間のドロドロは気になる事がイロイロあって・・・。
特に、ロジャーの脱退前後の彼らには興味があるのです。
購入しよう!
by 土佐のオヤジ (2009-08-23 07:33)
PINKFLOYDという、当人達でさえコントロール出来ないほど巨大になった存在。音楽だけでなく、その他芸術・文学等、音楽以外の分野にも及ぼした影響は計り知れません。その影で、本人達は常に苦悩していました。
やがて時が流れ、一時はPINKFLOYDの名称の使用権で訴訟までして争った者達が、21世紀になって同じステージ上で一緒に演奏しました。そして確か、下記のような意味の発言をしていました。
「何に意地を張っていたのか今となってはよく判らない。今はお互い避けている訳でもなく、ただ積極的に近づく理由がないというだけ」
by nexus_6 (2009-08-23 08:13)
何がどうあろうと、よくぞ同じ時代を生きてくれた!と感謝しています。
by kazn (2009-08-23 15:52)
土佐のオヤジさん、こんばんは。
そういうことなら、たぶん面白く読めると思いますよ。
仲良しこよしのバンドも、そんなに無いでしょうけど、フロイドの場合は・・・・笑
by なちゃ (2009-08-25 23:00)
nexus_6さん、こんばんは。
ピンクフロイドも、3人になっちゃいましたもんね・・・
その3人が『積極的に近づく』には、もう歳だろうし、作ってきた音楽が重く巨大過ぎるのでしょうか。
by なちゃ (2009-08-25 23:08)
kaznさん、こんばんは。
そうですね~。再結成はもう無いでしょうけど、彼らの作品は永遠に残っていくでしょうね。
by なちゃ (2009-08-25 23:10)