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君を想って海をゆく [映画・テレビ]

舞台は港町カレ
ドーバー海峡を挟んでイギリスの南に位置するフランス北端の町
(ちょいネタバレあり)

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家族とイギリスに移住した恋人に会うために、イラクから4000キロの距離をを歩いてカレにたどり着いたクルド難民の少年ビラル。イギリスへの最後の関門はドーバー海峡越えだ。
厳しい監視を掻い潜り、ビラルはトラックの荷台に身を隠しフェリーでの密航を試みるも失敗、捕らえられ裁判に掛けられるが、イラクが戦渦にあることと初犯であるという酌量から、難民として町に放り出される。進むことも帰ることもままならず呆然と海を眺めるビラル。彼に残された海を渡る手段は、自力で泳ぐことしかなかった。

なけなしの金でプールで泳ぎを習得しようとするビラルと出会ったシモンは、もと競泳のメダリストでありながら今は市民プールの水泳コーチに甘んじている、さえない中年男。妻とは離婚協議中で、まだ愛していながらも愛情を取り戻す術になげやりな日々を送っていたが、無謀を無謀とも思わず屈託なく前を向くビラルと接するうちに、息子への愛にも似た感情を抱くようになる。
シモンはビラルに水泳を教えながら罪を承知で家に匿い、ビラルは持ち前の運動神経を発揮して泳力を上げていく。
しかしある日、シモンはビラルの恋人・ミナからの電話で、ビラルへの気持ちを聞かされ現実を知ることになる・・・・・

「待ってやれ、彼は海峡を渡れる。」

 

 

遥か海峡を越えた地に暮らす恋人との距離、目の前にいるのに修復できない男と女の距離・・・
愛する人も同じ気持ちなのだと信じて極寒の海でさえ希望へ繋がる道だと疑わぬ少年と、愛する妻への思いを捨て切れず離婚を目前に鬱屈した日々を送る男。それぞれの思いの前に立ちはだかる『物理的な距離』と『心の距離』の描き方がやるせなく切ない。
『君を想って海をゆく』・・・甘いラブストーリーを連想させられるタイトルなのだが、その要素は極めて希薄で、むしろ「人間としての最低限の尊厳」を頼りに生きているクルド難民の姿や、それを徹底的に拒み差別するだけでなく同情の念すらも犯罪と定義し排除しようとするフランスにおける難民情勢の現実、そして少年と男それぞれが感じる『孤独』が、寒々しい北の港町を背景に、ミラクルやファンタジーとは無縁なストーリーで、はかなく淡々と描かれてゆく。

原題は『WELCOME(ようこそ)』。これは非情ともいえる『自由の国フランス』の難民政策への抗議の意味を込めた皮肉に他ならないだろう。
同じ人間として生まれながら、国家や「生い立ち」には抗えない・・・そんなどうしようもない不条理が、灰色に冷たく荒れる海原にひとり身を投げ出し泳ぐ少年のどうしようもない無力感と重なるようで・・・あまりにも悲しい。


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ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い [映画・テレビ]


久々に超絶に詰まらない映画を(DVDで)観た
(ねたばれ注意)

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全米コメディ映画の興行記録を塗り替えるほどのヒットをかましただけでなく、世界27ヶ国で1位を記録。ゴールデングローブ賞にノミネートされた(受賞したんだっけか)。
海外のコメディ作品があまりヒットしないのもあって、日本では劇場公開されない予定だったが、この作品を高く評価する映画ライター氏らの署名運動が実って劇場公開が実現したという、んまあ言うなれば「鳴り物入り」のようなかたちで公開されたんだってさ。
こないだまで続編のコマーシャルもテレビで頻繁に流れてたし、かなり期待して(腹抱えて笑うってことね)観てたんだけど・・・・・
んんー、期待しすぎなのかどうか知らんけど、これはぜんぜん面白くなかった。

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あらすじは単純なもの。ダグ、アラン、フィル、ステュという男4人が、結婚を目前に控えたダグの最後の独身生活を謳歌するために、ラスベガスへの豪遊旅行を計画(バチェラー・パーティーと言うらしい)。
ハメを外しまくるべく、さっそうと豪華ホテルにチェックインして、屋上で早速に乾杯。。。。。したのはいいが、目が覚めるとホテルの部屋。あいたた・・・酷いハングオーバー(二日酔い)だ。部屋はぐっちゃぐちゃに散らかってる。あれ?なんで俺の前歯が抜けてんだ?
3人が3人とも昨夜のことは全く覚えていない・・・・え、3人??・・・そういえばダグが居ないじゃないか。

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てな感じで、野郎3人が二日後に新郎となるダグの居所を探すためにベガスを奔走。手がかりを集めるうちに、酔った勢いで彼方此方でかなりのバカ騒ぎをやらかしたようだ・・・というのが分かってくる。
いったいダグはどこに消えたのか?もしや、ヤク中のヤバい奴にでも囚われてるのか、それとも・・・・・まさか・・・・
はたして3人はダグを探し出して結婚式までに無事にロスに帰れるのか?・・・どうすんだよ、いったい。

目覚めた部屋に、身にに覚えのない生きたニワトリとトラ、いやそれだけじゃない、クローゼットには見たこともない赤ん坊まで・・・・おいおい誰の子なんだ???
ここまでは、今後の展開にかなり期待させてくれる。だがそこまでだった。
ピストル持ったギャングまがいの男たちに追いかけまわされたり、警察署内で子供らのスタンガン講習のマトにされたり、部屋にいたトラが実はマイク・タイソン(本物)のペットだったり、見たこともない(二日酔いで覚えてない)ストリッパーと結婚したことになってたり・・・・と、まぁそんなこんなのハチャメチャな目に遭いながらダグ失踪の謎を追う、おバカ男3人・・・・なんだけど、なんつうかね、ことごとく笑いのツボを外してくれるわけだ。

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ストーリーのあちこちに伏線(というほどでもないが)が張ってあるものの、ネタフリに対する落ちも「ご都合主義」でお粗末だし、ある意味で一番の見所であるはずのシモネタ(僕はそれに期待した笑)も中途半端で期待したほどのものじゃなかった。お下品なのは別にかまわないし、むしろそれを承知で見てるわけだから、ここはシモネタ大歓迎なんだけど、居酒屋の雑談レベルなのが殆どでぬるいぬるい(笑)。はっきり言って途中で眠気を催すくらい「くすっ」ともツボにはまらないばかりか、肝心のシモネタも当たり障りのない中途半端なもので、これでは苦笑すらも出てこない。コメディ映画なだけにストーリーやアクションにそれほど期待できるわけもなく、最初に笑いのツボを外されると、最後まで見届けるのがちょっと辛くなってくる。

僕てきには、この男たちが、一夜でいったいどのくらいバカ全開で羽目を外し醜態の限りをつくしたのか・・・・みたいな笑いを想像してたんだけどね。何とそれが明かされるのはエンドロールに入ってからという、もうこれこそ「史上最悪」と言っていい落ち(但しこの画像はかなりアホ丸出し)にてジ・エンド。いやいや、ここでそれを見せたって手遅れなんだってば(笑)。
謎解きのサスペンス的な要素も盛り込んではあるものの、ぎりぎりスベッってない程度で「おおーっ!」ってなるほどでもなかった。いくらでも笑いを取れそうな舞台設定なだけに、これは残念な作品。

同じ日にテレビでやってた「釣りバカ日誌」の方が、よっぽど笑えたし、泣けた。


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はやぶさ -HAYABUSA BACK TO THE EARTH- [映画・テレビ]


近所の映画館に来てるので、朝も早よからちょっくら観てきました
ワンコイン上映、500円でしたよ^^
(ねたばれ注意)

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きこえる・・・これはたしかに、君の声だ・・・・

 

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『第20号科学衛星 小惑星探査機はやぶさ』  これがはやぶさの正式名称。
宇宙科学研究所(現:宇宙航空研究開発機構JAXA)によって打ち上げられた日本初の小惑星探査機だ。
電気推進エンジン4基と化学推進エンジン12基を持つその推進力は、東京・大阪間が僅か15秒。
トラックくらいの機体の大きさをイメージしてたんだけど、太陽光パネルを除いた本体の大きさは1m×1.6m×1.1mで、重量510kgと、意外に小柄。
めざした小惑星イトカワも案外小さくて、535m×294m×209m。これも我が家の敷地にすっぽり入るくらいの大きさ(うそうそ笑)。
はやぶさが託された任務は、地球より少し外の軌道を回る小惑星イトカワに着陸し、地表サンプルを持ち帰ること・・・・
2003年5月9日に地球を飛び立ち、2010年6月13日に帰還するまでの2592日、距離にして60億km・・・・昨年、日本中が感動した「はやぶさ」の冒険の旅路を追ったドキュメンタリー。

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上映時間46分のプロジェクター上映、すべてCGによる映像。
地球を飛び立ち、軌道を変え(スイングバイという技術らしい)、イトカワに接近・着陸、再び地球に還るまでの道のりを、ナレーター篠田三郎が「はやぶさ」に語りかけながら見守る、という内容。

シナリオはとてもシンプルで、人間は(というか生物は)一切出てこない。「はやぶさ」開発におけるプロセスはもちろん、旅路におけるシステムの故障、着陸失敗による機体へのダメージ、絶望的と思われた通信断絶からの回復などなど、携わった関係者の苦労にはほとんど触れられることなく描かれていて、あくまでも『はやぶさ』を擬人化するようなかたちで主役においている。観る人によってはそれが期待外れだと感じるかもしれない。
しかしこれは人類史上初の挑戦でありNASAをも凌ぐ偉業だ、関係者・技術者それぞれの血の滲むような苦労が無かった訳がないし、それをつぶさに描いていたらキリがないのでは・・・と僕は思う。

その小さな体に最新の科学技術を纏い、ひとり黙々と任務を遂行するはやぶさ。ぼろぼろに傷つきながらもイトカワの「ミューゼスの海」に降り立ち、地球上に存在することのない大きな大きな手土産を小さなカプセルに収める。しかしここがゴールではないのだ。再び還ってきた地球を目前にして、はやぶさは、その碧く美しい故郷の姿をレンズに焼き付ける。そして2010年6月13日22時51分、流星となり燃え尽き、その生涯に幕を降ろす。地球に再び抱きしめてもらうために・・・

とても解り易くて、爽やかな感動を最後に与えてくる作品でした。ラストに映し出される、はやぶさが捉えた地球の映像には、本当に胸が熱くなった。 CGも見事。
(極めて良い意味で)とても楽しい絵本を読んだような・・・そんな気分でした。

監督:上坂浩光
文部科学大臣賞 受賞


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告白 [映画・テレビ]

法律があなたを守るとしても、私はあなたを許しません・・・

教え子に娘を殺され復讐の鬼と化した女教師
生徒らを次々と(必殺仕事人ばりの手段で)殺め
最後には主犯格の少年を追い詰める・・・

観る前は、こんなストーリーを勝手に想像してたんだけど・・・
いやいや、そんな甘いもんじゃありませんでした。
 
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主人公は、地味だが教育には熱心な女教師。
映画は、彼女が教室で生徒らに淡々と語るシーンから始まる。
 
シングルマザーでもある森口悠子(松たか子)を突如襲った愛娘の死。警察は事故による溺死と断定。しかしやがて彼女は、担任するクラスの生徒らの手によって娘が殺されたという真実をつきとめる。終業式の日、クラス最後のホームルーム中に『このクラスの中に娘を殺した犯人がいる』と、彼女は静かに告白する。
 
予告編では「37人の容疑者」だとか、宣伝用ポスターのキャッチは「先生の娘を殺したのは誰?」ってなってるが、これはちょっと違う。導入部の数分間で、二人の犯人(少年Aと少年B)が誰であるかは明かされるし、更には、中学生にとっては(おそらく)かなりヘビーな復讐の一撃が早くも投下されちゃう。
ここまでで約30分。安いサスペンスドラマなら、ここがクライマックスでもいいくらいだ。
 
命の重さを実感し、犯した罪を反省するには十分な時間だと思います
みなさん是非、有意義な春休みを過ごしてください・・・
 
森口悠子は、そういい残し教壇を去る。
 
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冒頭の森口悠子による教室での告白に続いて、映画は別の告白者による別の視点でストーリーが進む。
その日を境に、壊れて狂気に走る少年Bと母との壮絶な日々、自分が死ぬことさえ他人事のような少年Aの生い立ちと嘘、息子への盲目的な愛、母の愛への枯渇、群集心理は恐怖を笑いに変え、偏見が牙を剥き襲い掛かる・・・各々の告白によって、ひとつひとつ明かされていく心の闇が、見る者の同情を拒絶しながら絡み合う。醜く歪んでしまった自尊心が生み出した負の連鎖・・・殺人。そんなことで私の娘は殺された・・・
 
硬い氷のような松たか子の、目が声が笑い声が、身の毛がよだつほど恐ろしい。
見知らぬ子供から手渡された飴玉を握り、路上で慟哭するシーンは圧巻。「どうやっても娘は家族は還ってこない」という現実が、彼女の復讐心をより強固なものにする。そして彼女は「命を奪うよりも残酷」な結末を選ぶ・・・それが彼女の少年への『復讐』。
 

んー、なんだかもうね、「面白く(楽しく)」はないんだけど、決して「詰まんない」でもない映画ってのが感想(これって褒めてんのか笑)。
いちいち不快指数が高まるわりには、カタルシス度は限りなくゼロに近く、かといって別段に命の尊さを説いているようにも僕には思えなかった。はっきり言って、もう一度観たいとは思わないけど、なぜか強烈な印象を残す・・・そんな映画だった。
唯一の救いが、まるで幼児のように泣きじゃくる少年Aの涙かと思いきや、ラストの意味深なセリフが見る者に大きな溜め息をつかせる、と。(ラストを曖昧にして解釈を観客に丸投げするズルい手法が僕は嫌いなので、これにはがっかり)・・・こりゃ原作も読んでみるかな。
中島哲也監督 R15+指定。

それにしても最近の子役は末恐ろしいね。西井幸人(少年A役)と藤原薫(少年B役)迫真の演技は拍手もの。主演・松たか子はいわずもがな。
この映画は彼女の後生の代表作のひとつになるんじゃないか、と思う。

まぁ松たか子のファンとしては、もっと出番が多くても良かったかな・・・なーんてね。


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22分50秒 [映画・テレビ]

昨日の深夜に放送されてた『クリスマスの約束2009』観ました?
小田和正の呼びかけで集結した総勢21組34名に及ぶアーティストたちが、それぞれの代表曲を繋げて歌い継いで行くノンストップの大メドレー。なんでも小田和正ご本人が「いつかやってみたかった」という前代未聞の企画だったそうな。
まぁ内容としては、参加したミュージシャンの代表曲のオイシイところをがーっと繋いだかたち。その歌の”持ち主”が入れ替わり立ち代りで主旋律を唄い、他の人(といっても凄く豪華だけど)がコーラスを唄うという作りかな。さすがは小田和正が声をかけただけあって、人気だけでなく実力もちゃんと持ってるミュージシャンが多く集まってましたねぇ。
アレンジは小田和正、楽譜にして13枚、時間にして22分50秒。
昔でいうLPレコード片面分の長さだな(笑)

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企画段階からのゴタゴタや多忙なスケジュールの合間をぬったリハーサルの様子をドキュメンタリー風に流して延々と引っ張った後で、ようやく『22分50秒』とタイトルされた曲がスタート。
昔、夜のヒットスタジオのオープニングか何かでそんなの見た気がするもんで、前代未聞と言ってはいるけど、ありそうな企画だし退屈だったら消して寝ようと思って見てたんだけど、なかなかどうして面白かった。途中でトイレ行きたくなったの必死で我慢しながら見てましたよ・・・笑
メドレーされた歌は22曲(最初の歌は全員で)。世代を越えた名曲がずらりってところなんだろうけど、年代的には藤井フミヤとかスタレビや佐藤竹善やオフコース財津和夫にグッときたかな。あと松たか子とか(好きなんです)。・・・・んー、若い人たちの歌はね、すまんけど分かんないっす。いい歌だなーって、その場では思ったけど、朝になったらもう忘れちゃいました(笑)。歌を知らないくらいだから、もちろん顔もわかりましぇん。お恥ずかしい・・・・ちなみにメドレーされた曲は下のとおり。
ちなみに◎印は知ってる歌、×は知らなかった歌ってことで、好き嫌いではありません。12勝9敗(笑)。

この結果、やっぱり・・・・かなりなオッサンなんでしょうかね?
みなさんはどうでしたか?

この日のこと(全員)

TRUE LOVE(藤井フミヤ)
今夜だけきっと(スターダストレビュー)
ロマンスの神様(広瀬香美)
×明日が来るなら(JUJU)
明日、春が来たら(松たか子)
×友達の詩(中村中)
LaLaLa(佐藤竹善)
×恋におちたら(クリスタル・ケイ)
×Story(AI)
夢で逢えたら(鈴木雅之)
ハナミズキ(一青窈)
翼をください(山本潤子)
×HOME (清水翔太)
YES-YES-YES(小田和正)
×LIFE(キマグレン)
×虹(Aqua Timez)
×全力少年(スキマスイッチ)
Jupiter (平原綾香)
涙そうそう(夏川りみ)
青春の影(財津和夫)
×帰りたくなったよ(いきものがかり)

最後は小田和正の『たしかなこと』を全員で。これも良かったね。




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マリと子犬の物語 [映画・テレビ]

 さっきテレビ(金曜ロードショー)でやってたので見てました。

泣きましたよ、ええ泣きましたとも

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2004年10月23日に起こった新潟県中越地震で、山古志村(現・長岡市)での実話に基づいて映画化されたんだってね。
拾ってきた捨て犬が、やがて三匹の仔犬を産み、父と娘が暮らす村に大災害が襲いかかる。
着の身着のままで倒壊した我が家を村を後にする人々、取り残された(そうするしかなかった)物言わぬ家族(ペット)たち。
厳しい冬を前にして、置いてきたペットを案じながら必死に生き抜こうとする人間、過酷な状況でこちらも必死で仔犬を守り続けた母犬『マリ』。そして地震から16日後・・・・ってな判りやすいストーリーなんだけどね、簡単に言っても難しく言ってもそんな感じ。

家族、父親、小さな子供(しかも女の子)、動物、別れ、生命・・・・・・

で、最後に奇跡(Happy End)[ぴかぴか(新しい)]が起こると。

もうね、これ、題材的にぜってー反則だってば・・・・笑

プロの役者の演技はそれなりに上手くて当然だからともかくだな、お話の真の主役であるイヌの演技(ゆっくりと飼い主の視界に現れ、ラストにひと啼き”ワン!!”で、涙腺ドバドバっす)と、救助ヘリでの子役の迫真の泣きはホント強烈だったな。

泣かされるの分かってて見ちゃったんだけど、実際おっさん泣かせてどうするんだわん(笑)



主題歌もいいね 
今、風の中で - 平原綾香






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ヨーコのサングラス [映画・テレビ]

愛がいちばん強い力がある
愛によって生きていってください
自分が愛していることをするのは
とっても健康にいいんじゃないですか
愛の力を使って人生を過ごしてください

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新聞のテレビ欄をぼんやり見ていて偶然に知ったので録画しておいた。
NHKの『スタジオパークからこんにちは』。ゲストはオノ・ヨーコ氏(以下敬称略)。

クリエイター(前衛美術家)としてのオノ・ヨーコ、ミュージシャンとしてのオノ・ヨーコ、そしてジョン・レノンの妻としてのオノ・ヨーコ…
お世辞抜きに世界で最も有名な日本人女性の一人だろうなと思う。おそらく歴史に刻まれて行くであろう彼女の経歴については、ここでわざわざ書くまでもないと思うし下手に書くと恥をかくかもしれないので自粛しておくとして(笑)、番組内で興味深いエピソードがあった。

1980年12月8日、ジョン・レノンが凶弾によってその人生の幕を閉ざされて以来、僕も何度かはオノ・ヨーコの姿をテレビや新聞で見ることがあった。その時のイメージを思い起こすと、やはり個人的にはジョン・レノンの妻というイメージが最も強いが、小柄な貴婦人でありながら芸術家としてのオーラも感じさせるような…そんな女性。そして帽子とサングラス。特に鼻の頭に軽くのせるように掛けたサングラスは印象的だ。
・・・そう、オノ・ヨーコは確かにいつもサングラスをしている。
そういえば夫のジョン・レノンもサングラス(または丸い眼鏡)の印象が僕にとっては強いが、お二人の眼鏡の趣味について考察してみた事などある筈もないし、グラサンをトレードマークにしているミュージシャンなんてざらにいるから、オノ・ヨーコのそれもファッションの一部程度にしか見ていなかった。

この番組でも、オノ・ヨーコは僕が抱いているイメージと同じような出で立ちで現れ、僕が抱いているイメージどおりの口調で話し、番組は(良くも悪くも)NHKらしく進行していった。
やがてインタビュアーは、お洒落に関する話題に話しを向け、オノ・ヨーコはトレードマークのひとつである帽子を好む理由を『子供の頃からの習慣のようなもの』だと話し、もうひとつのトレード・マークであるサングラスについては(だいたい)このように語った。



レコーディングの最中にスケジュールがぽっかりと空いたので、ジョンとふたりで街に買い物に出かけた。ジョンはデパートでひとつのサングラスを手に取り、ヨーコの顔にかけてこう言った。

『これから君は、ずっとサングラスをしているといいよ・・・・・』

それから約一ヶ月後に、ジョンは殺されてしまった。


それから自分(オノ・ヨーコ)はいつも泣いてばかりいて、悲しみのあまり人前で急に泣き出すことさえあった。街中で突然シャッターをきられる事も稀ではなかった。
ジョンが死んでからサングラスはとても役に立った。泣き腫らした顔を隠すために…
彼(ジョン)は、その時から自分の運命を察していたのかもしれない。
本当に辛かった…



ここまで語ると、オノ・ヨーコは言葉に詰まって沈黙し目頭を押さえた。
レコーディングされていたアルバムは時期的に『ダブル・ファンタジー』だろうと察しがつく。ある日突然に最愛の人を失い、その人から突然に贈られたサングラスに護られる・・・これもファンタジーだと言うなら、なんという皮肉であろうか。
そこには76歳でなおオーラを発して強く生きる女性芸術家の姿はなく、愛する人の突然の落命をただ悲しむ一人の妻の姿だけがが映っていた。
オノ・ヨーコは、無防備になったその瞳を愛用のサングラスでそっと隠した。

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最期に(これもNHKらしいベタな質問ではあるが)いちばん好きな言葉『愛』について語ったのが冒頭に書いた言葉。
その時はもう、オノ・ヨーコはオノ・ヨーコに戻っているように僕には見えた。

この放送は、多くの方がブログで取り上げられていたが、いかんせん平日の昼間の時間帯だったので見逃した人も多いのではないかと思う。
ここだけの話だが、受信料を払ってないのでブログに書くのにも気が退けるが(笑)、これは是非とも再放送してもらいたいものだ。
放送されたのは11月16日で、ジョン・レノンの命日のほぼ一ヶ月前。
もしかしたらジョンからサングラスを贈られた、まさにその日だったのかもしれない…




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エヴァンゲリオン新劇場版:破 [映画・テレビ]

レイトショーって安くていいね。
ということで今夜も不良寄り道親父。
遅まきながらといいますか今さらといいますか(笑)
『エヴァンゲリオン新劇場版:破』を観てきましたよん。

実はちょっと前に高橋洋子のCDの記事を書いた後で
『新劇場版:序』のDVDをレンタルして初めて観たんだけど、

これが面白いのなんのって、『こりゃ次も観たいなー』とは思ってたんだけどね。
近場の館では今日(11月6日)が最終日だったのでギリギリセーフでございました。

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しっかしまぁ不惑越えたオッサンがしかも一人でアニメ映画鑑賞てのにも慣れてないもんで、ちょっぴり恥ずかしいっつうかね…躊躇するところもあったんですけども(笑)。父として娘ら連れてアンパンマンとかプリキュアとかなら行ったことあるんだけど、一人でアニメ映画観に行くのって何年ぶり?いや何十年ぶりか?忘れちゃったなぁもう。もしかして初めてかもなーとか思いつつ劇場に入ると、僕と同じくらいか30代後半くらいな結構いいオッサンが普通に座ってやがんの。わははは。いいねぇ金曜の夜のレイトショー。座席は8割方埋まってましたかねぇ。さすがは人気アニメだね。

なにせ夏休み前から公開してる映画だもんで内容や感想もネット上で語り尽くされてる感があるので、ここはネタバレなしに簡潔に。
前作の『序』は、テレビ版に忠実な上等なリメイクって感じだったけども、今回は新しい女子キャラ(パイロット)がいきなり戦闘シーンで登場(もう名前は忘れちゃいました、わははは)。キャラとしてどういう役割なのかは、まだイマイチはっきりしないんだけどインパクトはかなりのもので、つかむのが上手い。
全体のストーリーとしてはテレビ版を踏襲し上手に端折って且つ要所は締めながら、新キャラを交えての新たな展開というか、かなりびっくりするような展開に流れて行っちゃってましたぞ。
既存のキャラクター(特にシンジ・レイ・アスカの三者)の立ち位置や性格的な部分に関しては、テレビ版の『残酷な運命に抗えず壊れていく14歳の少年少女』ってのが(僕てきには)良い方向に変わっているというか、強く優しく描き直されてると思った。そこらへんは実に良い意味で裏切られたつうか、まさにタイトルどおりに作品のイメージを破り捨てて壊すのに成功してるんじゃないかと思ったね。戦闘シーンのスゲー迫力には、もちろん圧倒されっぱなし。レイやアスカの人気女子キャラも表情豊かに旧作以上に可愛らしく(ちょっぴりエロく)描かれてるし、たしかにこれ観て萌えてしまう若いのが多いのも分かる気がせんでもない。
序→破ときて次回作はQ(急)で完結だそうな。少なくとも全く理解できなかった(というか理解する気にもならなかった)テレビ版のドン引きのラストや旧劇場版での、あの救いようのない結末にはならないでしょ…てのが僕の予想だけど、庵野監督のことだからあっさり裏切る可能性も否定できないね。果して大団円なのか、それとも……

映画を観ずにDVDの発売を待ってる人もいるかも知れないので詳しくは書かないけど、例えばラストの戦闘からエンディングまでの衝撃のシーン……あれがまだ中盤のクライマックスなのだから凄すぎる。
んー、かなりというか凄く面白かったっすよ。つくづく良く出来たアニメだねこりゃ。次回作が楽しみです。

 





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THIS IS IT/Michael Jackson [映画・テレビ]

2週間限定だったのが
上映期間が延長になったとの事で、最寄の館に問い合わせたところ
当 館 で は 未 定 で す
[爆弾]
との意地悪な返答(笑)

慌てて仕事片付けてレイトーショーに滑り込み。
ついさっき観てきましたよ~『THIS IS IT』。
いやはや、映画のレイトショーって、いいっすね。
混んでるかと思いきや良い席で観れましたよ。1200円だったし(笑)

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2009年3月5日にロンドンのO2アリーナで公演を行うと発表。同年7月に予定されていたが
2009年6月突然この世を去ってしまったマイケル・ジャクソン。

本作品は、マイケル・ジャクソンのコンサート「THIS IS IT」の
死の数日前まで行われていたリハーサルの模様を収めたドキュメンタリー映画。

何百時間にも及ぶリハーサルを一本の映画にまとめあげたのは、
『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』の監督兼振付師で、
予定されていたロンドン公演のクリエーティブ・パートナーでもあったケニー・オルテガ。
コンサートを創り上げる過程では、偉大なスターであり才能あふれるアーティストでもありながら
なおも進化を続けたマイケル・ジャクソンの素顔が垣間見える。



内容は大体ご存知ですよね・・・・はい、思ってるとおりです。
特にストーリーは無いし、なぁ~んにも難しくありません。
そりゃまぁ、英語でしゃべってるんで、ちょっぴり字幕も出てきますが、ついてけない人でも苦手な人でもノープロブレム!ただマイコーの歌とダンス、そして目くるめく洪水のようなMJミュージックに酔いしれていればOKざんすよ!



このライブパフォーマンスが実現しなかったのは、音楽ファンとして本当に残念だと思うし、もうこれが最後の映像なのかと思うと、ちょっと悲しくもなった(ダンサーなしで一人で唄い踊るビリー・ジーンで不覚にも落涙)・・・・
でも、まだ観てない人は誤解しないで欲しい。お涙頂戴ってところは全くありません。
最高に楽しくてハッピーで刺激的で・・・・マイコーの音楽への愛、舞台への愛、仲間への愛、そして疲れ果てた地球への愛に、満ち溢れたフィルムでした。聞きしにまさる素晴らしい映像と音楽でしたよ。
これは天国のマイコーからの贈り物なんだろうね、ホントに感激したっす。

Michael Jacksonの奇跡 ・・・・・我々音楽ファンが失ったものの大きさを、改めて知った気がしました。

使われた曲やドキュメンタリーの詳しい内容は書きません。
これから観に行く方は、精一杯期待して行ってください^^
あ…それと、せっかちな人…エンドロールで席を立っちゃだめ。ちょっとだけ損しますよ(^^v)




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官僚たちの夏 [映画・テレビ]

毎週日曜日午後9時のTBS日曜劇場『官僚たちの夏』
みなさん観てましたか?
え~?観てなかったって?
あらまそれは惜しいことしました。今日が最終回でしたよ


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テレビはあまり見ません。家でのチャンネル権はほとんど放棄してまして、女房はバラエティ番組、娘たちはマンガ(アニメ)ばっか(笑)。僕はせいぜい夜遅くのニュース番組か、あとは面白そうな映画や見応えのありそうな長時間ドラマがあれば録画して観るくらいで。
子供向けのアニメはともかくとして、最近のバラエティはホントに詰まんない。もうね、視聴者そっちのけで自分たちだけで楽しんでるつーか、下っ端芸人がメインの大物先輩芸人を喜ばせるのに必死なのがミエミエなところが腹立たしいんだよな。まぁ誰の事かは書かないけどさ。

まぁそれはいいとして、すっかりテレビ離れしてる今日この頃だもんで、連続ドラマってのもここ何年かは観てなかったんだけど、たまたまチャンネル変えたら佐藤浩市と堺雅人が映ってたわけ。好きな俳優なもんで、お!と思って観てたら、「おー、こりゃ面白いぞ」ってそのまま釘付けになっちゃいました。
敗戦後の高度成長期、日本の産業と経済力を世界トップレベルにと邁進する通産省(現 経済産業省)官僚を中心に描かれる原作・城山三郎の同名小説を基にした社会派ドラマ。
初回はアメリカ車に対抗できる低コスト高性能な国産四輪車を量産すべく試行錯誤を重ねる自動車産業にスポットを当てたストーリーで、二回目はテレビの開発に加えて、やがて来るコンピュータ時代への伏線もあったりしましたよね。その後、所得倍増計画というコトバが日本中で踊る中、繊維やコンピュータ(IDNって架空の企業名には笑いましたが)といった今も日本を支える産業にスポットを当てつつ公害問題やベトナム戦争と沖縄返還を背景にしながら、『ミスター通産省』と呼ばれた男、風越を中心に物語は熱く進行していくわけです。

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観ていて先ず感心させられたのが、最新の映像技術を駆使して実に上手く再現してみせた昭和30~40年代のディテール。これはもう映画並みの凝りようというか、テレビの映像的には見事としか言いようが無い。
演じる俳優陣もなかなか豪華でした。もともと佐藤浩市って俳優は好きなんだけど、脇を固める堺雅人、高橋克美、船越英一郎、高橋克典、西村雅彦、杉本哲太、佐野史郎らが個性を光らせ、池田勇人をモデルにした通産大臣~内閣総理大臣役の北大路欣也も貫禄の演技を見せてくれました。あと、個人的には『Jニーズ事務所』のジャリタレや『Y本興業』のお笑い崩れの『なんちゃって俳優』みたいなのがレギュラーに一人もいないってのにも好感がもてた。

まあ実際にあの時代を大人として生きた先輩方からすれば『突っ込みどころ』も多々あるだろうし、総選挙で官僚依存政治に国民がNOを付きつけた今のご時世に、たとえドラマとはいえ国民目線で見れば悪党でしかない高級官僚の美談をわざわざねぇ・・・まぁ賛否両論ございましょうが、それはそれ。民間企業であれ公務員であれ、少なくとも今よりは格段に熱かったであろう日本の高度成長期の男たち。誇張はあって当然と割り切っても、裏でやってる『芸人が弁護士を指差し笑うような法律番組(?)』よりは、遥かに見応えはあったと思う。実に良質なドラマだっただけに視聴率が伸び悩んだのが残念。録画してじっくり観てる人が多かったのかな?こういった『しっかり創ったドラマ』を、せめて一年に一回ワンクールでいいから放送して欲しいものです。

コブクロが唄う主題歌『STAY』もグッドです。

 
 

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