Sadao Watanabe Group 2011 [JAZZ]
渡辺貞夫のライブに行って来ました
3Daysの2日目、2ndステージです
十四の春 真黒な盤に針が触れた時の歓喜
十五の春 同じ楽器を手に入れた時の興奮
十六の夏 初めてステージを見た時の落涙
身体も大きくなったし
多くの音楽を知ってきたし
知識は広がったのかもしれない
胸の高鳴りを抑えられない時が
やがて僕は小さな舟を出した
ジャズという、素敵で不思議な湖に
現在、過去、未来・・・
さまざまな時代のジャズに思いを馳せて
それでも、いちばん心安らぐ船着き場のように
その人の音楽は、此処にあり続ける
十干十二支を一巡りした、今でも
手を伸ばせば・・・
僕らが受取れる場所にあるのだ
渡辺貞夫(as)
小野塚晃(pf)
養父貴(elg)
コモブチキイチロウ(elb)
ンジャセ ニャン(per)
Follow The White Rabbit/Yaron Herman Trio [JAZZ]
Bienvenue sur mon blog
あたしはうさぎ。てかそんなの見ればわかるわよね~。自分で言うのもなんだけど干支の中ではかなりカワユスな方だと思うのよね・・・チャームポイントはやっぱ耳かしら。あと、後ろ足に萌へーって、殿方によく言われるわ。うふ
あたしね、おフランスのウサギなんだけど、えっと・・・日本のお正月って『キンガシンネン』とか『あけましておめでたいございました』とか『アケオメコトヨロ』って言えばいいのかしら?。ふ~ん、なーんだか言い難いくって噛みそうでやだわ。
え?ところでなんでウサギのあたしがブログ書いてんだって?・・・ふ、、、そんなのあたしが訊きたいくらいだわ。
さっき突然なちゃに『なぁおい、今日はブログ書いといてくれよ』って言われたんだから。
あ、もちろん最初はシカトゥー(シカト)したわよ、だってあたしリアルでうさぎだしぃ、寒いの苦手だもん。だからぁ、そんなのマジ無理ゲーなわけ。でも、
こ れ は 破 顔 一 聴 の し き た り だ か ら
って・・・・・・何それ超イミフなんですけどぉ!
だいいちさぁ、偉っそうに命令するわりには、なちゃがブログ書いてるとこなんて、あたし一度も見たことないんだからね。ずっとサボってたんだからお正月のブログくらい自分でキチンと書きなさいよ。
・・・ったく、可愛いいウサギなばっかりにブログの代筆だなんて、お正月早々ついてないったらありゃしないわ。
あら、つい愚痴っちゃったけど、そうこうするうちにもうこんな時間ね。ぶつくさ文句書いてたら、文字数だけはまあまあ稼げたし、やってみると結構面白かったわ。うふふ。
あでも、アルバムの内容書かなくってもいいのかしら?・・・・まぁいいか(笑)
なちゃのブログって、いつもこんな無責任で適当な感じなんだよね?(笑)
あ・・・でもよく考えたら、もしかしてなちゃったら最初っからあたしにブログ書かせるつもりで黄色いショップでCD買ったのかしらん?
だとしたらちょっぴり悔しいわ(笑)
ベストトラック
10:Baby mine
01:Follow the white Rabbit
14:No Surprises
さらばSJ [JAZZ]
あらら・・・休刊しちゃうのかSJ(スイング・ジャーナル)
ジャズファンじゃなくっても知ってるよね。1947年に創刊だから63年。最盛期には発行部数30万部を誇った『ジャズ専門誌の草分け』でございまして。
・・・つっても最近は全く買ってないんだけどね(笑)
だってさ、ぶっちゃけ値段も高過ぎると思うし、立読みするにも重くて肩が凝るし(笑)。なのでジャズ喫茶や図書館でぱらぱらとページを捲る程度になってましたけど。
それでも、ジャズを好きになって聴きはじめた若い頃は『ジャズライフ誌』と同じく、大変お世話になりましたよ。
僕がSJを最初に買ったのは、高校生になる前だったかなー。なんだか嬉しくって、隅から隅まで読んでたもんだよ。その頃の情報源はやっぱ雑誌。インターネットなんてなかったもんな。
同じSJ社の姉妹誌『ADLIB』も、昔は好きで読んでたけど・・・こちらも休刊なんだよね。
休刊に至った原因のひとつは『広告収入の落ち込み』だとか。
んー。やはりというかそのままというか…50~60年代の遺産に固執した頑なに保守的な内容はともかくとしてだな、この雑誌の場合はスポンサーからの広告料に正比例するような偏った評価が露骨つうか、特定のレーベルとのタイアップ記事が目に余るってのは確かにあったよな(実際のところレビューはホントにつまらなかった)。
『プロの批評家としての誇り』ってやつですかい?そんなものとはほど遠い、広告依存過多な記事と販売価格(今なら輸入盤が一枚買えるし)とのバランスの悪さが、徐々に読者が離れた原因といっても良いだろうね。だって、褒めるだけの感想だったら僕でも書けるもんな。
今やインターネットの普及で音楽情報も世界中から入手できるし、CDの売上は低迷、おまけに出版業界は大不況・・・時代の流れに悪条件が重なったのかなぁ。
でもね、なんだかんだいっても半世紀を越えて続いたジャズ雑誌の老舗なわけで、復活への道は探せば有るはずだし見つけて欲しいなと、僕は思う。で、その時は生半可な伝統意識なんか捨てて大きくリニューアルすればいいんじゃないかな。
もしそうなれば、少なくとも僕はもう一度読んでみる。
それにしてもあれだな、本屋さんの棚で偉そうに鎮座するマイルスやらコルトレーンやらロリンズの表紙が見れなくなるってのは、いちジャズファンとしては少し寂しい気はするよね。
久しぶりに、最後の号は買ってみようかな・・・
Inside Straight/Cannonball Adderley Quintet [JAZZ]
なんだよナットの野郎、一枚だけひょこっとカード出してやがるからババと見せかけたフェイントだろと思ったら、本当にババじゃねえかよこれ。あんにゃろ兄貴の俺に裏の裏かきやがったな。つうか誰だよ、ライブのソロの順番ババ抜きで決めろとか言い出した奴は。このアルバム、俺がリーダーなんだぜ?
・・・そういや、ブルーノートでマイルスと枯葉やった時もそうだったんだよな。マイルスが先にミュートでテーマ吹いちまって美味しいとこ全部持ってかれたからなあ。ったくあれにゃ参ったぜ。あのミュートのお陰で、丸ごとマイルスのリーダーアルバムみたいになっちまったし、ひでえ話しだよ。
あ、ナットの野郎こっち見てニヤニヤ笑ってやがんな。あーそうかいそうですか。お前がその気ならな、俺も兄弟仁義なんか捨てて手加減しねえからな。ぜってーお前にババ引かせてやるぜこんにゃろめが。
さあて、こっちも裏をかいてやるか・・・いや待てよ、ナットのやつ俺と違って勘だけは鋭いからな。よし!やっぱここは正攻法で行くっきゃねぇな。
おっと、顔色で作戦がバレないようにしないとな。こう見えても俺はポーカーフェイス得意なんだぜ。
ふっふっふ……
(フィクションです)
1973年、キャノンボール・アダレイ晩年のライブ盤『インサイドストレート』。
メンバーはHal Galper(el-p)、Walter Booker(b)、Roy McCurdy(ds)、King Errison(perc)、そして弟のナット・アダレイ(cor)。大ヒット作『Mercy Mercy Mercy』以来取り組んできたスリリングでファンキーな演奏を繰り広げている。キャノンボールのアルトからは全盛期のような音の艶と、ゴムまりが弾むような節回しの瑞々しさが影を潜めてるのがちょいと悲しい。録音状態もお世辞にも良いとは言い難い一枚だが、この顔面アップがジャケ買いに値するインパクトを持っているのは確かだ。
司会者のナレーション呼応してスタートする表題曲『Inside Straight』で先発ソロを吹くのは、バンドリーダーで兄のキャノンボール・アダレイ。そのブロウの内容はともかく、この強烈なポーカーフェイスが功を奏し、どうやらカードゲームには勝利したようだ(笑)。
めでたしめでたし。
ベストトラック
1:Inside Straight
6:Five of a Kind
5:Snakin' the Grass
Boogie-Boga-Boo/本田竹広 [JAZZ]
行き付けの図書館で見っけた一枚っすけど。
図書館にあるCDってば、新作はもちろん無いし泣く子黙るような超有名盤もあんまし置いてないんだけど、逆にそれが面白くってヤミツキになるんだな。僕が通ってる図書館には、もうそこらのショップにゃ置いてないようなB級C級D級の盤がゴロゴロしていて、そん中から希にこんな魅力的な作品にばったり出会えたりするわけ。なんつっても無料(ただ)なのがいいよね。ハズレても、返しちゃえば後腐れないし(笑)
てなわけで、これはピアニスト本田竹広の作品でタイトルは『Boogie-Boga-Boo』と書いて『ぶぎー・ぼが・ぶー』と読む。またまたマイナーなアルバムですみませんけど(笑)。
本田竹広といえば、僕の場合は70年代の渡辺貞夫グループが真っ先に浮かぶかな。フュージョンブームの頃に活躍した名バンド『ネイティブ・サン』の中核メンバーでもあったよね。もちろん自己のピアノトリオやソロピアノでの緒作の評価も高い。
本名は本田昇なので竹広は芸名。さりげなく竹彦→竹曠→竹広と変えながら活動し、二度に渡る病魔(脳内出血)に倒れながらも後遺症と闘い奇跡的な復活を遂げ、2006年に60年の短い生涯を終えるまでピアノを弾き続けた不屈の芸術家・・・それが本田竹広。
ちなみに、御夫人はナベサタの実妹でボーカリストのチコ本田。息子の本田珠也は今や日本屈指のジャズドラマーだね。
この『Boogie-Boga-Boo』は1995年の録音だから、時期的には最初の病魔に襲われる直前(この後2000年まで闘病生活となる)で、芸名を竹広に変えての最初のアルバムになるんだな。
日野元彦(ds)・ポールジャクソン(b)のリズム隊と組んだトリオに加えて、五十嵐一生(tp)と臼庭潤(ts)のホーン、更には今出宏のblues harp(いわゆるハーモニカだね)が参加。サウンドはジャズなんだけどもノンフォービートで、敢えて言うとジャズ・ファンク系のサウンドってところでしょうか。んーカッコいい。
アルバムは、のっけから(当時はまだ若手だった)の五十嵐のトランペットと臼庭のテナーが大活躍。若さほとばしる全力のブロウがなんとも爽快。こういう活きの良いソロを吹かれると、一曲が長尺になっても全然オッケーだな。
リーダー本田竹広がプレイしているのはピアノではなく、Fender Rhodes(フェンダーローズ)だ。フォルテでの鋭い切れ味やメゾピアノでの優しい音のゆらぎ、とろけるようなエロさとクールなインテリジェンス・・・ピアノとはまた違った、Rhodesの個性が実に良い雰囲気でアルバム全体を支配している。ベテランが生み出すグルーヴも強烈だ。名手・日野元彦のドラミングにじっとりと絡むポール・ジャクソンの真っ黒なベースラインが、じんじんと下半身にくる。もうそれだけでも聴いてみる価値のある一枚だと思うし、なんといってもラストを飾る『Water Under the Bridge』が素晴らしい。スローな8ビートで演じられるこのシンプルなバラードを聴いていると、橋の上に佇み大河の流れを眺めるような情景が嫌でも目に浮かび、どこまでもメロウな旋律を奏でる本田のRhodesと、どうしようもなく切なく歌い上げるblues harpのリフレインに・・・あ、あかん・・・なんだか泣けてきた。
んー、これはピアニスト本田竹広の代表作とは言えないかもだけど、もっともっと評価されいい秀作だと思いマス。
つうか、こんなのが見っかるから、図書館通いはやめられないんだよな(笑)
ベストトラック
7:WATER UNDER THE BRIDGE
1:J.F.
2:WING IT SHUFFLE
In L.A./Tom Scott [JAZZ]
レコード棚まさぐってたらこんなの出てきて思わずにんまり。
マルチ・リード奏者Tom Scottの、かなり昔のレコードで
タイトルが『トム・スコット・イン・LA』。
思い出すに実はこれ、学生時代にサックス教わってた先輩から借りたままのレコードってのが判明(ごめんなさい)。
おいおい、にんまりしてるバヤイじゃないっての(もう時効でしょうか)。
つうかいつもすみませんねマイナーなアルバムばっかで・・・しかも借りパク物だし(笑)。
トムスコ(勝手に略してるし笑)といえば、70年代からばんばんフュージョンのアルバム出してて、今や大ベテランの域。古くはLAエキスプレスの諸作や、CBSコロムビア時代の『Apple Juice』や『Intimate Strangers』なんかは、今もフュージョンサックスの人気盤。多忙なスタジオミュージシャンの顔も持ち、有名どころではG・ハリスンやWINGS、ジョニ・ミッチェル、カーペンターズなどなど、数多のロックミュージシャンのサポートを務めた売れっ子スタジオマンで、’73~’74年には米国音楽界で『最も重要なスタジオミュージシャン』の称号を得ている。19歳でプロとなり、本作リリースの時点(28歳)でプレイヤー&アレンジャーとして既に250枚ものアルバムの仕事をこなしていたというから驚きだ。コンポーザーやアレンジャー(映画音楽)としての仕事も多く、グラミーウィナーにもなってるんだな。ちなみに、ピンク・フロイドの『Terminal Frost』やホイットニー・ヒューストンの大ヒット曲『Saving All My Love For You』でサックス吹いてるのもこの人。
このアルバムは1976年、Flying Dutchmanてレーベルからのリリースで、ジャケもタイトルもライブ盤ぽいけどスタジオ録音。トムスコは、1970年代初頭に、このレーベルから2枚出していて、本作はそのコンピレーションのようだね。どうりでWikiにあるトムスコのディスコグラフィに載ってないわけだ。
演奏はビッグバンドとカルテットによる編成で、クロスオーバー(つうよりジャズロックぽい)とストレートなフォービートジャズを吹き分けている。今と音楽のスタイルは違えど、やっぱトムスコ節つうかパワフルでカラッと歯切れのよいサックスをこの頃から吹いてるねぇ。ロックやポップス畑で需要が高かったのも頷ける吹奏だなこれは。
まぁ・・音は笑っちゃうくらい古臭いけど、インパルスからジャズでデビューし、LAエキスプレスをきっかけにフュージョンサックスのスターにのし上がる前のトムスコを、ジャズの面から捉えてるって意味では珍盤といえるかも。どうやらCD化されてないみたいだし、もしかしてネットオークションに出したら高値になっちゃったりするのかな・・・むふふふ
・・・いやいや、だからこれ、借り物なんだっつうの(笑)
ベストトラック
sideA-1:HEAD START
sideA-3:BEATLE BALLADS
sideB-2:FREAKY ZEKE
Orchestrion/Pat Metheny [JAZZ]
黄色いショップでポンポン売れてくの見てたら聴いてみたくなったのさ。
安かったし(笑)
今年の(といってもまだ2月だけど)ジャズ方面で
おそらく話題性No.1のパット・メセニーの新作『Orchestrion』
下の画像に写っている何やら物々しい機材群が今回の”レコーディングメンバー"だ。
この『オーケストリオン』というコトバは、このアルバムのための造語ではなく『オーケストラやバンドのような音を奏でるよう設計された音楽演奏機械の総称』とwikiに有る。
本作ではメセニーのギター以外、全てのパートが最新テクノロジーで武装したこれらの『オーケストリオン』なるシステムによる演奏となっているわけだ。
要は、何も文句を言わない打込み(といってもシンセ類ではないが)による自動演奏をバックに、ギターを思う存分弾きまくろう、という図式で合ってるのかな。
それにしても異様な眺めだ。オフィシャルにアップされてるプロモを見る限り、絵的には『善からぬ秘密結社のアジト』とか『ピタゴラスイッチ(NHK教育の子供番組ね)の楽器版』といったところか…
所狭しと並べられた、主(あるじ)のいない楽器を鳴らす無機質な紐や骨組みの動きと、どや顔で中央に陣取りギターを鳴らすメセニーの図は、透明人間と狼男、もしくは幽霊と霊媒師メセニーのセッションのように見えなくもない。これを丑三つ時に見たらかなり不気味かも。
個人的には、音そのものに大きな驚きはなかった。アルバムを通して聴いた感想は、これはまぎれもないパット・メセニーのサウンドそのものだということ。それ以上でもそれ以下でもない…良くも悪くも、これがこのアルバムへの僕が持った印象。
ただ、これだけの仕組みを根気よく構築し、マシンだけを相手にこれだけのレベルに達する作品を作ったという意味で、やはりメセニーは凄い、と書いておきたい気にはなる。
それよりも驚いたのは、やはりハードの方。このオーケストリオンという演奏体だ。
メセニーの手元や足元からの指令で、アドリブにもレスポンスできる、ちょっとした“テクニック”も実装しているのだとか。それがどういう原理と仕組なのか僕にはさっぱり判らないが、いっさい自我を持たないシステムが今後さらに進化を重ね、リーダー(メセニー)の思うがままにリアルタイムで反応し、音の表情を変えてゆくとしたら驚愕ものだ。メセニーが最も理想とする今後のPMG(パット・メセニー・グループ)サウンドのシュミレーションに成り得るのかも。
PMGという強烈な個性のバンドサウンドを持ちながら、あえて打ち込みシンセでもなく多重録音でもなく、新たに挑んだオーケストリオンとのメセニーサウンド…
これは、永遠のギター小僧の考える究極のPMGへの一歩なのか。それとも、膨大な時間と金をつぎ込んだ『楽器オタク・メセ兄(めせにぃ)』の”壮大なお遊戯”なのか…
面白いといえば面白いんだけど、正直ピンとくるものはなかった。
というわけで、次は是非とも”後戻りが出来ない”ステージでの映像が見てみたい。
このオーケストリオンという演奏体に進化の余地が有るのか、生身の聴衆との体温の差を機械で埋めることが出来るのか・・・そんなこんなも含めて、答えはもっと後でも良いような気がする。
今ぶっ飛んでも、今つまらなくっても、10年後には・・・・ってやつ。
ところで、これライブ中に故障したらどうするんだろね…?
ベストトラック
1:Orchestrion
3:Expansion
Five Peace Band Live/Chick Corea & John McLaughlin Five Piece Band [JAZZ]
『THIS IS IT』から、Earth Songの3Dムービーを上映したってか。それ見てみたいよなぁ。
最優秀アルバムはテイラー・スイフト(4冠)が獲得ってことで話題になったんだけど…
すまん、この人たちのこと全く知らんのよ(笑)。
僕てきにはやっぱし"FIELD-10"、つまりジャズの方に興味津々。
てなわけで第52回グラミー賞、ジャズ関連ではこれでしょコレ
Category-47(Best Jazz Instrumental Album, Individual or Group )での受賞作『Five Peace Band Live』
ジャズの巨星Chick Corea(チック・コリア)とJohn McLaughlin(ジョン・マクラフリン)の双頭クインテットのライブを収録したもの。
チック・コリアはGary Burtonと組んだ『The New Crystal Silence』に続いて2年連続でウィナーかぁ。これはホントにお見事というしかないね。
Chick Corea(p,key)
Kenny Garrett(as,ss)
Christian McBride(ac-b,el-b)
Vinnie Colaiuta(ds)
Herbie Hancock(p Disc2-3)
スーパースター同士の共演とか、豪華メンバーが集結したスペシャルバンドは、音楽を聴く楽しみのひとつだと思うんだけど、このバンドもお世辞抜きに凄い面子で、ジャズの世界では説明不要な大物が揃い踏み。んー、これは近年稀に見るスーパーバンドじゃないかなぁ。この顔ぶれに加えてハービー・ハンコックまで一曲(DISC2-3)で飛び入りしてるってんだから、ジャズファンにとってはヨダレがでそうなアルバムだね。このライブが録音されたのは2008年の秋だから、チック・コリアとしてはRTF(RETURN
TO
FOREVER)の再結成ワールドツアーの直後。RTFのライブ盤『Returns』も経年を感じさせない素晴らしい演奏だったけど、個人的にこちらはそれ以上。チックは見た目もすっかり貫禄たっぷりになっちゃったけど、音楽への貪欲な姿勢というか情熱には何時もホントに驚かされるね。
アルバムは二枚組。楽曲はチック、マクラフリンそれぞれの持ち曲に、マイルスの下で共演した『In a Silent Way/It's About That Time』、J・マクリーンの『Dr.Jackle』、スタンダードから『いつか王子様が』の8曲。殆んどが10分から20分を超える演奏になっていて、全編に渡り緊張感みなぎる高密度でスリリングな熱演が繰り広げられている。チックもマクラフリンもそろそろ70歳になるんだけど、一切守りに入らず本気モード全開で、ありがちなヘラヘラと余裕かました緩いセッションになっていないところは流石だな。
火の鳥が炎を吐き、カモメが水面をハイスピードで華麗に舞うかのように、久々の再会を喜び合い神業を披露する御大。若い猛者たちも大人しく黙っちゃいない。重戦車が砲撃しながら疾走するようなカリウタのドラミング、エレキとアップライトを完璧に弾きこなすマクブライドの知的な剛柔、クールとエモーションが絶妙にバランスしたギャレットのブロウは空気を裂く・・・・
もうね、あんぐり状態で何も言えまへん(笑)。この人たちには天井ってモノが無いのか…とも思えるほど素晴らしいプレイの応酬だ。ジャズと名の付くモノであれば、エレクトリックだろうがアコースティックだろうが4ビートだろうが16ビートだろうが貪欲に取り込み、比類ないレベルで対応してしまう、この恐るべきスキル、この緊張感、この反射神経、このスピード感、この円熟味……これがジャズ発祥の地アメリカの底力なのかと思うと、正直なところ、あと百年経っても日本はこれに追いつけない…そんな気にさせられた。これは紛れもなく、21世紀のジャズの頂点を捉えた記録。
もちろんグラミー受賞に異論など有る筈がない。
ベストトラック
disc1-1:Raju
disc2-3:In a Silent Way/It's About That Time
disc2-2:Señor C.S.
Lieb Plays Weill/The David Liebman Trio [JAZZ]
Jesse Van Ruller(ジェシ・ヴァン・ルーラー)が参加してるってので、
お!って思って年末から目ぇつけてたんだけど
あまりにパッとしないジャケなもんだから二の足踏んでたわけさ。
『あまりにパッとしない』てのも可笑しな表現ではございますけれども。
David Liebman(デイヴ・リーブマン)の『Lieb plays Weill』
だってよ、誰なんだいこのオッサン(笑)。リーブマンじゃないよな・・・若い頃なのかな。あ、そうかクルト・ヴァイル(Kurt Julian Weill、1900~1950)の作品集だってことだからクルト・ヴァイルなのかい?んーこの帽子といいダボっとしたズボンといい、ジェシヴァンの名前がなかったらぜってー買わない類のジャケットだぜこれ。
デイヴ・リーブマンといえばバリバリのコルトレーン派つうか研究家。僕の場合は最初に聴いたのが日野皓正のフュージョンのLPで、がつんと演奏にやられたのは1987年のLIVE UNDER THE SKYだな。覚えてる人も多いと思うけど、コルトレーンをトリビュートしたプログラムでのウェイン正太郎とリーブ万次郎のバトル(笑う所ですよ)。テレビで見たんだけどあれは強烈だったなあ。プギュー!て感じなアグレッシブな音色と、楽器がひん曲がるんじゃないかと思うような猛烈なフィンガリング、鬼気迫る表情も凄かった。隣のウェイン正太郎が霞んで見えるくらい強烈な印象が今でも残ってる。
これ、いつかも貼ったかな・・・ま、いいか
David Liebman(Ss,Ts,Wodden-Fl,P)
Marius Beets(B)
Eric Ineke(Ds)
Jesse van Ruller(G)
でこのアルバムの中身はどうなんだってえと、これがかなり良い。
タイトルのとおり全曲がクルト・ヴァイルによるもの。ジャズをあまり聴かない人でも『Mack the Knife』は耳にしたことあるんじゃないかな。そうそう別名『Moritato』。ソニー・ロリンズのサキコロで有名だよね。本作は所謂スタンダード集。
ピアノレスのトリオとジェシヴァンを加えたカルテットでソプラノとテナーを吹きわけてるんだけど、2曲でなんとピアノも弾いている。お馴染みの①Mack the Knifeはリラックスした雰囲気、ボサノバを吹くリーブマンにちょっとびっくりの②This Time Next Year。かと思えば、いかにもリーブマンらしいスリリングなフレーズが聴ける③Speal Lowなどなど、メリハリが効いていて飽きてこない。
ジェシバンは半分の曲に参加。やはりリーブマンの強烈な個性が上回ってるかな。それでも安定感は抜群。この人はホントに滑らないギタリストだ。
そんなこんなで実に親しみ易いアルバム。いつものアグレッシブなプレイに期待すると×だと言えるけど、僕てきには良い意味で大いに予想を裏切られた。コルトレーンの『バラード』みたいに後世に残っていけばいいなと思うね。
そうなると勝手なもので、ジャケットも良く見えてくるってもんだ。つうかちょっと言い過ぎたすまん(笑)
これはオールドジャズが好きなファンにもウケそうな好盤っすよ。胸張ってオススメしときます。
1934年の写真だと書いてありました。
あーすっきりした。
200円CDショートレビュー11連発 その11 [JAZZ]
大好評だった(うそうそ)200円CDショートレビュー11連発も、いよいよ最後の一枚になりましたよ。
ワゴンに積まれた200円CDの中でも一際キラリと異彩を放っていたのがこの二枚組CD。
『Five & Three Quintet & Trio Music』というタイトルからも察しがつくようにジャズの作品。スリップケースに入っていて見栄えも豪華なので、間違えてジャズ売場の棚から紛れ込んだのかと思ったほど。
アルバムのリーダーであるDavid Friesen(デイブ・フリーゼン)は技巧派ベーシストで、ラリー・コリエル、マイケル・ブレッカー、ランディ・ポーターなどなど数多のジャズマンと共演歴がある。クレジットに書かれてあるHemage Bassはこんな楽器。普通のダブルベースとは違って、箱鳴りしなくてピックアップで音を拾う楽器のようだ。
これはDavid Friesenのトリオとクインテットが2007年から2008年の間に残したライブ録音を、2枚のCDに編集したもののようだね。レーベルはITMってところで、これは始めて聞くんだけど、ドイツのレーベルってことでジャケットのECMっぽさにも納得。トリオは【ピアノ+ベース+サックス】のドラムレス、クインテットは【ドラム+ベース+サックス2菅(ダブルテナーorソプラノ)+ギター】のピアノレスという編成で、特にクインテットの演奏が素晴らしい内容。モーダルなサックスと、ふわふわ浮遊するP・メセニー風のギター(ポーランドのDan Balmerってギタリスト)が何とも独特な雰囲気を醸し出していて、ジャケもECMぽいけど、中身も現代ジャズって感じのECM風。まぁこの手のジャズはファンの間でも好みが別れそうだけど、僕はこんなの大好物ってことで迷わず★★★★★
どうしてこのCDが200円(一枚100円)なのか、僕は不思議で仕方がない。
200円の価値→★★★★★