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Live and Unreleased/Weather Report [JAZZ]

ここんとこ未発表のライブ音源&映像が頻繁にリリースされてる稀代のコンボ、ウェザー・リポート。
全盛期の、ロックバンドも顔負けな凄まじい人気っぷりから推しても、こなしたライブの本数は半端ないだろうし、音源的に宝の山ってところなんじゃないっすかね。
よく「奇跡の音源を倉庫で発見!」みたいな宣伝があるけど、発掘するレコード会社の人も、好きなバンドなら楽しくてしょうがないだろうなって思う。
「うぉおおーこんなところにこんな音源がああああ」・・・みたいな。そうでもない?(笑)

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それはともかく、このアルバムは2002年時点での、1975年から1983年までのウェザーの未発表ライブ音源集2枚組み。タイトルもずばり『Live & Unreleased(ライブ&アンリリースド)』。思えばウェザーの未発表をまとめたのはこれが最初じゃないっすかね。出た時はかなり驚いたもんなぁ。

バンドに在籍した四人のベーシストのうち、アルフォンソ・ジョンソン、ジャコ・パストリアス、ヴィクター・ベイリーの時代(アルバム:Tale Spinnin'~Procession)からのライブパフォーマンスをピックアップした18曲。初代ベーシストのミロスラフ・ヴィトウスの演奏が入ってないのが惜しいっちゃあ惜しいんだけど、がらりと音楽性を変えてきたそれ以降を考えると、これはこれで却ってアルバムに統一感が出てるような気はする。ジャコ在籍時代の音源が多めなのは、まぁこれは当然かな。

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弾けるようなタテノリを洪水のように繰り出す正攻法ファンクベース・アルフォンソ、予測不能な音使いでサウンド崩壊ギリギリ寸止めの天才ジャコ、ヴィクターとハキムのタイトなグルーヴはむしろザヴィヌルの発想をむしろ最も具現化しているといっていいかも。そんな三人の歴代ベーシストからなる4通りのスーパーリズムセクションを、敢えて年代順に並べるのでなくランダムに収録してあるのが聴き比べとして面白いし、ノリの良さ重視の選曲も楽しくてGOOD。そして何よりもウェイン・ショーターの演奏が聴きモノ。スタジオ盤では明らかにジョー・ザヴィヌルに主導権があって、ショーターは一歩引いている感があるんだけど、ライブではここぞとばかりに本領発揮。周囲に煽られまくってことのほか熱くなってて凄いこと凄いこと。電気楽器(シンセ)を相手に、ミステリアスに唸り時には激しく咆哮するショーターのテナーソロはまさに現代ジャズそのもの。1曲目「Freezing Fire」や6曲目「Cucumber Slumber」での生々しさ熱さといったら、もうこれは熱演というより激演だ。

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ウェザー・リポートの場合は、ザヴィヌルとショーターのツートップをとりまくリズム隊(つうかベーシスト)でもってよく語られるわけで、とりわけジャコとアースキン在籍時は、スタジオアルバムの評価もセールス面でも抜きん出てるだけでなく、なんだか「ジャコパスありき」みたいなところが少なくないんだけど、やっぱりウェザーの主役はジョー・ザヴィヌルであり、バンドを頂点に導いたのはウェイン・ショーターの唯一無二なトーンとアドリブのメロディ感覚だってのがホントによく分かるアルバム。強靭な4種類のリズム隊を軸に、マイルスの高弟である沈着冷静なザヴィヌルと荒々しいショーターのバランスが絶妙で素晴らしい。まさにエレガント・ピープル、今さらながらやっぱり凄いバンドだったと再認識。

結成して40年、解散して四半世紀。ザヴィヌルが亡くなって今日でちょうど4年・・・んー、超えられるグループが出てくる気がしないのが正直なところ。

ベスト・トラック
disk2-1 Black Market
disk1-2 Freezing Fire
disk1-7 Teen Town



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冥王星~再生する者 (Pluto, the Renewer) [その他の音楽]


水金地火木土天海冥・・・
小学生の頃、太陽系の惑星の順序をこうやって覚えてましたよね

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惑星の音楽といえばホルストの組曲『惑星』。僕が最初に知ったのは中学生の頃、冨田勲がシンセで演じた『THE TOMITA PLANETS』だったかな。

んで、このCD。こないだブックオフで見っけたんだけど。

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なにげにタスキに目をやると『冥王星付き』って書いてあんの。

え?ホルスト『惑星』に冥王星なんて有ったっけ? 無い・・・よね?

ホルストの『惑星』に冥王星が無い理由なら、クラシックにてんで疎い僕でも知ってる。作曲された当時は未発見だったから。
それにしても…もうちょっとこの文言なんとかならんのか?って思うよなぁ、『冥王星付き』って……
『ガリガリ君ソーダ味 あたり付き』じゃないんだから(笑)

冥王星ってのは、元々は太陽系の第9惑星。ところが21世紀になって(2006年)、「惑星の定義を満たしていないじゃん」ってことで、dwarf planet(準惑星)とやらに格下げにされちゃった。
僕らの世代で冥王星といえば、ガミラス帝国の太陽系前線基地があって、宇宙戦艦ヤマトが反射衛星砲の攻撃に苦しめられたり、銀河鉄道999では機械人間の捨てられた抜け殻が眠る『氷の墓場』として描かれてたり・・・と、太陽系の最果てに位置する(とされていた)だけに、なんつうか他の惑星の中でも一段と神秘的なイメージがあったんだよな、、、なので冥王星の格下げには、僕も少々がっかりした記憶が(笑)

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まー、そんなこんなで、このラストの8曲目が気になって仕方が無い。その名も『冥王星~再生する者』。

この冥王星の部分は、2000年に英国の作曲家Colin Matthews(コリン・マシューズ)によって、補完というか新たに書き足されたのだそうな。
コリン・マシューズのペンによる本来の編曲は、作品32.7『海王星(神秘主義者)』のラストのコーラスによるppp(ピアノピアニッシモ)に被さるように冥王星が始まるらしいんだけど、このサイモン・ラトル指揮での演奏は海王星にて一旦完結、その後で冥王星が始まるって流れになってる(ように僕には聞こえるんだけど)。
んー、作曲者も違うわけだし、これは完全に『おまけの別曲』ってのが指揮者の解釈なのかな。実際、冥王星の追加については賛否両論あったとかなかったとか。
でもこれはこれで良いんじゃないかな、とも思う。既存の組曲にくっ付けるってのは無理があるにしても、単体の曲としては僕は嫌いじゃない。それよか『木星』をいじくり倒した上に原曲と無関係な日本語詞つけて歌ってる方がよっぽどホルストを冒涜してるぞと思ったり・・・(ホルストは”惑星”を演奏するにあたって作者として様々な制限をつけていたが著作権保護期間は終了)。

で、このCDが『冥王星付き』の名で発売された、なんと翌日に、国際天文学連合の決定により冥王星は惑星じゃなくなってしまった・・・と。
格下げになった星そのものもなんだか気の毒だけど、曲の方も間が悪いつうか運が無いつうかねぇ。
あぁ冥王星・・・つくづく不憫な星よのお。

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まぁそれでも、今後『冥王星付きで惑星が録音される』ってことは無いだろうから、ある意味貴重な演奏になってく可能性もあるかなって・・・どうでしょうか(笑)
ちなみにこのCD、発売当時は格下げの効果が良い方に転んだらしく、セールス的には大成功。発売されて数日で在庫が切れるほど売れに売れたんだって・・・なんだかなぁ(笑)
いっそのこと、作曲者がコリン・マシューズだけに、かわゆく "こりん星[揺れるハート]" とかにしてたら・・・もっと売れたかもね(笑)

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Music Magazine , September - 2011 [Book]


久しぶりに、本当に数年ぶりにミュージックマガジン(2011年9月号)を買った。
表紙と特集が達っさんだってのもあるんだけど、ぱらぱらと立ち読みしてたんだ。
そしたら、同誌の名物コラム『とうようズトーク』に目が止った。

え?うそ・・・


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79歳での自死という、どうしようもなくショッキングなニュースを知った数日後に本屋で読んだMM(先月号)の『とうようズ・トーク』が、中村とうよう(本名:中村東洋)氏の最後の原稿なのだと・・・少なくとも僕はそう思っていた。
表紙を飾るKPOPアイドルのイラストと特集記事に「この雑誌もずいぶん変ったのな」といった違和感を少なからず覚えながら、結局8月号は買わずに立ち読みだけで済ませた。

ミュージックマガジン(以下MM)の創刊者であり初代編集長の中村とうよう氏は、今年の7月21日に自ら命を絶たれた。自宅マンションから身を投げたのだ。

(おそらく本当に)これが最後になる9月号の『とうようズ・トーク』は、自死のその日に届くようにMM編集部宛に投函された悲しい内容のものだった。いや、これはどうも後味が悪いと云った方がしっくりくるかもしれない。人はひとたびそれを『決意』してしまうと、こうもさらりと書けてしまうものなのか。嗚呼、そんなに儚いものなのか・・・と。
それが良いことなのか悪いことなのか、もっと他にも訳が有るのではないのか・・・いやよそう、歳を重ねるということ、老いてゆくということ、その果てに待ち受けるもの、まだ中途半端な場所に佇む僕にはどうにも分からないし考える余裕もない。氏は孤独の中で「その日」を自分自身で決め、自らが興した音楽雑誌に認(したた)めた。その事実だけが、氏が記してきた膨大な量の活字の最後の一頁となって、読者の手許に残された。

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氏は『人生は楽しかった』と振り返り『もう思い残すことはありません』と書く。そして『ときどき思い出してください』と読者に書き残している。人生の幕引きの時、多くの音楽ファンに様々な影響を与えてきた「自身の仕事」につけたのは、10点満点だったのだろうか。
好き・嫌い・共感・反発・・・そんな全てを越えて、日本の音楽ファンが忘れてはならない音楽評論家。

やすらかに。



「ミュージック・マガジン」誌の「クロス・レヴュー」にて、Michael Jacksonの『Thriller』に0点を叩きつけたのは有名。

中村とうよう氏が10点と0点をつけたアルバムから一曲ずつ。
◆10点 NUDE MAN/サザンオールスターズ




◆ 0点 ファイナル・カット/ピンク・フロイド


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End of a Summer/Julia Hülsmann Trio [JAZZ]



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踏みしめる砂は
まだ少しだけ熱く

おいてきぼりの
サンダルが
夏を惜しんで
泣いている

虫たちは唄う歌を変え
遥か見上げた雲の峰も
今は もう無い

時の訪れは従順で
だけど
何も告げずに
とおり過ぎたりもする


ベスト・トラック
3. Kiss From A Rose
4. Last One Out
10. Where In The World



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BOX SETの愉しみ ~ Miles Davis [JAZZ]

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僕が最初に手に入れたMiles Davisのアルバムってぇと。レコードの方は『クッキン』。中古で1500円くらいだったかな。CDは『アガルタ』・・・こちらは4000円だったかな。その頃CDって安くなかった。ここ最近はインポートのCDなら新品でも一枚1000円前後で買えちゃったりするもんな。ありがたいこってす。

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んでこれなんだけどさ。マイルス・デイヴィスのBOXセット『Twenty Classic Albums』。
マイルスのボックスセットって、ん万円もするような豪華なのから廉価なのまでホントにごろごろ出てるんだけど、価格的には今のところこれが極めつけじゃないっすかね。
いやさ、「今のところ」ってのは、今後もっとすげーのが出るかも知んないって意味で。たぶん、つーか絶対に出るでしょ。
若き日の帝王が目を閉じて物思いにふけるジャケット(つうか箱)はなかなか雰囲気あるね。ふた開けると、こんな紙ジャケに入ったCDが10枚。


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全てのディスクが2in1になっていて 2×10枚=20Albumsってわけ。インポートの廉価ボックスは、アルバム関係なしに曲がてんでバラバラに詰め込んでるのが多いんだけど、これはアルバムごとに収録されてんだぜ。
一箱1943円(amazon価格)だから、CD1枚194円、アルバム1枚97円、1曲なら、えーっと・・・15円くらいっすかね。わははは、ここまでくると叩き売りだな(笑)。「帝王なのにこの安さ」と言えばいいのか「帝王だから安い」と言うべきか・・・しっかしまぁ恐るべしコストパフォーマンスだわ。

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Disc 1: Birth of the Cool & Dig.
Disc 2: Dig pt 2 & Blue Haze.
Disc 3: Walkin' & Musing of Miles.
Disc 4: Blue Moods & Miles Davis Quintet/Sextet.
Disc 5: Miles/ Miles Davis with Horns.
Disc 6: Relaxin' & Bag's Groove.
Disc 7: 'Round About Midnight & Miles Ahead.
Disc 8: Cookin' & Milestones.
Disc 9: Miles Davis and the Modern Jazz Giants & Somethin' Else
Disc10: 1958 miles & Porgy and Bess.
※Porgy & Bessのみ、1曲カットされてます。



収録されてるアルバムはこの20枚。
1950年の『クールの誕生』から1958年の『ポギーとべス』まで、主にPrestige~CBSの1950年代の作品群からのチョイス。かの有名なマラソンセッション4部作が揃ってなかったり『Somethin'Else』が入ってたり(いちおうマイルス名義ではないという意味で)と、突っ込み所も有るにはあるが、ここまで激安にされると笑って許しちゃう。つうか年代順に収録されてるってのはかなりポイント高い。あまねく知られた名盤中の名盤も何枚か入ってるんだけど、案外持ってないアルバムがかなり有ったりするんだよこれがまた。マイルスのコンプなんて考えたことも無いもんでさ(笑)。

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ちなみに中身はこんなの。アナログレコードのデザインのCDが裸で詰め込んであります。まー廉価ボックスは、このそっけ無さが良いんだけどね。紙関係は12ページの楽曲一覧とレコーディングデータ(英語ね)が入ってる。いやいやこの値段でそこまで書いてくれてりゃ十分です(笑)。
てなわけで、ちょっとマイルス入門してみよっかなーって人とか(いるのか?)、CD棚ではなくパソコン上でもいいからマイルスのコンプ目指したい人には、かなりお得なセットかも。音もリマスターされてるみたいだし。
んー、こうなると60年代版もこの価格で企画して欲しいっすね。


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HAPPY LIFE!/坂東慧 [FUSION]

ソロアルバムってやつに、何を期待するかは人それぞれだろうけど
僕はいいアルバムだと思います

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坂東慧は1983年生 まれのドラマー。T-SQUAREに加入した時はまだ20歳そこそこだったのが、気づけばもう27歳。今やドラマーとしてバンドのリズムを支えるだけでなく、主力コンポーザーのひとりとしてもバンドに貢献してるよね。ライブDVDか何かで初めて演奏を見たときは彼の若さも相まって、「こりゃまた凄いの見つけてきたなぁ」ってのが印象だったんだけど、ドラム技術はもちろん彼の作る楽曲の「それっぽさ」にも驚かされたもんです。1983年ってば、スクェアのアルバムでいうと『うち水にRainbow』の頃。てことはデビューした時は影も形もなかったわけか。「TRUTH」の頃は・・・まだ園児????
・・・そういえば当時はまだザ・スクェアだったっけか。
とまぁ、こんなこと考えてると、すっかり日本屈指の長寿バンドとなったスクェアってバンドの歴史というかさ、いやそれよりも自分に寄る年波ってのを痛々しく実感してしまうわけで(笑)。それはともかく坂東慧の初のソロアルバム。
全て坂東慧による作・編曲・プロデュース。ドラムの他にキーボード、ピアノ、プログラミングも担当。

坂東 慧 (Drums,Percussions,Piano,Keyboards,Programming)
宮崎 隆睦 (Sax,EWI,Flute)
上條 頌 (Guitar)
菰口 雄矢 (Guitar)
堂島 孝平 (Guitar)
後藤 克臣 (Bass)
櫻井 哲夫 (Bass)
田中 晋吾 (Bass)
佐藤 雄大 (Piano,Keyboards)
白井 アキト (Keyboards)


こうしてメンツ見てると、知らない名前もちらほらと有るんだよな。ほら、あの櫻井哲夫が浮いて見えるくらいに若いミュージシャンばっかで、日本のフュージョンもずいぶん世代が変わってきたのかね・・・って思う。 80年代にフュージョンのブームが去ってからもう何年も経つけど、今の若いミュージシャンがこうやって腕によりをかけてフルインストのアルバム作ってるってのは、僕ら古臭いフュージョン好きにしたら、ホントに嬉しい限り。

サウンドはいたってスクエア。「え?CD間違えた?」って思うくらいスクェア。1曲目の出だしがスクエア、2曲目のサビがスクエア、3曲目のBメロがスクェア、4曲目のイントロが(以下略)・・・・もうこれ以外に例えようがないってくらい『ど スクエア』なわけで、本物よりそれらしいかもしれない。たとえばサビでお約束のように現れるサックス&ギターのユニゾンだったり、たとえば運転中に思わずスピードが上がってしまう8ビートだっ たり、たとえば胸のどこかがほんのり温かくなるようなバラードの高揚だったり・・・楽器なんて弾けなくても、音楽理論なんて知らなくても、言葉の無い演奏 だけで人を楽しませる、惹きつけて見せる・・・そんなスクェアのDNAつうか伝統みたいなのが、全ての楽曲のどこかしらに宿ってるんだよな。
それはもしかしたら彼がガキの頃から追って追って追い求めた大好きな楽曲へのリスペクトのようにも取れるし、バンドを離れた『いちクリエイター』として、どこまでスクェアのサウンドに追随できるかに挑んでるようにさえ感じる。そのくらい「敢えて」スクェアぽいアルバムに仕上げられている。これは彼自身のプロデュースだということから考えても、確信犯なのだと僕は思う。
いやはやここまで正面向いて正々堂々とやられると『お前さんそんなに大好きなのか、まぁその調子で頑張れよ』って気分にさせられるわな。
坂東ファンはもちろんだけど、アルバム3枚でバンドを離れた3代目フロントマンの宮崎隆睦がほぼ全曲で参加ってのもいいね。2000年の夏、突如の脱退にがっかりした宮崎ファンにも嬉しい一枚。アルト、ソプラノ、EWIで実にいい仕事してます。
全10曲・51分。才能はまだまだ溢れてるのかもしれないが、それを詰め込み過ぎてないのもGOOD。インストのアルバムにはちょうど良い長さだと思う。

Happy Life!

Happy Life!

  • アーティスト: 坂東慧
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジレコーズ
  • 発売日: 2011/07/13
  • メディア: CD

ベスト・トラック
10.ハッピー・ライフ!
6.メロディ・ロード
9.十七年越しの約束
タグ:坂東慧
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ここにいたこと/AKB48 [邦楽]


このブログ読んでる人なら、根がミーハーなことくらい知ってるでしょ?(笑)

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1980年代半ば、この手の女子の大集団がテレビで大ブームになった時、僕は十代だった。いま思えば、あのブームもたったの2年そこそこだったか。
その時はその時で好みのメンバーはいたが、残念ながらそのメンバーはドラマに出ることもソロで歌うこともなく、ブームが去るのと同じく、ひっそりとブラウン管から居なくなった。
(おそらく)容姿と運だけでどんどん増えていった彼女たちの、縦横にずらりと並んだ学芸会のようなステージングや、へらへら感満開な手足だけの振り付による合唱に、見ているこちらが赤面させらることもしばしばだった。

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しかし、この彼女たちはどうもそれとは違うようだ。
どのような仕組みがあってどのような掟の下でこのグループが成り立ち、ここまでの人気を獲得してきたのかは知らない。
しかし、テレビの映像で彼女らのパフォーマンスを見るにつけ、時に可憐に時にコミカルにステージを全力で駆け回りながら歌い踊る姿や、ほんの数秒与えられる瞬間のアップで見せる勝負スマイルの裏に、相当な『努力』というか『自己研磨』というか・・・もっと言えば、凡才であるが故の『プレッシャー』とか『闘争心』みたいな・・・・書くだけなら容易くて月並みな言い回しだが、そんなものが潜んでいる気がして仕方がない。なんか目の色が違うのだ。そしてそれが何とも清々しく僕には映る。人を「笑わせてる」つもりが実は「笑われてる」だけの三流芸人を見ているよりは、よっぽど華やかで目の保養にもなる。




あれだけシングルを連発している割には、これが初のオリジナルアルバムなのだとか。
まあ個々の歌唱力にケチをつけるようなアルバムではないと思うし、商魂逞しい売り方への賛否についても置いておくとして、アルバム一枚約70分、楽曲は想像以上に佳曲揃いで楽しいものばかり。
少なくとも僕は、気分よく車を運転させてもらった。
これでもかとばかりにテレビでラジオで流れていたあの曲この曲を含め、真崎修、島崎貴光、井上ヨシマサ、山崎燿らの作・編曲陣による楽曲が並ぶ。
曲によっては(たぶん)全員で、曲によってはAとかKとかBのチームに別れての歌唱による全16曲。疾走感あふれるロックサウンドからキュートな打ち込み ポップス、赤面必至のコミカルソング、総勢数十名(?)での重唱によるバラードまで、実に色彩豊かに出来ている。若さ溢れる彼女らにしか歌えないような所謂「アイドル ソングの王道」を堂々と直球勝負で演じているのが可愛らしい。個人的には特にアルバム中盤(⑤~⑩)に並んだ数名のユニットで歌われる数曲がかなり気に入った。

めまぐるしく変わる歌い手の声はいったい誰なのか見当もつかないし、あまりにアイドル然としていて聴いてて恥ずかしくなる下りも確かに有る。だがそれは僕の歳の問題であって、今も昔も世代間でループするものだ。彼女らの責任ではない(笑)。
作詞は全て秋元康。等身大というならば、それを遥か昔に通りすぎた年齢の僕ではあるが、「青春」だとか「初恋」だとか「無限の未来」といった普遍の物事に対して、当たり障りのない言葉を使いながら聞き捨てならない詞句(フレーズ)に仕立て上げるあたりは、やはり上手いなと思う。
若い人が一生懸命に演じる歌に若い人が一生懸命になる・・・音楽的な理屈で語れば語るほど野暮にしか聞こえないし、タイムレスになる必要もない、と僕は思う。なんといっても、若いのだから。


ベストトラック
13. Beginner
7. 人魚のバカンス
5. 風の行方



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Whipped Cream & Other Delights/Herb Alpert & The Tijuana Brass [その他の音楽]

あの頃はテレビなんて居間に一台しかなかったし、夜も10時過ぎりゃ中高生でも音楽でも聴くか雑誌やマンガ読むくらいしか無かったもんなぁ。
あ、ちゃんと勉強する ”ふり” もしてましたよ、深夜放送聴きながら。

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うわ、よくよく見たらドレスじゃなくてホイップクリームに埋もれてんだな(笑)。
「それいったい何てプレイ?」と聞きたくなるこのジャケットは、トランペッター・Herb Alpertがザ・ティファナ・ブラスを率いて1965年にA&Mからリリースした4作目。
殆どの楽曲が1~2分台なので、全12曲収録でもトータルで28分という短さ(笑)。全曲インストなんだけども、これはジャズ・フュージョンというよりはイージーリスニング的なアルバムじゃないかな、メキシカンつうかマリアッチ風というか。全て食べ物関連の曲名がついてて、さりげなくコンセプトアルバム仕立てになってたりして。
タイトルは『Whipped Cream & OtherDelights』。『ホイップクリームとか好物ばっかで嬉しいわ』ってとこなのでしょうかね。
アメリカじゃグラミー受賞の「A Taste Of Honey」が有名なんだろうけど、日本じゃ断然この曲だよな~。みんなが知ってるオールナイトニッポンの、あのテーマ曲『Bittersweet Samba』は4曲目。
思うに、タイトルはあんまり知られてなくっても、おそらく日本で最も有名なトランペット曲のひとつと言っても過言じゃないかと。演奏時間はたったの1分43秒。ラジオで流してたのはエンドレスになるように編集してるんだな。
あそうそう、最近では金麦のCMでも使われてたよね。

ベストトラック
1.Bittersweet Samba
4.A Taste of Honey
3.Tangerine

★君が踊り僕が歌うとき 新しい時代の夜が生まれる。
青空の代わりに夢を 太陽の代わりに音楽を
フレッシュな夜をリードする オールナイトニッポン



 
でさ、こないだ久しぶりにラジオでオールナイトニッポンをオープニング(25時)からエンディング(27時)まで聴いてたんだけど、このテーマ曲は今でも変わってないんだよな。
僕が若い頃に聴いてたパーソナリティは中島みゆき(月曜1部)・松山千春(火曜1部)・タモリ(水曜1部)・谷山浩子(木曜2部)などなど。特にビートたけし(木曜1部)と笑福亭鶴光(土曜)が好きだったなぁ。与太話で真夜中にへそで茶が沸くくらい笑ったり猥談で悶々とさせられたり・・・・人気コーナーのネタ考えてせっせと葉書を送ったりしたもんです。今はFAXかメールしか受付てないんだってね。
僕らが好きだったパーソナリティたちは、もうそろそろ還暦とか迎えちゃってて、今では逆に僕よりもずっと遥か年下の娘さんがぺちゃくちゃ喋ってんだけども、不思議と誰が喋っててもバックでこの曲がループして流れてると『ああオールナイトニッポンだな~』って、なんだか甘いようなほろ苦いような気持ちになっちまうんだよちきしょう。嗚呼青春時代・・・
どうか番組がある限り、この曲はずっとずっと使い続けて欲しいね。
今も多くの世代の人の心の襞(ひだ)にくっ付いてる、大切な曲だと思うから。
 
8月22日以前に、この記事にコメント・nice! を下さった方へお詫び。

なぜかレイアウトが崩れてしまうという事態になり、
復旧を試みましたが改善されず、原因も分かりません(笑)。
なので、やむなく当該記事を全削除→新規作成という手段をとっています。
このため、せっかく頂いたコメントとniceが消えてしまいました事、お詫び申し上げます。
今後とも、当ブログをよろしくお願い致します。
 
なちゃ



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ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い [映画・テレビ]


久々に超絶に詰まらない映画を(DVDで)観た
(ねたばれ注意)

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全米コメディ映画の興行記録を塗り替えるほどのヒットをかましただけでなく、世界27ヶ国で1位を記録。ゴールデングローブ賞にノミネートされた(受賞したんだっけか)。
海外のコメディ作品があまりヒットしないのもあって、日本では劇場公開されない予定だったが、この作品を高く評価する映画ライター氏らの署名運動が実って劇場公開が実現したという、んまあ言うなれば「鳴り物入り」のようなかたちで公開されたんだってさ。
こないだまで続編のコマーシャルもテレビで頻繁に流れてたし、かなり期待して(腹抱えて笑うってことね)観てたんだけど・・・・・
んんー、期待しすぎなのかどうか知らんけど、これはぜんぜん面白くなかった。

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あらすじは単純なもの。ダグ、アラン、フィル、ステュという男4人が、結婚を目前に控えたダグの最後の独身生活を謳歌するために、ラスベガスへの豪遊旅行を計画(バチェラー・パーティーと言うらしい)。
ハメを外しまくるべく、さっそうと豪華ホテルにチェックインして、屋上で早速に乾杯。。。。。したのはいいが、目が覚めるとホテルの部屋。あいたた・・・酷いハングオーバー(二日酔い)だ。部屋はぐっちゃぐちゃに散らかってる。あれ?なんで俺の前歯が抜けてんだ?
3人が3人とも昨夜のことは全く覚えていない・・・・え、3人??・・・そういえばダグが居ないじゃないか。

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てな感じで、野郎3人が二日後に新郎となるダグの居所を探すためにベガスを奔走。手がかりを集めるうちに、酔った勢いで彼方此方でかなりのバカ騒ぎをやらかしたようだ・・・というのが分かってくる。
いったいダグはどこに消えたのか?もしや、ヤク中のヤバい奴にでも囚われてるのか、それとも・・・・・まさか・・・・
はたして3人はダグを探し出して結婚式までに無事にロスに帰れるのか?・・・どうすんだよ、いったい。

目覚めた部屋に、身にに覚えのない生きたニワトリとトラ、いやそれだけじゃない、クローゼットには見たこともない赤ん坊まで・・・・おいおい誰の子なんだ???
ここまでは、今後の展開にかなり期待させてくれる。だがそこまでだった。
ピストル持ったギャングまがいの男たちに追いかけまわされたり、警察署内で子供らのスタンガン講習のマトにされたり、部屋にいたトラが実はマイク・タイソン(本物)のペットだったり、見たこともない(二日酔いで覚えてない)ストリッパーと結婚したことになってたり・・・・と、まぁそんなこんなのハチャメチャな目に遭いながらダグ失踪の謎を追う、おバカ男3人・・・・なんだけど、なんつうかね、ことごとく笑いのツボを外してくれるわけだ。

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ストーリーのあちこちに伏線(というほどでもないが)が張ってあるものの、ネタフリに対する落ちも「ご都合主義」でお粗末だし、ある意味で一番の見所であるはずのシモネタ(僕はそれに期待した笑)も中途半端で期待したほどのものじゃなかった。お下品なのは別にかまわないし、むしろそれを承知で見てるわけだから、ここはシモネタ大歓迎なんだけど、居酒屋の雑談レベルなのが殆どでぬるいぬるい(笑)。はっきり言って途中で眠気を催すくらい「くすっ」ともツボにはまらないばかりか、肝心のシモネタも当たり障りのない中途半端なもので、これでは苦笑すらも出てこない。コメディ映画なだけにストーリーやアクションにそれほど期待できるわけもなく、最初に笑いのツボを外されると、最後まで見届けるのがちょっと辛くなってくる。

僕てきには、この男たちが、一夜でいったいどのくらいバカ全開で羽目を外し醜態の限りをつくしたのか・・・・みたいな笑いを想像してたんだけどね。何とそれが明かされるのはエンドロールに入ってからという、もうこれこそ「史上最悪」と言っていい落ち(但しこの画像はかなりアホ丸出し)にてジ・エンド。いやいや、ここでそれを見せたって手遅れなんだってば(笑)。
謎解きのサスペンス的な要素も盛り込んではあるものの、ぎりぎりスベッってない程度で「おおーっ!」ってなるほどでもなかった。いくらでも笑いを取れそうな舞台設定なだけに、これは残念な作品。

同じ日にテレビでやってた「釣りバカ日誌」の方が、よっぽど笑えたし、泣けた。


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ロスト・イン・メモリー/Dan Siegel [FUSION]


[晴れ][晴れ][晴れ][晴れ][晴れ][晴れ][晴れ][晴れ][晴れ][晴れ]

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・・・・・・・

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・・・・・・・

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[揺れるハート][ぴかぴか(新しい)][揺れるハート][ぴかぴか(新しい)][揺れるハート][ぴかぴか(新しい)][揺れるハート][ぴかぴか(新しい)]

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・・・・あ、いけね。寄りすぎた 笑

んもう暑いのなんのって。こんだけ暑いと、お尻が恋しく・・・じゃなくって水場が恋しくなるよね。
3~4年くらい前までは、電車の中とか企業のビルの中とかさ、ひゃーすずしー とか更には、おいこれちょと冷やしすぎじゃねーのか・・・ってなる場所があったんだけども、ここ数年てか特に今年はほとんど無いね。まぁこればっかりは関西も節電だもんで、無いものねだりしてちゃいけませんけど。
キリっと涼しいのはスーパーの魚売り場の前くらいでしょうか。

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Dan Siegel(ダン・シーゲル)は、オレゴン州生まれのキーボード奏者。このアルバムは1982年にリリースされた『ロスト・イン・メモリー』。もっともこれは邦題で、オリジナルのタイトルはそのまま『Dan Siegel』。この夏にしか出番がなさそうな「お尻のジャケット」も日本盤仕様で、オリジナルはもっとそっけないデザイン。この頃ってタイトルやアルバムアートを日本独自に差し替えてファンからヒンシュク買っちゃう作品がけっこう有るんだけど、これはなかなかインパクトもあるし、無名同然だったキーボーディストを売り出すって意味でも良かったんじゃないかな、、、と、おっさんになってから思うようになったんだけどさ。だって、その頃のフュージョンって『夏を連想させたら勝ち』みたいな・・・そんな音楽だったしね。
今ではすっかりスムース・ジャズの大御所てきな存在になってるみたいだけど、これは28歳の時の作品。一度CD化されたものの廃盤になっちゃって今ではすっかり入手困難なのだとか(amazonのUSEDがすごい値段でびっくり)。

Paul Jackson Jr., Larry Carlton, Marlon McCLain: Guitar
Tom Scott, Jeff Homan: Saxophone
Tom Brown: Trumpet
Mark Hatch: Fluegel Horn
Rob Thomas, Abraham Laboriel: Bass
Moyes Lucas Jr., John Robinson: Drums
Lenny Castro: Percussion
Dan Siegel: Keyboards

んー、なかなか豪華なメンツ揃えてます。サウンドは軽やか且つ明快な絵に描いたようなフュージョンでござい。
全9曲がほとんど5分以内にきっちり丁寧にアレンジされていてコンパクトに纏められてるって感じかな。プレイヤーの技よりもトータルなサウンドで聴かせるL.A.フュージョンの典型っすね。今こうして聴くと安いBGMと紙一重だったりもするんだけど、それでもやっぱ好きなんだよなぁ~こういうの。ここまで堂々とポップに徹してると逆に清々しいつうか。もうね、気温が33℃超えてくるともうだめ。このての軽いフュージョンアルバムに走っちゃう。とくに80年代くらいのやつね。ほらあれだ、夏休み中は母ちゃん面倒くさがって、昼飯がそうめんとざるそばでローテするのと同じ。そんなのうちだけかも知れんけど(笑)

それにしても、子供とプール行くと疲れるな[るんるん] メガネ取ったら目の保養もできねーし(笑)

ベストトラック
sideA-3. Uptown
sideA-1. Great Expectations
sideB-2. Touch and Go
 

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