Live at the Bijou/Grover Washington,Jr. [FUSION]
こないだの『ワインライト』の記事、懐かしく聴いてもらえたようで・・・^^
調子に乗って、Grover Washington,Jr.のアルバムをもう一丁続けます。
アルバム『ワインライト』の大ヒットで、サックス奏者としてのネームバリューを一気に上げた挙げたグローバー・ワシントン,Jrは、生涯その路線を歩み続けた(中にはジャズアルバムもあるが)。そのまろやかなトーンとフレージングは後に生まれる『スムースジャズ』のミュージシャンに大きな影響を与え、サックス・スタイリストとしての地位を確立して行く。
しかし、それより以前のCTI傘下のKUDUレーベル期(現在はモータウンに版権)の諸作が醸し出す”ファンキーさ黒っぽさ”こそがグローバーの真骨頂と高く評価するファンも変わらず多く、むしろソウルやブルースをベースにファンク、ラテン、アフロ等を融合させたサウンドこそが、『Smooth Jazzの父』と呼ばれるに至ったグローバーのスタイルの原点であるとの見方も出来る。
本作は『ワインライト』の僅か2年前の1977年(リリースは1978年)にフィラデルフィアの『Bijou Cafe』にてレコーディングされたライブアルバムで、プロデュースはクリード・テイラー。KUDUレーベルでの最終作であると同時に、グローバーが率いていた当時のレギュラーバンドの演奏がLP2枚に収められていて、上述したそれまでのファンキー路線の集大成とも言える。本作から『ワインライト』までの2年間で、3枚のアルバムを発表していることからも、この時期のグローバーのサックス奏者としての充実ぶりが伺える。
まだクロスオーバーというスタイルが新しく持て囃されていた時代・・・新たなジャズ表現の潮流に乗り、若さに任せた荒々しいカッティングを繰り出すRichard Steackerのギター、Leonard Gibbsが叩き出す怒涛のパーカッションが乱れ飛び、James Simmonsのエレキピアノが固く鋭い音でハジける。もちろん、こんな演奏を前にして聴衆も黙ってはいない。
競り合うようにギラギラと目を輝せ音を放つミュージシャンの生々しい演奏と、それに呼応する客席からの熱気のケミストリーによって、ステージは火星なみに熱く盛り上がり、曲はどんどん長尺になっていく。
グローバーの吹奏には、後の『ワインライト』で聴ける上質なワインのような豊潤さはまだ無く、ジャケットの横顔そのままに荒削りながらもアグレッシブなソロを吹き飛ばして行くさまに、ただ圧倒されるばかりだ。
もう今となっては新しさなど微塵もない、ダサく古びたクロスオーバーのサウンド・・・だがしかし、この熱さだけは『ワインライト』の比ではない。このライブは果実酒でなく、まさに『Spirits』・・・・テキーラのようだ。
このクロスオーバー度数、聴く人によっては喉が焼けるかもしれない。
ベストトラック
side2-1:Days in Our Lives/Mr. Magic
side4-2:Funkfoot
side1-3:Lock It in the Pocket
この位のJazz度だったら、踏み込めるかなぁ・・・
ディープだったら、まだまだダメだな。^^;
by たいへー (2010-03-10 12:24)
この間、中古レコード店で
グローバー・ワシントンJr見つけたので、
買おうか迷いましたが、見送ってしまいました。
何となく真空管アンプに合わないような気もして・・・
by 空兵ーS (2010-03-11 21:12)
たいへーさん、こんばんは。
Jazzも色々ありますよ^^
ぜひとも、踏み込んでみてください
by なちゃ (2010-03-14 02:03)
空兵ーSさん、こんばんは。
あー、そうかもしれません。ファンクやフュージョンの音ですから。
つうか、ずっと安コンポなので、真空管アンプの音ってよく知りませんが^^;
by なちゃ (2010-03-14 02:06)
niceを下さった皆様、ありがとうございます
by なちゃ (2010-03-14 02:06)