高校時代のバンドについて独り言を書いてみる

 

高校生だった頃は『THE SQUARE』というバンドの、このあたりのアルバムから曲を選んでバンドで演奏していました。僕が初めて経験した[バンド]です。
メンバーはみんな同級生で６人。えーっと、僕がアルトサックスを吹いてて、ベースとドラムとキーボードにギタリストが２人。ボーカリストはいませんでした。
１９８０年代の前半といえばへヴィメタルが全盛の頃。かつてイカ天という名の番組が流行りましたが、８０年代半ばに巻き起こったバンドブームより前でしたので、周囲のバンドは洋邦問わずＨＲやＨＭのバンドがほとんどで、腕前に自信ありならプログレって感じ。当然、文化祭でのスターはそれらのバンドでした。僕らのようなフュージョンというか、歌のない歌謡曲というか、つまりは楽器だけの軽いインストルメンタル曲を選んで演奏するバンドは、先輩のバンドで高中正義をやっていた一組を見ただけで、僕らが２年生から３年生の間は、母校には他に無かったと記憶しています。
ヒットチャートでも洋楽ではジャーニーやエイジア、国内ではアルフィーなんかがが売れていた記憶がありますし、バンドメンバーがそれらを好きなのも勿論知っていました。友人でもありましたしたから。

メンバーは全員が高校一年生の時のクラスメートで、元々はそれぞれ違った音楽の嗜好を持っていました。僕に半ば強引に誘われてバイト代をはたいて楽器とアンプを買って入ってくれた友人もいました。メンバーの半分は運動部に所属していて、彼らは時間を無理矢理に作って練習に来てくれました。
当時のTHE SQUAREは、ちょうど『ADVENTURES』や『R・E・S・O・R・T』といったアルバムがヒットして、国内のフュージョンというカテゴリーの中で知名度もぐんぐん上がって来ていた頃だったと思います。

なにせメンバー全員がバンド初体験の集まりだったので一曲を完奏するのにも苦労しましたが、思い出すに最後にはレパートリーは１０曲くらいにはなっていたと記憶しています。スクェアの楽曲ではアルトサックスがリードを取らないロック調のパワフルな楽曲(オーメンズ・オブ・ラブやオール・アバウト・ユーなど)が人気を博していて、僕らの数少ないレパートリーも、主にそれらの曲の中から選ばれて少しずつながら増えていきました。
個人的にはリリコンという楽器(笛でシンセを鳴らす当時は珍しい楽器)で演じられている楽曲を木管のアルトサックスで吹くには、オクターブを下げて吹かなければならない等、曲によってはかなり大きな物理的な制限と妥協に伴う抵抗感がありましたが、そうも言ってられません。メンバー間でもそういう楽曲がうけていたし、歪ませたギターを鳴らす８ビートの楽曲なので(HRの迫力には遠く及ばないものの)フュージョンにしてはノリも良い方だということ、そしてバンドとして合わすのが比較的に楽そうだというのも大きな理由でした。そんな曲を、僕らはレパートリーとして採用しつつ活動していきました。正直、大好きな曲もあれば全くそうでない曲もあったと白状しておきます。本来それらはサックスで吹く曲ではありませんでしたから。
リリコンの曲をサックスで吹く違和感が嫌で、他学に通う友人からシンセを借りてリードを弾いたこともありました。
それでも、バンドという夢のような現実がとても楽しかったし、他のみんなもそうだったと、僕は卒業してから今までずっと疑いもせずにそう思ってきました。本当に楽しかった・・・・・

僕はそのバンドのリーダーではありませんでした。しかし、ＨＲバンドだらけの中で自分の好きなジャンルの音楽を好きな仲間と演奏できるという喜びのあまり、レパートリーの選曲や、特にバンドの基本的な方針について少なからずの温度差を招いてしまっていたり、更にはかなり『自己中な奴だ』という印象を残してしまっていたのではないか？という思いは正直ありました。はっきりと憶えてはいませんが、メンバーの意見を聞き入れないような場面があったと指摘されれば頑として否定しきれません。有ったかもしれません。。。たぶん僕だけ気合いが入り過ぎてたのでしょうね。あのメンバーは、ある意味で奇跡でしたから。
どちらかと言うと地味なバンドでしたが、校内で唯一のフュージョンバンドという、ちょっとした誇りのような感情も無かったといえば嘘になります。

僕らは上手いバンドではありませんでした。いや普通に下手糞だったと言っていいでしょう。それでも…いや、下手だったからこそ、その頃の思い出は月並みながら青春の一ページとして揺るぐことなく美しく輝き、少なくとも僕の中ではもう熟成し切っている感がります。
でも、それでいいんですよね。仲間には『ありがとう』と言いたいです。


今日は極めて個人的なひとりごとなので、niceとコメントは閉じておくことにします。
ありがとうございました。

---

～2009/11/28　追記～
この記事を書いた後で、当時のメンバーが連絡をくれました。
２５年の時を経て、当時思っていたこと、今思っていることを暫し語り合うことが出来ました。
やっぱり話をするっていいですね。大事なことです。ありがと。
話した後で削除も考えましたが、この記事も僕の”日記の一部”なので残しておきます(頑固な僕＾＾；)。
ただし、一部の文章は削除・修正することにしました。