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Ratamacue/Harvey William Mason, Sr [FUSION]

アメリカのジャズ・フュージョンシーンに君臨する名ドラマーといえば、
スティーブ・ガッドとハービー・メイソン。

ガッドにしてもメイソンにしても、フュージョンが最も輝いていた70~80年代、
ジャンルを問わず其処ら中のアルバムでブイブイいわしていた
若い頃のパワーはさすがに衰えたとはいえ、
東の横綱ガッドに西の横綱メイソンと呼ばれるに相応しい素晴らしいドラマーだね。

 

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自己名義のアルバムに関しては、ガッドはあまり積極的ではない印象だけど、メイソンの方はソロアルバムもコンスタントにリリースしているよね。2004年にH.ハンコックやB.メルドーやC.コリアなどなど豪華なピアニストを招いて録音したジャズアルバム『With All My Heart(Trios)』がグラミー賞に輝いたのは記憶に新しいところ。
このアルバムはそのちょっとだけ昔。1996年、Atlanticからリリースされたハービーメイソン7枚目のソロアルバム『Ratamacue』。Fourplayのメンバーが数曲に参加してるだけでなく、ジョージ・デューク(p)、ハーブ・アルパート(tp)、ドン・グルーシン(p)、シーラ・E(perc)などなど、なんとも豪華なメンツ。リトナーとはジェントル・ソウツからの付き合いだもんな。


で、内容はってぇと、『コンポーザー、アレンジャー、プロデューサー』としてのメイスンの作品って色合いが濃いかな。強いて言うなら『メイスンのソングブック』のような作品って印象なんだけど、とにかく冒頭の4/4拍子で演じる『テイク・ファイブ』が素晴らしい(つうか面白い)。
ジャズファンなら知らない人はいないであろうこの超有名曲は、タイトルに示されてるとおり元々は5/4拍子。スタンダードとして演じられる場合も殆んどは♪ンダ・ンダ・ンダ・ダッ・ダッ♪ってな3拍+2拍=5拍子のリズムが定石なんだけど、それを4拍子で何の違和感もなく仕上げてしまう、リズム職人メイソンのリズムセンスに先ず脱帽。最も有名なD.ブルーベックカルテットで聴き慣れたポール・デズモンドのアルトソロを書き譜にしてサックスとマリンバのユニゾンにアレンジしてるのも面白いし、シャッフルするリズムとパワフルで歯切れの良いドラムソロのカッコ良さったらない。
メイソンのオリジナルを中心に配した後続の9曲がこれまた秀逸でバラエティ豊か。リットのギターが美しく唄うフォープレイ風の②『8:22 A.M.』、ノリノリのこれぞフュージョンナンバー③『Ratamacue』、フルートとビブラフォンが奏でる日本人好みの哀愁バラード④『Noble Places of the Heart』、ジャジーな雰囲気にボブ爺の存在感が際立つ⑥『Whatever It Is』、フィル・ペリーのボーカルによる切ないAORバラード⑧『Crush』などなど、メロディアスな佳曲が並ぶ・・・メロディ良しアレンジ良しの楽曲を引き立てるメイソンが叩き出すグルーヴはまさに横綱相撲。
あと、殆どのトラックでフューチャーされているメイソンのマレット捌き(マリンバ・ビブラフォン)も大きな聴きどころだな。これがかなりの腕前で、好き勝手が許されたソロアルバムでの一芸披露の域に留ってないのが素晴らしいね。そりゃまぁG.バートンやM.マイニエリのようなバカテクってわけじゃないけど、楽曲に柔らかな浮遊感というか彩りを付与しているというか、実に好感の持てる演奏だと僕は思う。
ラストは本業のドラムそっちのけでマレットを手にボブ爺とのデュオ小曲でしっとりと締め。

んー。このアルバム、かなりの良盤だと思いますよ。フュージョン好きの方は、タイトルくらい覚えておいても絶対に損はないかと。
ちなみにタイトルの『ラタマキュー』とは、ドラムのスティッキング技法のひとつなんだって。ドラマーの拘りが表れてるね。

ベストトラック
1:Take Five
5:Scream
3:Ratamacue





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Live at the Bijou/Grover Washington,Jr. [FUSION]

な~んか音楽ネタって、久しぶりのような気が(笑)
こないだの『ワインライト』の記事、懐かしく聴いてもらえたようで・・・^^
調子に乗って、Grover Washington,Jr.のアルバムをもう一丁続けます。

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アルバム『ワインライト』の大ヒットで、サックス奏者としてのネームバリューを一気に上げた挙げたグローバー・ワシントン,Jrは、生涯その路線を歩み続けた(中にはジャズアルバムもあるが)。そのまろやかなトーンとフレージングは後に生まれる『スムースジャズ』のミュージシャンに大きな影響を与え、サックス・スタイリストとしての地位を確立して行く。
しかし、それより以前のCTI傘下のKUDUレーベル期(現在はモータウンに版権)の諸作が醸し出す”ファンキーさ黒っぽさ”こそがグローバーの真骨頂と高く評価するファンも変わらず多く、むしろソウルやブルースをベースにファンク、ラテン、アフロ等を融合させたサウンドこそが、『Smooth Jazzの父』と呼ばれるに至ったグローバーのスタイルの原点であるとの見方も出来る。

本作は『ワインライト』の僅か2年前の1977年(リリースは1978年)にフィラデルフィアの『Bijou Cafe』にてレコーディングされたライブアルバムで、プロデュースはクリード・テイラー。KUDUレーベルでの最終作であると同時に、グローバーが率いていた当時のレギュラーバンドの演奏がLP2枚に収められていて、上述したそれまでのファンキー路線の集大成とも言える。本作から『ワインライト』までの2年間で、3枚のアルバムを発表していることからも、この時期のグローバーのサックス奏者としての充実ぶりが伺える。

まだクロスオーバーというスタイルが新しく持て囃されていた時代・・・新たなジャズ表現の潮流に乗り、若さに任せた荒々しいカッティングを繰り出すRichard SteackerのギターLeonard Gibbsが叩き出す怒涛のパーカッションが乱れ飛び、James Simmonsのエレキピアノが固く鋭い音でハジける。もちろん、こんな演奏を前にして聴衆も黙ってはいない。
競り合うようにギラギラと目を輝せ音を放つミュージシャンの生々しい演奏と、それに呼応する客席からの熱気のケミストリーによって、ステージは火星なみに熱く盛り上がり、曲はどんどん長尺になっていく。
グローバーの吹奏には、後の『ワインライト』で聴ける上質なワインのような豊潤さはまだ無く、ジャケットの横顔そのままに荒削りながらもアグレッシブなソロを吹き飛ばして行くさまに、ただ圧倒されるばかりだ。

もう今となっては新しさなど微塵もない、ダサく古びたクロスオーバーのサウンド・・・だがしかし、この熱さだけは『ワインライト』の比ではない。このライブは果実酒でなく、まさに『Spirits』・・・・テキーラのようだ。
このクロスオーバー度数、聴く人によっては喉が焼けるかもしれない。
 

ベストトラック
side2-1:Days in Our Lives/Mr. Magic
side4-2:Funkfoot
side1-3:Lock It in the Pocket


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Winelight/Grover Washington,Jr. [FUSION]

数多いGrover Washington, Jr.の生涯の作品の中でも、
『ワインライト』を最高傑作に挙げる人は多いと思し、僕もその一人だ。
しかし、どうも世間からの扱いが軽いように思えてならない。

僅かとはいえ同じ楽器をかじったことがある者として、ひとこと言わせてもらうと
このアルバムは世間で評価されているような甘ったるいだけの作品ではない。

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たしかにとても聴き易いアルバムだ。しかし、そのオブラートの中で繰り広げられている汗が迸るような熱演を蔑ろにすると、あまりにも主役のグローバーが気の毒に思う。
S.ガッド(ds)、E.ゲイル(g)、R.ティー(kb)、M.ミラー(b)を相手に、ほぼペンタトニックだけで、あれだけのフレーズを積み上げるグローバーは云わずもがな、プレイヤーに思う存分熱演させつつ、(良い意味で)BGMとして耐えうる聴き易さも併せ持っているという意味で、B.イートンのアレンジとプロデューサーのR・マクドナルド(per)の手腕も素晴らしい。

唯一のボーカル曲『Just the Two of Us』が大ヒットしたこともあってか、アルバム丸ごとが、やれ”都会的でムーディー”だとか”バーのカウンターで恋人と”だとか”ワイングラス片手に”だとか・・・同曲の邦題(クリスタルな恋人たち)よろしくバブルの残骸のような言葉で形容され、只の『洒落たムード音楽』のようなイメージだけで片付けられている感がある。僕はそれが大いに気に入らないのだ。
たしかに、金色のサックスを背景にワイングラスを写したジャケットは『そういう聴き方』を遠回しに推奨しているようにも見えるが、NY最強のリズムセクションによるタイトなバッキングに乗って、終始に渡って独壇場のごとくアルト・テナー・ソプラノをエネルギッシュにブロウしまくるグローバーのサックスソロは、凡百なボーカルよりもソウルフルで歌心に溢れた本当に素晴らしいものだ。
『Just the Two of Us』が、今も名曲として映えているのは、前後を固める5曲の良質のインストナンバーとのバランスの良さだと言ってもよい。僕は『ワインライト』の真髄はこれに尽きると思っている。
そう、雰囲気の甘さだけで語れるほど名盤の地位は甘くないのだ(笑)

もちろん音楽の楽しみ方は自由だ。しかし是非一度、虚心坦壊シラフでじっくりと聴いて見て欲しい。
酒の肴にするだけでは勿体ない39分間だ。

ベストトラック
1:Winelight
3:In the Name of Love
4:Take Me There

 



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LC Leaves Fourplay・・・ [FUSION]


I will cherish all of the wonderful personal and musical memories,
over the past 12 years,
which I was fortunate enough to share with Fourplay.

ネットをうろうろしていたら、こんな情報が。。。

ラリー・カールトン、フォープレイから脱退・・・・・

えぇーっ!!

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フォープレイの結成は1990年だから、もう20年になるんだねぇ。
オリジナル・メンバーはボブ・ジェームス(kb)、ハービー・メイスン(ds)、ネイザン・イースト(b,vo)、そしてギターの貴公子リー・リトナー。
70年代のフュージョン梁明期から第一線で活躍し、結成当時にして既に重鎮だった四人のスターが顔を揃えた奇跡のスーパーバンドとして話題をさらい、1stアルバム『FOURPLAY』は大ヒットを記録。
『お殿様の気まぐれセッションバンドか?』という多くの音楽ファンの予想を良い意味で裏切り、コンスタントにハイクオリティなアルバムを三枚発表するも、1997年に多忙を理由にリトナーが脱退。その後任として加入したのがリトナーと並ぶ人気と実力を誇るラリー・カールトン・・・・という、ちょっと出来過ぎのような変遷をもつバンドなんだけどね。
う~ん・・・個人的には、リット期よりも今のカールトンの方が好きだったし(少数派?)、そもそもギタリストとしてもリトナーよりカールトンが好みだったけに、これはかなりショックだなぁ。

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カールトン脱退の理由は”to Pursue Solo Career and 335 Records Projects” ・・・・つまりは、もっと自己の音楽活動に専念したいってことかぁ。残念だけどしかたないよね。メンバーそれぞれが一家を成す、まさにプロ中のプロ。これを言われちゃ、お互い引き留めようがないか(笑)

で、次は誰なんだ、よもや解散か?・・・と、続きを読んでみたら、後任はChuck Loeb(チャック・ローブ)とのこと。チャック・ローブって、(良くも悪くも)ばりばりのスムース・ジャズ系で人気のギタリストだよな・・・・
んー、この人選はどうだろ・・・・ボブもネイザンもハービーも、フュージョン界の頂点に立つスーパーミュージシャンであって、その個性なんかも半端じゃないわけだし、リトナー → カールトンと、フュージョンギターの双璧を擁してきたスーパーバンドの三代目ギタリストとしては、ちょっと小粒感が否めないつうか荷が重いのでは・・・と感じると同時に、これからのフォープレイの路線そのものが、なにげに見えてくるような気がするけど。考えすぎ?

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素晴らしい作品だった前々作『X(エックス)』発表後の来日公演を大枚(10000円くらいだったかな)を叩いて聴きに行ったんだけど、カールトンの神業(もちろん他のメンバーも凄かったけど)や、ステージでのミュージシャンとしてのサービス精神にも心底感動したし、前作『エナジー』が一昨年の発表だったから、今年の秋あたりはニューアルバムが聴けるかなぁ、とか何気に期待してただけに、これは驚きのニュースでおました。
ともかく、メンバーチェンジってことは新作を出す”つもり”はあるんだろうね。まぁ賛否両論が必至な12年ぶりのギタリスト交代劇だけれども、三人のギタリストを好みで聴き分けて、あーだこーだと語れるってのも、ある意味幸せかもしれんね、フュージョンファンとしては(笑)。
惰性で聴かせる耳あたりだけの凡百なスムースジャズにならない事を祈りつつ、ニューアルバムを待つことにしましょうか。

さて、あなたは誰がお好みで?・・・・

初期の名曲 Bali-Run カールトンバージョン



今も根強い人気のリット期の演奏
 

三代目ギタリストchuck loeb

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Solid State Funk/本田雅人 [FUSION]


ん……なんか顔が窶れたんじゃない?……
とか思いつつ開封してトレイにセット。
へえ、今回からレーベルがSMJに変わってんのね。

去年の暮れに出た本田雅人の新作『SOLID STATE FUNK』ですけど。

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独立して随分と経つと色々と気苦労あるのかねえ。昔から発散してた、ちょっと憎ったらしいような『オレ様度』が影を潜めたつうかさ。この下の写真とか特に。
まあ、日本のフュージョン界の中にも、別人みたくメタボ化したりニット帽が脱げなくなった人もいることだし、ビジュアルはともかく元気ならいいんだけどね。

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手数の多いテクニカルなリズムにブラスセクションが『ぶはぶはっ』と乗っかって、本田のアルトがかっ飛んで来た来た。わは爽快。
オープニングの『Funky Monsters』はお得意のファンク・チューンてか。まあ『お約束はちゃんと守らなきゃ』ってとこなんすかね。サックスもフルートも相変わらず巧いし(EWIは吹いてないね)、曲はバシバシキでキメキメなホンダ式ナンバーが幅をきかせていて、これでもかと繰り出される怒涛のフレージングに例によって唸らされるわけだ。

梶原順(g)
松本圭司(p/key)
櫻井哲夫(b)
則竹裕之(ds)

塩谷哲(p)
鳥山雄司(g)
グレッグ・リー(b)
山木秀夫(ds)

Bob James(p/key)


う~ん、やっぱこうでなくっちゃ!

…と言いたいところだけど、ぶっちゃけ『またか』という印象は否めない。
ボブ・ジェームスの名が前作繋がりで見えるものの、あとはご覧の通りのメンメン(青木氏がご存命なら当然ここに名を連ねただろうし)で、日本のフュージョンを代表する面子という意味では磐石、悪く言えば毎度お馴染み過ぎて刺激が無い。
せっかく(つうか漸く)前作『アクロス・ザ・グルーヴ』で、B・ジェームス、H・メイスン、N・イーストらの海外の凄腕との共演を果たしたサウンドが良かっただけに、世界進出に思いを馳せて期待してたファンもいたんじゃないかなと思う。僕もその一人。
凡百でない個性を持ち、今やサックスの力量ばかりか人気面でも国内トップクラスなのは疑う余地がないと思うわけで、だからこそだな、詞(コトバ)の不要なインストルメンタルを武器にして、世界の強烈な個性に身を投じるような思い切りが欲しいってのは正直あるな。
人気バンドから独立してもう10年以上…そろそろ『ワンパターン』という、厄介な壁に立ち向かう頃じゃないかと、ファンとして思うんだけど。ボブ爺との共演②や、ピアノとのデュオ⑥、ミドルテンポの④がとても良い曲なだけに、そういう意味で少しがっかり・・・かな。

次作、わくわくするようなお騒がせに期待。

ベストトラック
06:Your Birthday
04:Sailing of Time
10:Angel Smile

試聴はこちら→http://www.hmv.co.jp/product/detail/3703499

 


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A GRP ARTISTS’ CELEBRATION OF THE SONGS OF THE BEATLES [FUSION]

デイブ・グルーシンとラリー・ローゼンによって設立されたジャズ・レーベルGRP。
GRPとは『GRUSIN/ROSEN PRODUCTION』の略であることは知られてるけど
1994年にグルーシンとローゼンが会社を離れて新たにトミー・リピューマが社長に就任。
その名を『GREAT RECORDS PERIOD』としてGRPの三文字の略字を引き継いだんだな。
スムースジャズ系のミュージシャンを多く擁していることでもよく知られているね。
フュージョン好きな僕にとっては安心して手を出せるレーベルのひとつだな。

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クリスマスも近いことだし、ジャケットの色彩的に『クリスマス・アルバムかな?』と思った人もいたかも知れないけど・・・・
12月8日は世界中でひときわジョン・レノンの、そしてビートルズのナンバーが流れ、歌われていたんだろなうと思う。
僕はというとね・・・・ひっそりとこれを聴いてましたよ(笑)。
このアルバムは、GRPレーベル所属のジャズ・フュージョン系のミュージシャン達によるコンピレーション盤で、タイトルが『A GRP ARTISTS’ CELEBRATION OF THE SONGS OF THE BEATLES 』……長っ(笑)
そうです。つまりはビートルズのカバーアルバムね。
このアルバムがリリースされた1995年といえば、ビートルズ的には『ANTHOLOGY 1』や新曲としてリリースされた「Free As A Bird」で、ちょっとしたブーム再燃みたいな年だったかね。

1. ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード(ジョージ・ベンソン)
2. シーズ・リーヴィング・ホーム(マッコイ・タイナー)
3. シーズ・ソー・ヘヴィ~アイ・ウォント・ユー(グルーヴ・コレクティヴ)
4. アンド・アイ・ヒム(ダイアナ・クラール)
5. ザ・フール・オン・ザ・ヒル(トム・スコット)
6. ミッシェル(ラムゼイ・ルイス)
7. ア・デイ・イン・ザ・ライフ(リー・リトナー)
8. レット・イット・ビー(ネルソン・ランジェル)
9. エリナー・リグビー(チック・コリア)
10. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス(ラス・フリーマン)
11. イン・マイ・ライフ(スパイロ・ジャイラ)
12. ヒア・ゼア・アンド・エヴリホェア(デヴィッド・ベノワ)
13. ブラックバード(アルトゥーロ・サンドヴァール)
14. イエスタデイ(デイヴ・グルーシン)
15. イマジン(木住野佳子)

どうっすか、豪華15組のジャズ・フュージョン系ミュージシャン(グループ)によるビートルズのカバーが全15曲。しかしこの頃のGRPの顔ぶれって凄いものがあるよね。
当時新社長となったばかりのT.リピューマ自身がエグゼクティブプロデューサーとして関わっていて、当時日本人として初めてGRPとインターナショナル・アーティスト契約したピアニスト木住野佳子の名前も見える。ただしこれは日本盤のボーナストラック。
ビートルズのカバーアルバムってのは、かなりの数があるんだろうけど、本作は15曲中13曲がインストルメンタル。ごりごりのジャズってわけじゃなくフュージョンぽい曲が占めてるかな。僕てきには選曲も人選も実にツボをついていてなかなか良いんだけど。
アルバムアートがピーター・マックス(映画『イエロー・サブマリン』のタッチに影響を与えたとされる美術家)ってのも、なにげに拘ってないかい?

美しいストリングスをバックに聴かせるジョージ・ベンソンの①の甘い歌声とギターでスタート。生粋のジャズマン、マッコイ・タイナーが叙情的にピアノトリオで奏でる硬派な印象の②。GRPの看板ボーカリスト、ダイアナ・クラールが切々と歌い上げる④。フュージョンサックスの名手トム・スコットが⑤をエネルギッシュにブロウする。斬新な解釈で曲に新たな魅力を見い出せるのは⑥Michelleのラムゼイ・ルイスと③She's So Heavyのグルーヴ・コレクティヴ。リー・リトナーがウェス・モンゴメリーよろしく披露するジャジーなオクターブ奏法が渋い⑦。メロディへの忠実さが持ち味の泣き節を際立たせる⑧はネルソン・ランジェルのアルトサックス。⑨Eleanor Rigbyは御大チック・コリアが貫禄のタッチでソロピアノを聴かせる。切れのいい打ち込みのリズムにホーンセクションが心地よいラス・フリーマンの⑩。スパイロ・ジャイラはベテランらしい流石のバンドアンサンブルで爽やかに⑪In My Lifeを。原曲を裏切らないピアノタッチのシンプルな美しさデヴィッド・ベノワの⑫。一転してビッグバンドスタイル、ゴージャズなアレンジで痛快にトランペットソロを決めるアルトゥーロ・サンドヴァールによる⑬。そしてビートルズの中でも一、二を争うであろう名曲中の名曲Yesterdayは、GRPレーベルの創始者デイヴ・グルーシンによるピアノ独奏。ラストは日本人の木住野佳子によるピアノによるジョン・レノンのImagineでしっとりと締め。

ビートルズの楽曲は多くのミュージシャンやバンドがカバーとして取り上げている通り、僕が今さら言うまでもなく素晴らしいと思う。
楽曲に独自の解釈をねじ込んで、時に原曲の持つイメージを切り崩すことも厭わず発展させていくジャズミュージシャンとて例外じゃないのは、ビートルズナンバーのメロディがテーマとアドリブというインストルメンタルの手法で演じても魅力を失わないという証左なんだと、この種のアルバムを聴くと改めて実感するね。もちろん企画として勝算が高いというのもビートルズナンバーの人気ゆえだろうし。

ジョンが死んだ日、4人のビートルズが本当に終わってしまった日・・・それは彼らの残したメロディに翼が生えて新たな可能性が芽生え始めた日でもあるのではないか・・・と考えられなくもない。
ビートルズナンバーは、こうして永遠にジャンルを超えて愛され続けるんだろうね。

この地上に音楽のある限り。。。。

ベストトラック
14. Yesterday / Dave Grusin
12. Here There and Everywhere / David Benoit
8. Let It Be / Nelson Rangell






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Multiplication/Eric Gale [FUSION]

羊が一匹…羊が二匹…羊が三匹…

どうも目がさえて眠れない時に、羊を数える『おまじない』。やったことありますか?
実はこれ、日本人にはあまり効果がない…というかこの方法は英語を話す西洋人にしか向いてないらしくって、英語を日常的に使わない日本人には寧ろ逆効果なのだそうな。
なんでも、寝床で横になって『Sheep(羊)、Sheep、Sheep…』と繰り返しつぶやくことによって『Sleep(眠れ)、Sleep、Sleep…』という自己催眠状態になるということ、加えて『Sheep(シープ)』の発音を繰り返しているうちに、末尾の『プ』の発音がだんだん面倒くさくなってきて、やがて『Shee(シー)、Shee、Shee…』となるそうだ。この『シー』の発音を繰り返す行為が、身体の力を抜いてリラックスさせる効果があるようで、西洋人の場合はすうっと眠りにつける・・・・ところが日本人にとってあまり身近な動物ではない『ヒツジ』を数えるという行為は、羊の顔や姿を無理に頭に思い浮かべてしまったりすることにより、逆に脳が活性化されてしまう・・・・んだって。へぇー。子供の頃にやってみたけど、そういえば眠れなかったっけ。…つーか、日本人も『しーしー』言ってたら眠れるのかな?

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では、うさぎさんならどうでしょう(笑)。

エリック・ゲイルのギターは時として単調で無愛想だ。そしてクドい(笑)
このアルバム『Multiplication』の一曲目『Oh! Mary Don't You Weep』にしても、ゴスペル調のコーラスの合間を縫うように、あまり流麗とは云い難い、何とも野暮ったいタメと泣きの効いたソロをこれでもかと弾いている。だが、そのタイム感とギブソンのフルアコの音色が実に味があって心地良い。
本作の録音は1977年。その頃は既に人気バンドSTUFFで名を上げていたゲイルだが、唯一無比ともいえるアクとコクのある個性的なフレージングは、僕が若い頃、寝床に着く時も昼寝する時も聴いていた数々のフュージョンのアルバムのそれと少しも変わらない。もうこれは手癖としか言い様のない、いつか誰かのアルバムで絶対に聴いたことが有るような、あのフレーズこのフレーズ…そんな不動のゲイル節に次ぐゲイル節を聴きながら暖かい毛布に包まってニヤニヤしているうちに、広い草原で遠くに見える羊を数えているかのような…そんな心地よい自己催眠の世界が僕に訪れる。。。。
メンバーはリチャード・ティー(Kb)にスティーブ・ガッド(ds)、ラルフ・マクドナルド(prc)、G.ワシントンjr(sax)etc…そしてアレンジがボブ・ジェームス。これでサウンド的に大人しくなる筈もなく、むしろ70年代のイケイケフュージョンではあるが、この安心感と暖かなクドさが、僕には格別の催眠効果があったりするのかもしれない。僕の場合は、不思議によく眠れるアルバムだ。

うさぎが一羽…うさぎが二羽…うさぎが三羽…うさぎが四羽…おやすみなさい……[眠い(睡眠)]

ベスト・トラック
4.Morning Glory
1.Oh! Mary Don't You Weep
3.Multiplication







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2nd ALBUM/今剛 [FUSION]

いや~、いい顔してるね。
今年6月にリリースされたギタリスト今剛の待望の新作、その名も『2nd ALBUM』

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なにせ長いキャリアを持ってるし、名実ともに日本の誇るギタリストの一人であるのに間違いないわけだから、アルバムなら少なくとも4~5枚…いやもっと10枚は出してても不思議じゃないっつーかね。ところが前の自己名義のアルバムが『スタジオ・キャッツ』だから29年振りのリーダーアルバムってとになるんだね。僕がフュージョン聴き始めた頃にファーストアルバム出してそれっきりなんだもん。こりゃ『ずっと待ってましたよ』というよりも『もう諦めてましたわ』みたいな(笑)。僕なんかは『あー、今剛ってソロアルバム作らない、そういう拘りを持ったギタリストなのかな』って勝手に思ったりしてましたけど(笑)、そうじゃなかったんだねー、よかった。なんでも楽曲・アレンジ共に練りに練って構想10年かけたとか。まさに渾身のニューアルバムってとこでしょうか。
実はこないだの6月に今剛のギタープレイを生で聴く機会があってね、そのあまりのカッコよさにうおおおおー[グッド(上向き矢印)]となった身としては聴かないわけにいかんでしょ、ということで手に入れたんだけど、こりゃ本当に期待以上。29年の歳月を超えて、素晴らしい…いや素晴らし過ぎるギターアルバムに仕上がってますぜ。

1. From into the Grey Sky
2. May I EQ?
3. Sakura (歌:笠原弘子)
4. The 9th Moon '09
5. Sierra(歌:寺尾聰)
6. How'bout a policeman's swing '09
7. Newkids in a forest
8. Allahabad(歌:Mark Cass)
9. Mandolin Dream '09
10. Lost in Asia
11. Fullmoon, Empty Highway(歌:Mark cass)

山木秀夫(Ds)
井上鑑(Key)
佐藤準(Key)
森俊之(Key)
高水健司(B)
大儀見元(Per)

寺尾 聰(Vo)
笠原 弘子(Vo)
Mark Cass(Vo)

はい、初っ端の『From Into The Grey Sky』の浮遊するような骨太でありながら繊細なギターで早くもノックアウトっす。全10曲が収録されたこのアルバム、インスト曲を中心にじっくりとギタープレイを堪能出来るんだけど、笠原弘子らのボーカリストのバッキングもスタジオマンとしての『歌伴の真髄』のようなプレイが鳥肌もののカッコよさ。寺尾聰が唄うボズ・スキャッグスのカヴァー『Sierra』のソロなんかもうね、『このままあと35分くらいギターソロでもオッケーだぜ今ちゃん』みたいな感じでしょうか(笑)。とにかく言葉に出来ません。たまりませんですよ。
みっちり創り込まれた印象の楽曲の空間を今剛の『あのギター』が自由自在に飛行し、七色に変化しながら響き渡る、これは在り来りなギターフュージョンとも違うロックとも違うポップスとも違う、29年の間に熟成されたまさに『KONミュージック』といえましょうか。
とにかくギタリストはもちろん、ギター好きを自認してる音楽ファンは聴いて損はなかろうかと。ブックレットには楽曲ごとの使用楽器の解説もあったりして、こいつもギタリストには堪らんかもね。まぁその辺はギターを全く弾けない僕にはさっぱり判りませんでしたけど(笑)

ベストトラック
1. From into the Grey Sky
5. Sierra
7. Newkids in a forest





 
 

タグ:2nd ALBUM 今剛
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The Good and the Bad Times/The Crusaders [FUSION]


またこんなマイナーなアルバム取り上げるから、ブログの人気が上がらねーんだよ(笑)

とか思いつつ、ヤフオクで510円で落札しちゃったもんだから嬉しくって・・・(笑)
レコード盤の方は発売当時に買った物。
今は無き大阪の名店『LPコーナー』のロゴが懐かしいっす


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しっかし届いた品を見た時はちょっと参ったね。出品情報には『レンタル落ちですよ』と明記してくれてたんだけど、これほどまでとは(笑) プラケースに『レンタルCD』のシールがでかでかと貼ってあるのは覚悟してたとして、ケースを分厚いビニールでパッキングしてあるんだな。で、そいつをベリベリ剥がすとケース表面に糊が残ってベタベタになっちゃったよ。あちゃー!きったねーなこれ(笑)。出品した人はぜんぜん悪くないんだけどね。

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しまったこりゃぁいかんということで、百均で空のCDケース買ってきて交換。お~、よしよし。だいぶきれいになりましたよ。これで510円なら安いっしょ。いい買い物しました。
盤の方は少々キズがあるものの再生は問題なし。レンタル落ちなわけだし、まぁこれは仕方ないわな。それよか、このアルバムがかつて何処かのレンタルCDショップに置いてあったということにちょっとビックリだね。1980年代半ばって、まだまだフュージョンも人気あった時代なんだねぇ。
あ、写真がつまんなくてごめんなさいね。

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で、このアルバムは何かってぇと、クルセイダーズの『THE GOOD AND THE BAD TIMES』
って……知ってる人いるかなぁ……1986年の作品ですけど。
前作『ゲットー・ブラスター』で大コケしたのもあってか、ギターにラリー・カールトンとD.T.ウォーカー、そしてヴォーカリストにナンシー・ウィルソンを迎えたかなりの意欲作なんだぜ。少なくとも僕は勝手にそう思いましたけどね。ところがはっきり言ってファンの間じゃ決して評価の高いアルバムではございませんで、むしろ下から数えたほうが全然早いような作品……なんだな、残念ながら。
ドラムはレオン・チャンクラーからソニー・エモリーに代わったけど、今度は正式メンバーではなくってサポート扱い。やっぱスティックス・フーパーの後釜となると入る方も迎える方も難しいんだろうかねぇ。とうとうクルセイダーズはこのアルバムでジョー・サンプル(key)とウィルトン・フェルダー(sax)の2人だけになってしまったわけだ。
音楽的なファンの評価も高くないんだけど、とにかくジャケットが趣味悪い。これ、なんとかならなかったのかなぁ・・・ただでさえ、あまりカッコいいジャケットがないクルセの作品の中でも最低といっていいでしょうねこれは。『ゲットー・ブラスター』もそうだったんだけど、『スタンディング・トール』を最後にクルセイダーズサウンドのリズム面での要だったスティックス・フーパーが抜けちゃって(その後2003年に復帰)一気に下降してコケてしまったバンドの迷走ぶりがジャケットにも現れてる感じがする。もうちょっとセンス良いというか購入意欲をそそるようなジャケットだったら、このアルバムの運命も変わってたかもしれないよね。

ただサウンド的には僕は結構好き。キラキラなシンセのリフやブラスサウンドとかエフェクトをかけまくったドラムとか、いかにも『当時流行ってたフュージョンサウンドをクルセイダーズが敢えてやってみました…』みたいな。パワーのあるメロディをサックスをギターのユニゾンで決める③の『Sweet Dreams』なんかはまさにそれで、まるでどっかの国のT-SQ[野球]AREかと思うくらいポップで売れ線(笑)。まぁそこら辺がファンからそっぽ向かれてしまった大きな要因なんだろうけど、プロデュースがジョー・サンプルとウィルトン・フェルダーの連名になってるわけだから、嫌々やったわけでもなく(少なくともその時は)前向きに取り組んだのかな、とも思うわけ。しかもよくよく聴くとサンプルのリリシズム溢れるエレピもフェルダーのカラッと乾いたテキサステナーも、やっぱりこれだよって感じでよく唄いよく鳴ってると僕は思うんだよね。特にナンシーウィルソンが歌うバラード『The Way It Goes』でのフェルダーのソロの入りなんか絶品。何にも難しそうなことやってないんだけど、たった16小節でジーンと来るんだよね。。。この人、バラードでのソロ、ホントに上手いわぁ。
『スクラッチ』や『南から来た十字軍』、大ヒットした『ストリート・ライフ』、もっと遡ると『セカンドクルセイド』やジャズクル時代の『オールドソックス・ニューシューズ』…もちろん僕も大好きで傑作に違いないと思うしレコードは僕の宝物。だけど、2人になっても続けるんだ、と決意した時点で、あの頃のサウンドとは比較できないというか、比較しちゃいけないとこまで行こうとしてたと思うんだな~。
この後に続く『ライフ・イン・ザ・モダン・ワールド』が完全にスムースジャズといえるような音に行っちゃったのを考えると、まだ骨太さと男気を残したクルセイダーズとしての20世紀最後のアルバムと言っていいんじゃないだろうかね。
このアルバム、僕は好きですよ。

ベストトラック
3.Sweet Dreams
2.The Way It Goes
1.Good Times







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Morning Island/渡辺貞夫 [FUSION]

今日も大阪はじめじめした梅雨空でございました。
渡辺貞夫の『モーニングアイランド』で爽やかにいきましょう。

morningisland.jpg


おそらくだけど、古くからのフュージョンファンでこのアルバムを聴いたことがないって人はいないんじゃないかな。
『マイ・ディア・ライフ』から『カリフォルニア・シャワー』と続いたビクターFLYING DISKレーベルでのナベサダのフュージョン三部作のラストを飾る名盤。
カリプソ風のリズムに涼しげなフルートが乗る表題曲『Mornign Island』は、まだひと気のない摩天楼の夜明けの風を思わせ、続く『Down East』では弱冠23歳のテクニシャン、のフランシスコ・センテーノの強烈なベースラインが炸裂する。高らかなソプラニーノはサブウェイから地上に出て見上げる朝の眩しい日差しのようだ。『三月のサンバ』と題されたグルーシン作の『Samba Do Marcos』にはアフターファイブを満喫するニューヨーカーたちの賑わいを感じる。

操上和美の撮影によるこのジャケット写真、あまりに出来が素晴らしかったためにジャケット内に文字を入れる場所が無くなってしまったんだって。今も昔も本当に良い笑顔するよねナベサダは。
マンハッタンの摩天楼を背にしたナベサダの満面の笑みには、本場の強者たちとのレコーディングを終えて、前作『カリフォルニア・シャワー』で得たコンテンポラリーな路線を完成させた手応えと充実感に溢れているようにも見える。

もちろん素晴らしいのはジャケットだけではない。
S.ガッド、J.ミノロフ、R.ティー、E.ゲイルら錚々たるミュージシャンが奏でるベーシック・トラックは一聴すると細部まで譜面化されたアレンジのようにも聴こえるが、ベーシック・トラックはメロディとコードネームと大まかな「行き方」のみ。それにグルーシンの手によるゴージャスなブラスやストリングスを被せて、晴れ渡ったマンハッタン島の一日を思い起こさせるタイトで爽やかな作品に仕上がっている。ガッドの叩き出すリズムは言わずもがな、ミノロフのカッティング、センテーノのベースもゴキゲンだね。エリック・ゲイルのソロなんかは前の日に泥棒に入られた男の演奏とは思えないかっこよさだ(本当)。
アルバムを通してアドリブよりもテーマのミスに妥協せず徹底的に主題に拘った、およそジャズ的ではないレコーディングによって『モーニング・アイランド』は、今も多くのファンに愛され続ける日本屈指のフュージョンアルバムとなった。夏をターゲットにしたアルバムが出ては消え出ては消えて行った中で、我ら日本人のリーダーアルバムが世界トップレベルの完成度を誇っているのは、ただただ凄いと思う。

限られた一部のジャズファンに対してだけでなく、より多くの人々と『音楽の楽しみ共有する』という、今も変わらない「ナベサダ流のジャズ」が1979年に結実し今年で30回目の夏を迎える。
全く古さを感じさせない世界水準のクオリティと、ジャケットに映るナベサダの日本一の笑い皺。。。
今年の夏は、何人の音楽ファンの部屋に爽やかな涼風を吹かせるのだろうか。
このアルバムの凄さは、そこんとこに尽きる。

2.Down East
1.Mornign Island
7.Samba Do Marcos






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