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60th Anniversary ORCHARD HALL TWO NIGHTS/渡辺貞夫 [JAZZ]

渡辺貞夫の久々の映像作品。
音楽家として第一歩を踏み出したのが1951年だから今年で60年、その記念作品だ。
月並みな言い方だが、本当に凄いとしか言い様がない。

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DVD3枚組で、うち2枚が東京のオーチャードホールでのライブ映像。
加えて『Premium Gift SADAO WATANABE “History”』と題された特典ディスクが1枚。
2001年の50周年記念のステージを収めたディスク1は、ピーターアースキンらを従えたカルテットによるストレート・アヘッドなジャズを演じた前半と、ジャズマン渡辺貞夫が『世界のナベサダ』として大きく飛躍した所謂『フュージョンスタイル』での数々の人気曲を演じた後半の2セット。
ディスク2には、昨年2010年のクリスマスライブから、ラッセル・フェランテ(p,key)率いるイエロージャケッツの面々とのセッションが第一部、続く第二部は国立音楽大学の” New Tide Jazz Orchestra” と共に演じるビッグバンドサウンド。
まぁ早い話が2ステージ4通りのセッションを楽しめるという、実に濃い内容。そもそも日本のジャズっちゃあ、よほどの美女でもないかぎりPVだとか映像作品を出すって事にあまり期待できないジャンルなだけに、こりゃもうファンには堪らないプレゼントってわけ。

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ディスク1のフュージョンセットは、こないだひと足先に手に入れた怪しいブート盤と比較しても、冒頭もエンディングも正規商品としてきちんと出来上がっていて、画質も音質もリマスタされている(当然か笑)ので満足度アップ。この年は自分も会場(大阪だけどね)に運んだだけに、見ていて『あれからもう十年なのか』てな感慨も。
ディスク2のイエロージャケッツとのセッションは、ボブ・ミンツァー(TS、EWI)との2管フロント。続いては、New Tide Jazz Orchestraのみの演奏を1曲挟んだ後に、若さ溢れるビッグバンドを従えての後半。粗削りながらも懸命にソロに挑む彼ら彼女らがなんとも微笑ましいし(ボブ・ミンツァーとのテナーバトルやっちゃってるし)、孫のような歳の学生相手に全身でもってコンダクトするナベサダの笑顔が実にカッコいい。まだまだアマチュアに分類される名もないミュージシャンの玉子たちを、こうして自己名義のコンサートに招いて共にステージ立つ姿に、ナベサダの音楽への懐の深さを感じるね。ミンツァーのEWIはちょっぴり残念かな。ナベサダのアルトの音色に比べると、電気楽器のEWIでは線が細くて、とても太刀打ち出来ていない。もっとテナーでぶいぶい吹いて欲しかった。

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特典としてのディスク3もなかなか興味深い内容。ナベサダの60年の音楽歴を中心に、バークレー在学中の暮らしと様々な出会い、旅や写真への思いなどなどを、ご本人のトーク(インタビュー形式)で振り返る第一部、対して中川ヨウ氏との対談で『現在』を語る第二部を収録。まあ熱心なファンならとっくに知ってるような内容が大部分とはいえ、常に柔和な面持ちで言葉を選びつつ語る姿は、ラジオや活字とはまた違う味わいがある。ライフワークである子供達との交流を、そして亡き奥様との想い出を語る表情が、言葉にならない程に優しさに溢れていた。

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10月にはニューヨークで録った新作が、いよいよ届くとのこと。今年で御年78歳だそうだ。音楽には年齢の壁も国境も無い・・・それをサキソフォン一本で証明しながら、ナベサダのジャズ道はまだまだ続くに違いない。

いちファンとして素敵な音楽に感謝を。
60年に渡り、一つの仕事に邁進し続ける偉大な先達に、男として喝采を贈りたい。

今から20年前、ナベサダの40周年のラジオ特番に
貢子夫人が一緒に出演された時のインタビューです。


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コメント 2

そらへい

1951年ですか
私が生まれた年ですね。
音楽活動の還暦ですね。
それだけでも凄いです。
by そらへい (2011-09-17 22:18) 

なちゃ

そらへいさん、こんばんは。
ファン歴そろそろ30年で、長いと思ってもまだ半分です
社会人になって20年ちょっと・・・・まだまだですね^^;
by なちゃ (2011-09-19 21:54) 

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